原油価格と金価格の関係に変化!ゴールドと相関が高い指標も紹介

かつては原油価格と金価格に強い相関があるといわれ、両者の値動きは同調しやすいと考えられてきました。
しかし近年では、その関係が大きく変化しています。
原油と金の価格は同調するどころか、逆方向に動く場面が見られたり、そもそも相関が不安定になっていたりと、一貫性のない動きを示しています。
つまり、「原油が上がるから金も買う」といったシンプルな考え方では、相場を読み誤る可能性がある状況に入ったと言えるでしょう。
この記事では、原油と金の相関が強かった過去の背景や、それが崩れた理由、そして現在金価格と相関性が高い指標についてなどを以下の項目で詳しく解説します。
- 原油価格と金価格には相関性がなくなりつつある
- なぜ原油価格と金価格に相関性があったのか
- 原油ではなく金価格と相関性が高い銘柄
- ゴールド取引をFintokeiで実践しよう
- まとめ
原油価格と金価格には相関性がなくなりつつある
ゴールド価格(XAUUSD)に原油価格(Crude Oil WTI)のチャートを重ねてみると、相関が見られる時期もあれば、見られない時期もあり一貫した相関関係は見られません。
なおゴールド価格は青のライン、原油価格は赤のラインです。
より詳しく調査するために、2001年1月〜2025年8月までの週ごとの価格データを基に、ゴールド価格(XAUUSD)と原油価格(Crude Oil WTI)の相関係数を算出しました。
2007年や2014年など特定の年はかなり高い正の相関を示しますが、近年(2023〜2025年)は負の相関になっています。
また相関関係の平均値を取ったライン(緑のライン)を見ると、年々原油価格とゴールド価格には相関関係がなくなっていることが分かります。
なぜ原油価格と金価格に相関性があったのか
特に2007年と2014年は、原油価格と金価格に強い正の相関性が見られた理由として、以下の2点が挙げられます。
- マクロ経済の状況
- 金融政策
マクロ経済の状況
2007年は世界経済(特に新興国)は好調で、原油などのコモディティ需要が急増し価格が高騰。これがインフレ懸念を招き、金は「インフレヘッジ」としての役割を果たしました。
加えてサブプライム危機の兆しが現れ、ドルへの信認が揺らぎ、価値の保存手段として金に注目されたこともあり、原油価格と金価格に強い正の相関性が見られました。
一方で2014年前半はウクライナ危機やISISの台頭によって、短期的に原油と金はともに価格が押し上げられました。
しかしその後、シェールオイルの増産やOPECの価格戦争により原油価格は下落、金はインフレ懸念の後退によって価格が押し下げられました。
金融政策
2007年後半にFRB(連邦準備制度理事会)は利下げに転じました。
その結果、ドル安と債券利回りの低下を引き起こし、無利息資産である金にとって追い風となり、10月の利下げで金は28年ぶりの高値(800ドル超)を記録しました。
また原油もドル建てであるため、ドル安により価格が押し上げられた結果、金価格と原油価格がともに上昇する形になったのです。
一方で2014年は2007年とは逆に、FRBは量的緩和(QE)の終了を進め、利上げのシグナルを出し始めました。
QE終了後、ドルは急騰して商品価格は下落。ドル高は原油にも大きく影響し、価格を押し下げました。
さらに金も金利上昇による保有コストの増加とドル高で売られる展開になりました。
原油価格とゴールド価格には相関関係がなくなっている理由
近年、原油価格と金価格の動きがかつてほど連動しなくなっている大きな理由として挙げられるのが、原油の価格構造の変化です。
米シェール革命による供給構造の変化
2000年代後半以降、米国でシェールオイルの商業化が進んだことで、原油市場の供給構造は一変しました。
従来は中東産油国の影響が大きかった原油価格も、米国の増産によって価格統制が効きにくくなり、市場は供給過剰とボラティリティにさらされる構造に変化しました。
この結果、原油価格は景気やインフレに連動して上昇するという従来のパターンから外れ、需給バランスや米国内の生産動向といった独立要因に左右されやすくなり、金との相関関係も次第に崩れていきました。
2014年のOPEC政策転換による市場の不安定化
2014年、OPECは従来の「価格維持」のための減産方針から、市場シェア確保を優先する戦略へ転換しました。
その結果、原油価格は急落しOPECの価格コントロール機能は大きく弱体化しました。
これにより、原油市場は従来以上に投機的な資金や短期的な需給見通しに敏感な、不安定な市場環境へと変化しました。
原油の価格形成がマクロ経済やインフレ期待と乖離するようになり、インフレヘッジ資産としての金との連動性は大きく低下することになったのです。
世界的な脱炭素トレンドによる長期需要減退観測
気候変動対策やESG投資の潮流が強まる中、化石燃料への需要は将来的に減少していくとの見方が市場に定着しつつあります。
この長期的な需要減退観測は、原油への投資資金を萎縮させ、特に機関投資家の間では石油関連資産を敬遠する動きが加速しています。
一方で金は通貨価値の防衛や地政学リスクへの備えとして長期資産として評価が高まっており、投資家の視点が両資産で大きく分かれています。
この構造的な見方の違いが、原油と金の価格相関の低下を一層促進しています。
原油ではなく金価格と相関性が高い銘柄
原油ではなく金価格と相関性が高い銘柄として、以下の銘柄が挙げられます。
- ドルインデックス(DXY)
- VIX指数
ゴールド化価格と「ドル自体の強さ」を表すドルインデックス(DXY)は逆相関にあるといわれています。
その理由はどちらも「米ドル」を軸にして動くものの、その関わり方が真逆だからです。
ゴールド(XAU/USD)は、ドルの価値が上がると同じ1オンスの金でもドル換算の価格は下がりやすくなります。つまり、ドル高=ゴールド安という関係になるのです。
ドルとゴールドの相関関係については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
VIX指数
金(ゴールド)は「有事の金」と称されるほど、市場環境が悪化すると買われやすい安全資産と見なされています。
したがって、市場の不安心理を示すVIX指数(恐怖指数)との間には一定の相関性があると考えられています。
しかし金利動向や流動性要因が絡むと相関関係が崩れる可能性がある点には注意が必要です。
VIX指数については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫VIX指数でMACDのゴールデンクロスを確認する意味とは?トレードでの使い方も解説!
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、原油価格と金価格の相関関係が年々低下している背景や、かつて相関が強かった時期の特徴、そして現在の構造的変化について詳しく解説しました。
特に近年では、米シェール革命による原油供給構造の変化、OPECの政策転換、脱炭素による需要見通しの変化といった要因から、原油価格がマクロ経済から乖離し、金との連動性が薄れてきています。
また、現在のゴールドはドルインデックスやVIX指数との方が高い相関性を示す傾向があり、これらの指標を踏まえた分析が重要です。
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