証拠金維持率の目安は200%で安心?リスク管理の本質を解説

証拠金維持率とは現在の口座状況がどれほど安全かを示す数値であり、特にポジションを保有している最中は現状のリスク状況を把握する指標になります。
またネット上では「証拠金維持率は300%以上が安全」などの情報を見かけますが、なぜこの数値が安全だといえるのか根拠はご存じでしょうか?
結論として、各トレードスタイルで狙う利確・損切値幅を考慮した結果、このような目安となる数値が算出できます。
ただし、証拠金維持率はあくまで現在のリスク状況を結果として示すものなので、事前のリスク管理には別の指標を活用することがおすすめです。
この記事では、証拠金維持率の基本的な仕組みから、スタイル別の目安、リスク管理の本質に至るまで以下の項目で詳しく解説します。
- 証拠金維持率とは?
- 証拠金維持率の安全圏といえる目安は?
- 証拠金維持率を安全圏に保つ方法
- 証拠金維持率はあくまでリスク状況を示す目安
- まとめ
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、現在の口座状況がどれほど安全かを数値で示す指標であり、以下の計算式で算出できます。
証拠金維持率(%)=有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
例えば、ドル円を1ロット(10万通貨)を取引する場合、レバレッジ25倍なら必要証拠金は約6万円(150円 × 100,000通貨 × 4%)です。
したがって口座の有効証拠金が12万円であれば維持率は200%(12万円 ÷ 6万円 × 100)となります。
証拠金維持率の数値が高いほど、現在保有しているポジション数量が証拠金に対して余裕があり、資金面で安全性が高いと判断できるのです。
なおロスカットの基準としてよく目にする「証拠金維持率100%」とは、「有効証拠金=必要証拠金」の状態を意味します。
有効証拠金については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫【分かりやすく解説】有効証拠金とは|余剰証拠金や必要証拠金との違い
証拠金維持率の安全圏といえる目安は?
証拠金維持率は高くなればなるほど安全性は高まりますが、あまりにも高すぎると資金を有効活用できていない可能性もあります。
したがって、トレードスタイルによって以下のように目安とする証拠金維持率を変えることが重要です。
- スキャルピングの目安:200〜300%
- デイトレードの目安:300〜500%
- スイングトレードの目安:800〜1000%以上
トレードスタイルが長期になればなるほど、証拠金維持率は高くなることがこれから紹介する目安の肝です。
なお以降はドル円を1ドル=150円で取引することを想定しています。
スキャルピングの目安は200〜300%
スキャルピングは短時間でポジションを決済する取引スタイルなので、含み損の発生や相場変動の影響を最小限に抑えられます。
したがって必要以上に高い維持率を確保するよりも、資金効率を意識したリスク管理が求められます。200〜300%という数値は、そのバランスをとる上で実用的な目安なのです。
例えばレバレッジ100倍で1万通貨取引する場合、必要証拠金は15,000円(150円 × 10,000通貨 ÷ 100倍)。45,000円の有効証拠金があれば、維持率は300%(45,000円 ÷ 15,000円 × 100%)です。
この状態で50pips(=5,000円)の逆行が発生しても、維持率は約267%にとどまるので、安全圏内を維持できます。
スキャルピングでは通常数pips〜数十pipsの値幅を狙うため、この程度の逆行にも十分耐えられる資金設計であれば、安定した取引を継続しやすくなります。
スキャルピングで役立つ資金管理方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫Fintokeiにおけるスキャルピングの損切り幅は何pips?1トレードの目安や損切り貧乏の解決策も解説!
