今週の注目ポイント: 米国インフレ指標と市場の方向性

ホルムズ海峡の再開に向けた進展が伝わり、市場心理が改善したことで原油価格は下落しました。一方、好調な企業決算とAI関連株への期待を背景に、ダウ平均株価は過去最高値を更新しました。また、米国の7月雇用統計では雇用者数が2万3,000人減少し、市場予想を大きく下回ったことから、米国経済の減速懸念が強まり、金価格は上昇しました。さらに、米国と日本は15年ぶりとなる協調為替介入を実施したことを正式に確認し、日本政府は物価高対策として、2027年4月から2年間、食料品の消費税を8%から1%へ引き下げる方針を承認しました。
主なイベント予定
日本 経常収支
オーストラリア RBA政策金利発表、米国 中古住宅販売件数
日本 ロイター短観指数、米国 消費者物価指数(CPI)
日本 国内企業物価指数(PPI)、英国 GDP・鉱工業生産、EU 鉱工業生産、米国 生産者物価指数(PPI)
EU GDP・貿易収支、米国 小売売上高、米国 ミシガン大学消費者信頼感指数
USD/JPY(ドル円)
ドル円日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
USD/JPYは、日米両政府が円を支えるために共同で為替介入を実施したことを受け、週前半に大きく下落しました。しかし、その後は日米の大きな金利差が改めて意識され、買い戻しが入り、週後半にかけて回復しました。
テクニカル分析
USD/JPYは下側のボリンジャーバンドを上抜けし、価格と10日移動平均線の乖離も小さくなっています。売られ過ぎの状態は徐々に解消されていますが、市場は引き続き追加の為替介入に関するニュースを警戒しています。
今週の見通し
USD/JPYには買いが戻っており、今週は10日移動平均線を試す展開となる可能性があります。最大の注目材料は米国のインフレ指標で、この結果次第で最近の下落トレンドが続くのか、それとも再び上昇に転じるのかが決まりそうです。
GBP/JPY(ポンド円)
ポンド円日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
GBP/JPYは先週、USD/JPYとほぼ同じ動きとなりました。最近の為替介入の影響で日円の動きが相場を主導し、週後半にかけて買い戻しが入り、週を高値圏で終えました。
テクニカル分析
GBP/JPYは週初には売られ過ぎの状態でしたが、その後は下側のボリンジャーバンドを上抜けました。一方で、価格は依然として下向きの10日移動平均線を下回っており、短期的にはまだ売られ過ぎの状態が残っています。
今週の見通し
今週は10日移動平均線が重要なポイントになります。この水準が抵抗線となれば、最近の下落トレンドが続く可能性があります。また、米国のインフレ指標にも注目が集まります。予想を下回る結果となればGBP/JPYは下落しやすくなるでしょう。それまでは買い戻しが続く可能性があります。
EUR/USD(ユーロドル)
ユーロドル日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
EUR/USDは先週も上昇を続けました。弱い米国の経済指標が米ドルの重しとなる一方、ユーロ圏のインフレ率は依然として高く、インフレへの懸念が続いています。
テクニカル分析
EUR/USDは先週、上側のボリンジャーバンド付近で上値を抑えられました。一方、10日移動平均線は上向きを維持しており、強い上昇トレンドを示しています。
今週の見通し
米国のインフレ指標が予想を下回れば、上向きの10日移動平均線がサポートとして機能する可能性があります。インフレ指標の発表までは、短期トレーダーは上値抵抗付近で売りを狙う場面もありそうです。
ナスダック
ナスダック指数日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
ナスダックは先週約5%上昇しました。AI関連株に買いが戻ったことに加え、好調な企業決算や原油価格の下落が市場心理を改善し、相場を押し上げました。
テクニカル分析
力強い上昇により、この1か月続いた下落トレンドは終了しました。10日移動平均線も上向き始めており、トレンドの改善を示しています。ただし、上側のボリンジャーバンドが近づいており、短期的には上値抵抗となる可能性があります。
今週の見通し
下落トレンドは終わりましたが、ナスダックは依然としてレンジ相場の中で推移しています。上値抵抗を突破できなければ、高値では売りを狙う戦略が有効となる可能性があります。また、米国のインフレ指標が今週の相場の方向性を左右する重要な材料となりそうです。
金(ゴールド)
金日足チャート(ボリンジャーバンドと10日移動平均線)
先週の振り返り
金価格は先週大きく上昇しました。WTI原油価格の下落と弱い米雇用統計を受けて買いが入り、これまでのレンジ相場を上抜けました。強い上昇により、市場では買い意欲が再び高まっています。
テクニカル分析
金価格は上側のボリンジャーバンドを大きく上抜け、10日移動平均線も上向きに転じました。新しい上昇トレンドが始まる可能性がありますが、短期的には買われ過ぎの状態となっています。
今週の見通し
4,000ドル付近の強いサポートに加え、原油価格の下落によるインフレ懸念の後退も金を支える材料となっています。中期的な見通しは強気ですが、急上昇後のため、中期トレーダーは押し目を待ってから買いを検討する方が良いでしょう。短期トレーダーは、相場の勢いを利用して買い・売りの両方のチャンスを探せそうです。
今週の注目材料
今週は、米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が最大の注目材料となり、結果次第ではあらゆる市場に大きな影響を与える可能性があります。また、米国とイランの協議やホルムズ海峡を巡る動向にも引き続き注目が集まります。週後半には米国小売売上高とミシガン大学消費者信頼感指数が発表されるほか、日本当局による追加の円買い介入が行われるかどうかも市場の焦点となりそうです。


