このFintokeiトレーディングコーチシリーズは、毎週1人のトレーダーの実際の悩みに答える、実践的なコーチングコンテンツです。
ここで取り上げるのは、ポジションの大きさの管理、利益の伸ばし方、感情と資金規模の関係など、経験を積んだトレーダーが次の段階で直面する課題です。単なるアドバイスにとどまらず、取引データや行動パターンを分析しながら、具体的な改善のヒントを提示していきます。
トレードはスポーツに似ています。優れた選手はコーチとともにパフォーマンスを振り返り、小さな修正を積み重ねることで成長します。トレーダーも同じプロセスで成長できる——このシリーズはその考えから生まれました。
今回質問をくださったN.Otaさんは、FXと金(ゴールド)を対象に、スキャルピングとデイトレードを行っているトレーダーです。
サポートとレジスタンス、移動平均線、トレンドライン、プライスアクションを活用しながら、相場の方向性やエントリーのタイミングを判断しています。
トレード経験は3年〜5年で、1日の取引回数は3〜5回です。
主に4時間足や日足で全体の方向性を確認し、トレンド転換の初動を見つけて5分足でエントリーするスタイルです。
現在の課題は、トレンド転換を見誤り、相場の方向性が変わった後も従来の方向で取引を続けてしまうことです。
また、不要なトレードも利益を減らす要因になっていると考えており、トレンド転換の判断と取引の絞り込みについてアドバイスを求めています。
FX・金
経験 3年〜5年
1日3〜5回
スキャルピング
デイトレード
サポートとレジスタンス
移動平均線
トレンドライン
プライスアクション
主に4時間足や日足で全体の方向性を見て、トレンド転換の初動を見つけ、5分足でエントリーするスタイルをとっています。
しかし、最近はトレンド転換点を見誤ってしまうことがしばしばあります。
例えば、ショートをしていて、上昇へのトレンド転換が起きているにもかかわらず、ショートを続けてしまうことがあります。後からチャートを見て気づくことが多いです。
それが大きな損失につながり、全体の利益を減らしているのではないかと自己分析しています。
また、無駄なトレードが多いことも、利益を減らしている要因だと考えています。
まとめますと、以下の2点についてご教示いただければ助かります。
- トレンド転換点を見誤らないようにするには、どうしたらよいか。
- 無駄なトレードを極力減らすには、どうしたらよいか。
トレンド転換
無駄なトレードの削減
4時間足・日足
5分足エントリー
コーチからの回答
トレンド転換への対応と、取引を見送る基準を明確にする
N.Otaさん、ご質問ありがとうございます。
4時間足や日足で方向性を確認し、5分足でエントリーする現在のスタイルについて、
まず整理したいのは、「どの条件が崩れたら、今の売買方向をいったん白紙に戻すか」という点です。
トレンド転換を毎回正確に見抜くことはできません。
特に初動を狙う場合は、転換の可能性がある動きと、一時的な反発を区別しにくい場面があります。
確認を待つほどエントリーは遅くなりますが、早く入るほど見誤る可能性もあります。
そのため、判断が外れたときの損失を限定し、同じ方向への取引を繰り返さない仕組みを作ることが大切です。
1.トレンド転換への対応
上位足の見立てと、直近の値動きを分けて確認する
日足や4時間足が下降方向でも、5分足では上昇が続くことがあります。
5分足での変化が、そのまま日足のトレンド転換を意味するわけではありません。
ただし、上位足が下降方向だからという理由だけで、短期的な上昇中にショートを繰り返してよいわけでもありません。
検証するルールの一例として、日足・4時間足で大きな方向性と重要な価格帯を確認し、
15分足や1時間足のどちらか一つで直近の高値・安値の変化を確認し、
5分足ではエントリーのタイミングを判断する方法があります。
時間足を増やしすぎず、それぞれの役割を固定してみてください。
ショートを見直す条件の例
-
判断に使う時間足と「直近の戻り高値」を、エントリー前に決めておく。
-
その戻り高値をローソク足の終値で上抜けたら、新規ショートをいったん停止する。
-
上抜け後の押しが安値を更新せず、再び高値を更新するかを確認して、売り目線を再評価する。
この例も、上昇への転換を保証するものではありません。
ポイントは、ショートを止める判断と、ロングを始める判断を別々にすることです。
売りの根拠が崩れた後は、すぐに買いへ切り替えず、見送っても構いません。
また、保有中のポジションは事前の損切りルールに従い、追加の確認を待つために損切りを広げないようにしましょう。
移動平均線やトレンドラインについても、どの期間・どの時間足・どの確定条件を使うかを固定してください。
結果を見てから都合よく線を引き直すのではなく、エントリー時点の判断基準を保存して検証することが大切です。
2.無駄なトレードを減らす
エントリー前に確認する条件を固定する
まず、「負けたトレード」と「不要だったトレード」を分けて振り返ってください。
ルール通りの取引でも損失は発生します。
一方、利益が出ていても、根拠が曖昧だった取引や、損失を取り返すために入った取引は改善の対象です。
N.Otaさんが普段行う1日3〜5回という回数は、達成すべき目標にしないようにしましょう。
条件が揃わなければ、取引が0回の日があっても構いません。