デイトレードの目安は300〜500%
デイトレードはスキャルピングに比べて保有時間が長く、突発的な値動きの影響を受けやすくなります。
したがって資金効率をある程度意識するものの、含み損にある程度耐えられる余力を持たせるリスク管理が重要となるので、300〜500%程度の維持率が現実的な安全圏となります。
例えばレバレッジ25倍で1万通貨取引する場合、必要証拠金は60,000円(150円 × 10,000通貨÷ 25倍)。30万円の有効証拠金があれば、維持率は500%(300,000円 ÷ 60,000円 × 100%)です。
この状態で100pips(=10,000円)の逆行があっても、有効証拠金は290,000円となり、維持率は約483%(290,000円 ÷ 60,000円 × 100%)と依然として安全圏内です。
スイングトレードの目安は800〜1000%以上
スイングトレードはどの取引スタイルよりもポジション保有時間が長くなるので、突発的な値動きが発生する可能性が非常に高く、含み損が大きくなる場面を必ず想定しなければなりません。
したがって、より余裕を持って800〜1000%の証拠金維持率を確保することが目安となります。
例えばレバレッジ10倍でドル円を1万通貨取引する場合、必要証拠金は15万円(150円 × 10,000通貨 ÷ 10倍)。維持率1000%を確保するには、有効証拠金が150万円必要です。
この状態で200pips(=20,000円)の逆行があっても、有効証拠金は148万円となり、維持率は約986%(1,480,000円 ÷ 150,000円 × 100%)と安全圏を維持できます。
さらに300pips逆行しても、有効証拠金は145万円、証拠金維持率は約966%(1,450,000 ÷ 150,000 × 100%)と、依然として安全圏内にあります。
証拠金維持率を安全圏に保つ方法
証拠金維持率が下がって焦った結果、冷静な取引判断ができなくなるといった状況を避けるためにも、証拠金維持率を安全圏に保つための以下ポイントを意識しましょう。
- 損切りを徹底する
- ナンピンや両建てに頼らない
損切りを徹底する
証拠金維持率が低下する大きな原因の一つが「含み損の拡大」です。したがって証拠金維持率を安定させるためには、損切りの徹底が欠かせません。
例えば、有効証拠金が30万円で必要証拠金が10万円の時は維持率は300%ありますが、含み損が20万円に達すると維持率は100%に落ち込みます。
こうした状況を避けるためには、エントリー前に「撤退ライン」を明確に決め、必ず損切りを行うことが重要です。
損切りの設定はメンタルへの負担を軽減し、合理的な資金管理にもつながります。結果として、証拠金維持率を安全圏で保ちやすくなり、破綻リスクを大幅に下げることができます。
損切りの決め方やコツについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫Fintokeiの損切り目安は何パーセント?損切りルールの決め方やコツ、タイミングも解説!
ナンピンや両建てに頼らない
含み損を減らすために「両建て」や「ナンピン」を使うトレーダーもいますが、安易に多用すると証拠金維持率を大きく低下する原因となります。
例えば、含み損が膨らんだポジションに対してナンピンを繰り返すと、必要証拠金が増加し維持率が急落しやすくなります。
両建ても一時的に含み損を固定できるように見えますが、含み益があるポジションを決済したり、マイナススワップが蓄積したりすると維持率が下落します。
証拠金維持率を安全に保つには、初動での損切りや、ロットの調整といった代替手段を軸に取引を進めるべきです。
無理にポジションを増やさず、撤退の選択肢を持つことで、資金効率とリスク管理のバランスが取れたトレードを実現できます。
ナンピンがダメな理由については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ナンピン買いはなぜダメなのか4つの理由を解説!ナンピンをやめるための対策方法も紹介
証拠金維持率はあくまでリスク状況を示す目安
証拠金維持率は、あくまで現在のリスク状況を結果として示すものであり、事前のリスク管理に使うにはややズレがあります。
例えば入金額30万円で3万通貨のドル円を保有すれば、維持率は200%近くになりますが、損切りルールが不明確であれば急落に対応できません。
本来は証拠金維持率に目を向けるのではなく資金の何%をリスクにさらすかを基準に、エントリー時点で損切り幅やロット数を決めるべきです。
実際にFintokeiでは、有効証拠金の0.5%〜1%の範囲内でポジションを保有することをリスク管理として推奨しています。
逆に言えば証拠金維持率が目安以上に低下していても、事前に考慮したリスク管理の想定内であれば問題はないのです。
Fintokeiで推奨しているリスク基準については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫オープンポジションにおける最大リスクとは?
証拠金維持率が下がったときに取れる3つの対処法
証拠金維持率はリスク管理の目安にはなりづらいといっても、すでに含み損を抱えているトレーダーにとっては証拠金維持率に特に目がいってしまうでしょう。
証拠金維持率が急落した際にまず取るべき行動は、「ポジションを減らす」「資金を追加する」の2つです。
最も即効性があるのは、保有ロットの一部を決済してリスクを軽減することです。
また、余剰資金があるなら追加入金によって維持率を底上げする選択肢もあります。
とはいえ、最も重要なのは想定外の動きが起きたという事実を直視し、損切りの判断を適切に下すことです。
むやみにナンピンをしたり、含み損を見て見ぬふりをしたりすると、ロスカットへ直結します。
維持率の低下は資金管理が崩れているサインなので、感情ではなくルールに基づいた行動をして次の取引につなげることを意識しましょう。
まとめ
この記事では、証拠金維持率の基本的な仕組みからFintokeiにおける独自ルールまで、初心者にもわかりやすく解説しました。
証拠金維持率は、現在の資金状況を数値で示す便利な指標です。しかし、維持率そのものをリスク管理の判断基準にするのは本質的ではありません。
大切なのは資金の何%をリスクにさらしているかをあらかじめ決め、その範囲内でトレードを組み立てることです。
取引スタイルに応じて証拠金維持率の目安は異なりますが、共通して言えるのは「損失を限定できる環境をつくること」が最優先だということ。
維持率の数字だけに頼らず、戦略に基づいたトレードを重ねることで、継続的な成長が見込めるはずです。
