今週の注目ポイント: 米インフレ上振れで米ドル高、株式市場は下落圧力強まる
WTI原油は、協議が前向きな結果につながらず、供給不安が続いたことから、再び100ドルを上回りました。米国株は、予想を上回るCPIとPPIを受けてインフレ懸念が高まり、米長期金利が上昇したため、週後半に下落しました。米ドル高を背景にドル円は上昇した一方、英国では政治不安がポンドの重しとなり、ポンドドルとポンド円は週間安値付近で取引を終えました。金は米ドル高により需要が弱まり、下落しました。
主なイベント予定
2026年5月18日(月)中国 失業率、鉱工業生産
2026年5月19日(火)日本 GDP、鉱工業生産、英国 失業率、EU 貿易収支、米国 中古住宅販売仮契約2026年5月20日(水)英国 CPI、EU CPI、米国 FOMC議事要旨
2026年5月21日(木)日本 貿易収支、豪州 失業率、EU HCOBユーロ圏製造業PMI、英国 S&Pグローバル製造業PMI、米国 住宅着工件数、S&Pグローバル製造業PMI
2026年5月22日(金)日本 全国CPI、英国 小売売上高、米国 ミシガン大学消費者信頼感指数
USD/JPY(ドル円)

ドル円足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のドル円は、予想を上回る米インフレ指標を受けて、米国と日本の金利差が引き続き意識され、上昇トレンドを再開しました。日銀による円買い介入は見られず、一部の米当局者からは、円を支えるには直接的な円買い介入よりも、日本の利上げの方が効果的だとの見方も示されました。
テクニカル分析
ドル円は10日移動平均線を簡単に上抜け、その10日移動平均線も上向きに転じています。先週の上昇は、テクニカル要因よりも、米インフレ指標や金利見通しといったファンダメンタルズ要因が大きく影響しました。
今週の見通し
先週は158円付近で介入があると予想していた市場参加者も多く、ドル円の上昇はサプライズとなりました。ただし、160円を明確に上抜けるのは簡単ではない可能性があり、今週は高値圏での売りチャンスを探す展開が注目されます。
GBP/JPY(ポンド円)

ポンド円日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のポンド円は、英国で首相交代の可能性をめぐる懸念が高まり、弱い展開となり、週間安値付近で取引を終えました。英国GDPは予想を上回ったものの、政治的不透明感がポンドの重しとなりました。
テクニカル分析
下限のボリンジャーバンドは引き続き短期的なサポートとなりましたが、ボリンジャーバンドと10日移動平均線はいずれも下向きになっています。価格も4月の安値に近づいており、テクニカル面では弱い状況が続いています。
今週の見通し
短期的には売られすぎの可能性があるため、英国の政治状況が悪化しなければ、週初に小幅な反発が見られる可能性があります。ただし、今週は上昇したところで売りを狙う戦略の方が有効となりそうです。
EUR/USD (ユーロドル)

ユーロドル日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週のユーロドルは、予想を上回る米CPIとPPIを受けて米長期金利が上昇し、下落圧力を受けました。米ドルの魅力が高まり、週を通してユーロの重しとなりました。
テクニカル分析
ユーロドルは上限のボリンジャーバンドを試した後、米インフレ指標をきっかけに急反落しました。価格は下限のボリンジャーバンドを下回って引け、10日移動平均線も下向きとなっているため、下落トレンドが始まる可能性があります。
今週の見通し
1.1650付近のサポートを下回って週を終えたことに加え、米インフレ懸念が続いていることから、弱い流れが継続する可能性があります。今週は売りチャンスを探す展開が注目されます。
ナスダック

ナスダック指数日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週半ばに史上最高値を更新した後、ナスダックは週後半に下落圧力を受けました。AI関連株への楽観的な見方は続いているものの、インフレ上昇への懸念がそれを上回りました。
テクニカル分析
ナスダックは上限のボリンジャーバンドから反落し、短期的な利益確定売りが出た可能性があります。ただし、10日移動平均線はまだ上向きで、全体の上昇トレンドは続いています。
今週の見通し
過去1か月で大きく上昇したため、短期トレーダーは10日移動平均線を下回った場合に、短期的な売りチャンスを探す展開となりそうです。一方、中期トレーダーは、ナスダックが10日移動平均線を上回っている限り、買いポジションを保有し続ける戦略が考えられます。
金 (ゴールド)

金日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
先週の金は、米ドル高とWTI原油価格の上昇が重しとなり、下落しました。米長期金利の上昇も、利回りを生まない金の魅力を低下させました。
テクニカル分析
10日移動平均線は、引き続きレンジ相場を示しています。下限のボリンジャーバンドと4月安値付近でサポートされましたが、全体的な値動きは弱い状況です。
今週の見通し
金は弱含んでおり、大きな値動きが近づいている可能性がありますが、現時点ではレンジ取引が有効と考えられます。米ドル高が続く場合、4月安値を下回る局面では売りチャンスを探す準備をしておきたいところです。
今週の注目材料
今週も市場のボラティリティは通常より高い状態が続く可能性があります。トレーダーは引き続き、強い米インフレ指標の影響を見極めようとしており、米FOMC議事要旨が注目イベントとなります。米長期金利がさらに上昇すれば、米国株には下押し圧力がかかる可能性があります。一方、金は重要なサポート水準に近づいています。ドル円も引き続き注目され、160円方向へ再び上昇すれば、円買い介入への警戒感が高まる可能性があります。