最初は得意なエントリーパターンを一つに絞り、それ以外の場面を見送るルールを検証してみてください。
エントリー前のチェックリスト
- 上位足の方向性と、今回狙う動きの関係を説明できるか。
- 事前に決めたサポート・レジスタンスなどの価格帯に来ているか。
- 5分足で、決めておいたエントリー条件が成立しているか。
- 損切り位置、利確の目安、1回の許容損失を決めているか。
- スプレッドや手数料を含めても、検証した条件を満たしているか。
- 直前の損失を取り返したいという気持ちで入ろうとしていないか。
必須条件が一つでも欠けていれば見送る、という形にすると判断を統一できます。
また、損切り後は、直前の根拠がまだ有効かを再確認してください。
価格が再び同じ水準に来たという理由だけで、同方向へ入り直さないことも、繰り返しの損失を減らすための検証ポイントです。
1日の損失上限と、取引を中断する条件も事前に決めましょう。
損切り幅に合わせて取引数量を調整し、損失後に数量を増やして取り返そうとしないことが大切です。
次のステップ
取引時点の記録で、利益を減らしている要因を確かめる
「転換を見誤った取引」と「無駄な取引」が利益を減らしているという自己分析は、
取引記録で確かめてみましょう。
エントリー時に各時間足のチャートを保存し、売買の根拠、見立てが崩れる価格、損切り位置を書き残してください。
見送った場面についても、理由を記録すると比較しやすくなります。
振り返りでは、ルールを守った取引と守らなかった取引を分け、
FXと金についても別々に集計してください。
勝率だけでなく、取引コストを含む平均利益・平均損失と合計損益を確認すると、
どの行動を減らすべきか判断しやすくなります。
少数の取引だけで結論を出さず、変更したルールは過去チャートやデモで検証しましょう。
まず取り組むこと
売買の見立てを白紙に戻す条件を決めること、条件が揃わない取引を見送ること、判断が外れた際の損失を事前に限定すること。
この3点を記録と検証に結びつけ、N.Otaさんの現在のスタイルに合うルールへ整えていきましょう。
パフォーマンス分析
1. 全体の推移
今回は42回の取引で勝率62%、最終損益は+157,740円でした。ただし、累積損益は途中で約−68万円まで落ち込んでおり、損失の大きさが課題です。
リスクリワードは0.69、最大連敗は7回でした。大きな損失や連敗の原因を振り返り、エントリー根拠が崩れる条件と、1回・1日の許容損失を明確にしましょう。
2. 市場別のパフォーマンス
市場別ではUS100が+284,532円、金(XAUUSD)が+64,916円と利益を上げた一方、USDJPYは−199,306円と全体の利益を減らしています。
損益額だけで得意・不得意を決めず、USDJPYの損失取引に共通するエントリー根拠や損切り対応を確認しましょう。US100や金も、取引回数や取引数量を含めて検証することが大切です。
3. 曜日・時間帯別のパフォーマンス
曜日別では水曜日が+508,250円と好調な一方、金曜日は−254,175円、月曜日は−117,980円となっています。時間帯別では朝が+462,592円、昼(15:00〜20:00)が−324,301円でした。
曜日や時間帯だけで得意・不得意を決めず、損失が集中した場面のエントリー根拠や取引数量を振り返り、不要な取引の共通点を探しましょう。
4. 資金管理
平均損益は、9月14日の平均利益約3万円・平均損失約8.9万円から、9月21日は平均利益約7.1万円・平均損失約5.9万円へ改善しています。利益を伸ばしながら、損失を抑えられている点は良い変化です。
最大損失も−286,065円から−141,557円へ縮小しています。大きく負けた取引と損失を抑えられた取引を比較し、損切り位置と取引数量のルールを整えていきましょう。
1
売買の根拠が崩れたら、新規取引を止める
判断に使う時間足と高値・安値を事前に決め、見立てが崩れたら同じ方向へのエントリーを停止しましょう。
2
1回・1日の許容損失を決める
損切り位置に合わせて取引数量を調整し、損切りを広げず、1日の損失上限に達したら取引を終了しましょう。
3
条件が揃わない取引は見送る
上位足の状況、狙う価格帯、5分足のエントリー条件を確認し、必須条件が欠けていれば取引しないようにしましょう。
トレンド転換への対応を決め、不要な取引を減らす
N.Otaさんは42回の取引で勝率62%、最終損益+157,740円を確保しています。ただし、途中で累積損益が約−68万円まで落ち込んでおり、大きな損失と連敗を抑えることが課題です。
まずは、売買の根拠が崩れる条件を決め、同じ方向への取引を繰り返さないようにしましょう。ショートを止める判断と、ロングを始める判断は別にし、条件が揃わない場面は見送ることが大切です。
USDJPY、金曜日・月曜日、15:00〜20:00の損失取引を振り返り、共通点を確認してください。平均利益と平均損失のバランスは改善しているため、損失を抑えられた取引のルールを整理し、継続できるか検証していきましょう。
Fintokeiトレーディングコーチシリーズは、毎週更新です。次回も実際のトレーダーの悩みに答えながら、具体的な改善のヒントをお届けします。自分のトレードに悩みを抱えているなら、ぜひ下記のフォームから質問を送ってください。あなたの課題が次のVol.のテーマになります
👉 質問フォーム:https://forms.gle/gCq5NtL3ay4bqwXu9