今週の注目ポイント:FRB・日銀・イングランド銀行の政策金利発表

先週は、インフレへの警戒が続く中、米国の長期金利上昇が世界の株式市場の重しとなりました。米PPIとCPIはおおむね市場予想通りとなったものの、インフレは依然として高い水準にあり、米国の利上げ確率は約90%まで上昇しました。欧州ではECBが予想通り0.25%の利上げを行い、政策金利を2.5%としたほか、インフレ見通しも引き上げました。一方、米国とイランの緊張が高まり、中東からの原油供給への懸念からWTI原油は100ドルを上回りました。為替市場では、原油高にもかかわらず円高が続き、日銀の今後の政策への思惑やベッセント米財務長官の発言が円買いを後押ししました。また、米ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回り、2カ月連続で低下しました。
主なイベント予定
日本 鉱工業生産
中国 失業率、英国 失業率、EU 貿易収支・ZEW景況感指数、米国 ニューヨーク連銀製造業景況指数
日本 貿易収支、英国 PPI(生産者物価指数)、EU 鉱工業生産、米国 小売売上高・FRB政策金利発表
EU CPI(消費者物価指数)、英国 BoE政策金利発表、米国 住宅着工件数・中古住宅販売成約指数
日本 全国CPI(消費者物価指数)・日銀(BoJ)政策金利発表、英国 小売売上高、米国 鉱工業生産
USD/JPY(ドル円)
ドル円日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のドル円は、原油価格の高止まりや米国のインフレ率が高水準だったにもかかわらず、上値の重い展開が続きました。市場では、日銀が今後さらに利上げを進める可能性や、米財務長官による円高の可能性を示唆する発言が注目され、円買いが優勢となりました。
テクニカル分析
ドル円はボリンジャーバンドの下限を再び上回り、週後半には買いシグナルが点灯しました。しかし、週末にかけて再び売り圧力が強まっており、全体としては下降トレンドが依然として強いことを示しています。
今週の見通し
短期的には売られ過ぎの状態にあり、一時的な反発の可能性があります。一方、中長期的なセンチメントは弱気方向へ変化しつつあります。そのため、短期の買いを狙う場合はストップロスを小さく設定し、中長期のトレーダーは反発を待ってから売り場を探す戦略が考えられます。
GBP/JPY(ポンド円)
ポンド円日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のポンド円は、引き続きドル円の動きに大きく左右される展開となりました。英国のGDPは予想を上回ったものの、市場への影響は限定的で、ポンド円は上値の重い展開が続きました。市場では、これまで続いてきた円安が終わりに近づいているとの見方も一部で広がり始めています。
テクニカル分析
ポンド円は10日移動平均線を大きく下回っており、先週の安値を維持できれば、短期的な反発の可能性があります。
今週の見通し
今週は日銀とイングランド銀行がともに金融政策を決定します。日銀は利上げ、イングランド銀行は政策金利の据え置きが予想されています。金利決定自体はある程度織り込まれているため、今後の金利見通しについて両中央銀行がどのようなメッセージを示すかが最大の注目点となります。
EUR/USD(ユーロドル)
ユーロドル日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のユーロドルは、良好なEUのGDPデータとECBによる利上げを受けて、週前半は上値を試す展開となりました。しかし、米国のインフレ率が依然として高水準にあることが確認され、今週の米利上げ観測が強まったことで、週末にかけてユーロドルは下落しました。
テクニカル分析
ボリンジャーバンドは縮小しており、ユーロドルは10日移動平均線を挟んで上下する展開となっています。短期的には、方向感に乏しいレンジ相場が続く可能性があります。
今週の見通し
今週はFRBの金融政策と、年末に向けた今後の政策見通しに市場の注目が集まり、ボラティリティが高まる可能性があります。現在は明確なトレンドが出ていないため、値動きを利用したレンジトレードの機会を狙いたいところです。
ナスダック
ナスダック指数日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のNASDAQは引き続きレンジ相場となり、WTI原油価格の上昇や米国の強いインフレデータを受けてハイテク株への買い意欲が弱まり、下値を試す展開となりました。
テクニカル分析
8月後半の高値付近がレジスタンスとして機能しているほか、ボリンジャーバンドも縮小が続いており、NASDAQは引き続きレンジ相場となっています。
今週の見通し
短期的には、引き続きレンジトレードが有効と考えられます。一方、金利が上昇する中、中期的にはNASDAQがさらに下値を試す可能性が高まっています。
金(ゴールド)
金日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
米国の利上げ観測が高まり、WTI原油価格も高水準を維持する中、先週のゴールドは売り圧力を受け、下値を試す展開となりました。
テクニカル分析
ゴールドは安定した下降トレンドが続いており、先週は10日移動平均線が何度もレジスタンスとして機能しました。一方、8月後半の安値がサポートとなり、さらなる下落を防いでいます。
今週の見通し
ゴールドにとってネガティブなファンダメンタルズ材料が続いているものの、下落幅は比較的限定されています。そのため、相場が下降トレンドから横ばいへ移行し始める可能性があり、今週はレンジトレードの機会が増えることも考えられます。
今週の注目材料
今週は、各国の金融政策と円相場が大きな焦点となりそうです。特に日銀会合では、追加利上げの有無や今後の政策についての発言を受けて、円が大きく動く可能性があります。米国では水曜日にFRBが0.25%の利上げを行うとの見方が強まっている一方、英国では政策金利の据え置きが予想されています。また、100ドルを上回ったWTI原油の動きにも注目です。原油高が続けばインフレ圧力が強まり、各国の金利見通しにも影響する可能性があります。経済指標では、米小売売上高、EUのCPI、日本の全国CPIなどが注目されます。


