トレードコーチに聞こうVol.22:勝率76%でもマイナスに?大きな損失を減らすための資金管理

トレードコーチに聞こうVol.22:勝率76%でもマイナスに?大きな損失を減らすための資金管理

このFintokeiトレーディングコーチシリーズは、毎週1人のトレーダーの実際の悩みに答える、実践的なコーチングコンテンツです。

ここで取り上げるのは、ポジションの大きさの管理、利益の伸ばし方、感情と資金規模の関係など、経験を積んだトレーダーが次の段階で直面する課題です。単なるアドバイスにとどまらず、取引データや行動パターンを分析しながら、具体的な改善のヒントを提示していきます。

トレードはスポーツに似ています。優れた選手はコーチとともにパフォーマンスを振り返り、小さな修正を積み重ねることで成長します。トレーダーも同じプロセスで成長できる——このシリーズはその考えから生まれました。

今回のトレーダー

Lupinさんについて

Lupinさんは、金(ゴールド)のデイトレードをしているトレーダーです。 トレード歴は5年以上で、1日の取引回数は平均3〜5回です。 主に使うテクニカルツールは「その他」と回答されています。

今回の相談は、少しずつ利益を増やしても、大きな損失で減らしてしまうことについてです。 取引データをもとに、自分の良い点と改善点を知りたいと考えています。

金(ゴールド) 経験5年以上 1日3〜5回 デイトレード 使用ツール:その他

質問

Lupinさんからの質問

少しずつ利益を増やしても、一度の大きな損失で減らしてしまいます。 資金の管理や取引する時間帯、相場の流れをつかむことなど、いろいろ大切だと思っています。

自分のトレードの何が良くて、どこが悪いのかを知りたいです。 取引データをもとに、数字で教えていただけるとうれしいです。

コーチからの回答

大きな損失が出た取引を、記録から確認しましょう

Lupinさん、ご質問ありがとうございます。 まずは、利益が出た取引と、大きな損失が出た取引を比べてみましょう。 勝った回数だけでなく、1回あたりの利益と損失を見ることが大切です。

今回は取引データがないため、Lupinさんの成績や原因を数字で判断することはできません。 取引履歴やチャート、その時の判断を確認すると、良い点と改善点を探しやすくなります。

1.利益と損失を確認する

勝った回数と、増えた金額は分けて考える

勝つ回数が多くても、1回の損失が大きいと、合計ではマイナスになることがあります。 実際の記録から、平均利益、平均損失、最も大きかった損失を確認しましょう。

数字で見る例

1,000円の利益が4回あっても、次の1回で5,000円負けると、合計は1,000円のマイナスです。 5回中4回勝っていても、お金は減っています。

※説明のための例です。Lupinさんの実際の成績ではありません。

2.大きく負けた原因を確認する

損切りと取引量を振り返る

大きく負けた取引では、予定していた損失と、実際の損失を比べます。 その差が大きければ、取引中に何が変わったのかを確認しましょう。

  • 決めた位置で損切りできたか。
  • 損切りの位置を途中で遠くに変えなかったか。
  • いつもより取引量を増やしていなかったか。
  • 負けを取り戻そうとして、予定外の取引をしなかったか。

これらがLupinさんの原因だと決まったわけではありません。 記録を見ながら、当てはまることがあるかを調べます。

3.時間帯と相場の動きを確認する

どんな場面で利益や損失が出ているかを見る

取引した時間帯ごとに、回数と損益を比べましょう。 また、価格が一方向に進む時と、一定の範囲を行き来する時で、成績に違いがあるかを確認します。

値動きが大きい時に損失が増えていないかも見てみましょう。 取引回数が少ない場合は、数回の結果だけで得意・苦手を決めないことが大切です。

1日3〜5回という回数も、必ず達成する目標にする必要はありません。 自分の条件に合う場面があったかを、記録から確認しましょう。

次のステップ

取引データから、良い点と改善点を探す

まずは、次の内容を取引ごとに残してみてください。

  • 取引した日時と、買い・売りの方向。
  • 取引量と、実際の利益・損失。
  • 取引を始めた理由と、終えた理由。
  • 予定していた損切りの位置。
  • その時のチャートと、相場の動き。

この記録から、勝率、平均利益、平均損失、最大損失、時間帯ごとの成績を確認できます。 さらに、決めたルールを守れた取引と、守れなかった取引も比べます。

まず見つけたいこと

利益が出ている取引の共通点と、大きく負けた取引の共通点です。 勝ち負けだけでなく、決めた通りに取引できたかも確認し、 続けたい行動と、直したい行動を整理していきましょう。

パフォーマンス分析

1. 全体の推移

Lupinさんの取引には、勝つ回数は多いのに、大きな負けで利益を失うという特徴が見られます。556回の取引で勝率は76%、最大37連勝もありました。それでも、最終損益は−1,683,306円でした。

その理由を考えるうえで注目したいのが、利益と損失の大きさの差です。リスクリワード比は0.27で、平均すると1回の損失は1回の利益の約3.7倍でした。小さな利益を重ねても、大きな負けで減らしやすい数字です。

グラフでも、一時は合計損益が約+160万円まで増えた後、何度か急に下がっています。まずは損失が大きかった取引で、取引量を増やしていなかったか、損切りを遅らせていなかったかを確認しましょう。このレポートだけでは原因までは分かりませんが、大きく負けた場面を詳しく調べることが、改善の手がかりになります。

