ゴールド投資の方法とは?ゴールド投資のメリットや注意点も紹介

「ゴールドに投資してみたいけれど、何から始めればよいのかわからない」「現物を買うべきなのか、証券会社で取引するべきなのか判断がつかない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ゴールド投資にはさまざまな方法があり、それぞれ特徴が異なります。投資目的やリスク許容度に合った手段を選ばなければ、期待した成果を得られない可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、ゴールド投資の基礎知識や投資方法について解説します。

ゴールド投資とは

ゴールド投資とは、金(ゴールド)を対象にした資産運用の総称です。

ゴールドは「安全資産」として、数千年にわたり世界中で価値を認められてきた実物資産です。株式や債券が企業・政府といった発行体の信用力に依存するのに対し、ゴールドには発行体が存在しません。そのため、特定の企業が倒産したり、特定の国家が財政危機に陥ったりしても、ゴールドそのものの価値がゼロになるリスク(信用リスク)はありません。

また、経済不安や地政学リスクが高まる局面では「有事の金」として資金が集まる傾向があり、資産防衛の手段としてゴールド投資への関心が高まっています。

ゴールドの価格が決まる仕組み

ゴールドの価格は、ニューヨーク商品取引所(COMEX)やロンドン貴金属市場協会(LBMA)といった国際市場での取引を通じて決定されます。
ゴールドの価格に影響する主な要素は以下の通りです。

  • 米ドルの強弱
  • 金利水準
  • 地政学リスク
  • 中央銀行の購入動向

これら4つの要因は単独で作用するのではなく、複合的に絡み合ってゴールドの価格を形成しています。米ドルや金利の動向、国際情勢などに関するニュースを参考にしながら、投資判断をするとよいでしょう。

なお、ゴールドを取引する際に注視すべき金融商品や指数については、以下の記事で詳しく解説しています。

ゴールド(金)を取引する際に注視すべき金融商品と指数

米ドルの強弱

ゴールドは国際市場で米ドル建てにより取引されるため、米ドルとゴールドの価格には逆相関の関係が生まれる傾向があります。米ドルが弱くなる(ドル安になる)と、ドル以外の通貨を保有する投資家にとってゴールドが割安に映り、買いが集まって価格が上昇するケースが多く見られます。反対に、ドル高局面ではゴールドの価格が下落する圧力がかかります。

金利水準

ゴールドは保有していても利息や配当を生みません。そのため、米国の政策金利が上昇して債券の利回りが高まると、利息を受け取れる債券のほうが相対的に魅力を増し、ゴールドから資金が流出する場面があります。逆に、金利が低下する局面ではゴールドのデメリットが薄れ、資金が流入する傾向があります。

地政学リスク

戦争やテロ、国際的な政治対立が発生すると、リスク資産である株式を売却し、安全資産とされるゴールドに資金を移す動きが目立つようになります。2022年のロシア・ウクライナ紛争の激化局面でも、金価格は一時的に急騰しました。

中央銀行の購入動向

中央銀行の購入動向はゴールド価格の下支え要因として、多くの投資から注目されています。中国人民銀行やポーランド国立銀行などが積極的に金の保有量を増やしており、中央銀行の金準備は2年連続で1,000トン以上増加しました。

ゴールド投資のメリット

ゴールド投資には以下のようなメリットがあります。

  • インフレヘッジになる
  • 有事に強い
  • 長期的に価値が安定している
  • 分散投資効果を期待できる

ゴールドをポートフォリオに組み込む意義を把握するために、それぞれの特徴を確認していきましょう。

インフレヘッジになる

ゴールドは実物資産であるため、インフレが進行して通貨の購買力が低下しても価値が目減りしにくいというメリットがあります。

現金や預貯金は、インフレが進行すると実質的な購買力が低下します。一方、ゴールドはそれ自体が実物資産であり、物価が上昇する局面では金価格も連動して上がる傾向があるため、資産価値を守る手段として機能します。

また、円安が進む局面でもゴールドへの投資は有効です。ゴールドは米ドル建てで取引されるため、仮にドル建ての金価格が横ばいでも、円安が進めば円換算での評価額は上がります。