トレード結果レポート トレード結果レポート(円)

2. 市場別のパフォーマンス

市場別で特に目立つのは、金(XAUUSD)の−1,700,973円です。全体の損失の大部分が、金の取引で出ています。一方、US100は+24,297円、EURUSDは+8,302円でした。US500は−14,932円となっています。

まず振り返りたいのは、金で大きく負けた取引です。取引量や損切りの位置、取引した時間帯に共通点があるかを確認しましょう。US100とEURUSDは利益が出ていますが、この結果だけで得意な市場とは判断できません。市場ごとの取引回数や、1回あたりの利益・損失も合わせて見ることが大切です。

マーケット分析レポート(円)

3. 曜日・時間帯別のパフォーマンス

曜日別では、月曜日の−2,484,097円が全体の成績を大きく下げています。火曜日は+403,243円、水曜日は+313,426円、金曜日は+278,409円と利益が出ていますが、月曜日の損失を補えていません。木曜日は−11,292円でした。

時間帯別でも損失に偏りがあり、8:30〜15:00は−2,304,873円でした。一方、15:00〜20:00は+255,113円、20:00〜23:00は+400,203円です。23:00〜翌8:30は−33,749円となっています。

まず確認したいのは、月曜日と8:30〜15:00に、どの取引で大きな損失が出たかです。少数の大きな負けが影響したのか、何度も負けが続いたのかで、見直す点は変わります。また、この2つの集計だけでは「月曜日の朝に負けている」とまでは分かりません。取引ごとの日時や取引量、損切りの判断を照らし合わせて、原因を探しましょう。

曜日別損益レポート(円) 時間別損益レポート(円)

4. 資金管理

平均利益は比較的小さな範囲で動いていますが、平均損失は一部の週で大きく増えています。特に6月1日の週は約28万円、7月13日の週は約16万円で、平均利益を大きく上回りました。また、負けた取引を勝った取引より長く持っている週もあります。ただし、保有時間だけで損失の原因は判断できません。

1回の取引で最も大きかった損失は−772,173円、1日では−1,329,530円でした。小さな利益を積み重ねても、こうした大きな負けで成績が崩れています。まずは、この損失が出た時の取引量、予定していた損切り位置、実際に決済した理由を確認しましょう。損切りの遅れや取引量の増加があったかを調べることで、具体的な改善点を探せます。

平均損益レポート(円) 取引レポート(ベストとワースト)

ルール

Lupinさんが見直したい3つの取引ルール

1

取引前に損切り位置と取引量を決める

今回の平均損失は、平均利益の約3.7倍でした。まずは1回で許容する損失額を決め、損切り幅に合わせて取引量を調整しましょう。取引を始めた後に、損失を受け入れたくない気持ちから損切り位置を遠くに変えないようにします。

2

大きく負ける前に、その日の取引を止める

1日の最大損失は−1,329,530円でした。連敗の回数だけでなく、損失額でも取引を止める基準を用意しましょう。取引前に1日の損失上限と休む条件を決め、上限に達したら終了します。取り返すために取引量を増やさないこともルールに入れましょう。

3

損失が集中した取引を、毎週振り返る

金の取引、月曜日、8:30〜15:00の時間帯をそれぞれ確認しましょう。大きな負けが少数あったのか、負けが何度も続いたのかを調べます。利益が出た市場や時間帯も、取引回数や取引量を比べてから、続けたい条件を整理しましょう。

高い勝率を、手元に残る利益につなげるために

Lupinさんは、556回の取引で勝率76%、最大37連勝を記録しました。一方、最終損益は−1,683,306円でした。利益を積み重ねる場面はありますが、平均損失が平均利益の約3.7倍となり、大きな負けが全体の成績を下げています。

今後の振り返りでは、大きな損失が出た時に、普段と何が違ったのかに注目しましょう。1回の最大損失は−772,173円でした。その取引の量、予定していた損切り位置、保有時間、決済した理由を確認すると、見直す行動を具体的にできます。

市場別では金が−1,700,973円、曜日別では月曜日が−2,484,097円、時間帯別では8:30〜15:00が−2,304,873円でした。これらは別々の集計なので、同じ取引が重なっている可能性があります。数字を足し合わせたり、「月曜日の朝の金が原因」と決めたりせず、取引履歴で照らし合わせることが大切です。

良い点も、勝率だけで判断せずに探していきましょう。同じ条件で利益を出せているか、予定通りに損切りできているかを確認すると、続けたい行動が見えてきます。今回のデータでは損失の偏りまでは分かりますが、手法や相場の見方の良し悪しを判断するには、取引時のチャートや売買理由も必要です。

まずは1回の損失を抑えること、1日の損失上限を守ること、大きく負けた取引を振り返ることに取り組みましょう。損益と一緒にルールを守れたかも記録し、積み重ねた利益を残せる取引を目指していきましょう。

Fintokeiトレーディングコーチシリーズは、毎週更新です。次回も実際のトレーダーの悩みを取り上げ、取引データから改善のヒントを探します。相談したいことがある方は、下記のフォームから質問をお送りください。あなたの悩みが、今後のテーマになるかもしれません。

👉 質問フォーム:https://forms.gle/gCq5NtL3ay4bqwXu9

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