インフレと円安の両方に対するヘッジ手段として、ゴールドをポートフォリオに組み込む投資家が増えています。

有事に強い

「有事の金」と呼ばれるように、ゴールドは世界的な危機や不安定な局面で買われる傾向があります。2008年のリーマンショックでは、世界の主要株価指数が軒並み40〜50%下落するなか、金価格は2008年末から2011年にかけて約2倍に上昇しました。2020年のコロナショック直後にも同様の資金流入が見られ、金価格は当時の史上最高値を記録しています。

株式や債券とは異なる値動きをするケースも多いため、ゴールドをポートフォリオに組み込むことで安定した資産運用を実現しやすくなるでしょう。

長期的に価値が安定している

ゴールドの埋蔵量には物理的な上限があり、新たに採掘できる量も限られています。紙幣のように追加発行で供給量が増えるリスクがないため、希少性を維持することが可能です。

また、株式や債券は発行企業の倒産によって価値がゼロになるリスクがあります。しかし、ゴールドは発行体をもたない実物資産であるため、無価値になるリスクは理論上ありません。

過去20年間の推移を見ると、金価格は2006年頃の1トロイオンスあたり500ドル前後から、2026年には5,000ドルを超える水準にまで上昇しました。短期的に価格が大きく変動することはあるものの、長期的に見ると価値が安定している資産といえます。

ゴールド投資の主な方法

ゴールド投資の代表的な手法と、それぞれの特徴を紹介します。

現物取引(金地金・純金積立)

現物取引は、実際に金そのものを購入して保有する方法です。現物取引には、金地金(ゴールドバー)をまとめて購入する方法と、毎月一定額を積み立てて少しずつ金を購入する「純金積立」の2つがあります。

金地金は、貴金属メーカーや地金商、一部の銀行などで購入できます。5g・10g・100g・500g・1kgといった単位で販売されており、手元に現物を保有できる安心感が魅力です。ただし、購入単位が小さいほど1gあたりの手数料が割高になる傾向があり、500g未満の場合は「バーチャージ」と呼ばれる手数料が発生します。

また、盗難リスクを避けるために銀行の貸金庫や専門業者の保管サービスを利用する場合は保管コストもかかるため、注意しましょう。

純金積立は、月々数千円程度の少額からスタートできるため、まとまった資金を用意しにくい方に向いています。毎月定額を積み立てる仕組みにより、金価格が高いときには少なく、安いときには多く購入する「ドルコスト平均法」の効果が自然に働き、購入価格を平準化できるのがメリットです。

一方で、積立期間中は買付手数料が毎回かかる点に注意する必要があります。

投資信託・ETF

金投資信託や金ETF(上場投資信託)は、運用会社が投資家から集めた資金で金やゴールド関連資産に投資し、その運用成果を投資家に還元する商品です。現物を保管する手間やコストが不要で、数千円〜数万円程度の少額から手軽にゴールド投資を始められます。

投資信託の場合は、基準価額での1日1回の取引となります。一方、ゴールドETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。どちらも保有期間中は信託報酬が差し引かれるため、コストを確認したうえで商品を選びましょう。

また、NISAの成長投資枠で購入できるゴールドETF・投資信託も存在します。NISA口座で運用すれば売却益が非課税になるため、運用効率を高めたい場合は活用を検討しましょう。

CFD取引

CFD(差金決済取引)は、ゴールドの現物を保有せず、売買価格の差額に応じて損益が確定する取引方法です。

CFD取引の特徴は、証拠金を預け入れてレバレッジをかけられる点にあります。例えば、レバレッジ20倍の場合、10万円の証拠金で200万円分のゴールドのポジションを保有できます。

もうひとつの特徴が、売り(ショート)から取引を始められる点です。現物取引や積立では金価格の上昇局面でしか利益を得られませんが、CFDなら価格の下落局面でも利益を狙えます。

ただし、高いレバレッジをかけて取引をする場合は、短期間で損失が拡大する可能性もあるため、注意が必要です。また、ポジションを翌日に持ち越す際には「オーバーナイト手数料」が発生します。

CFD取引の仕組みやリスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

CFD取引とは?特徴やリスクをわかりやすく解説

ゴールド投資の注意点

ゴールド投資に取り組む際は、以下の点に注意しましょう。

  • 配当・利息がつかない
  • 手数料がかかる
  • 為替変動リスクがある

それぞれ詳しく解説します。

配当・利息がつかない

ゴールドは株式の配当金や債券の利息のように、保有しているだけでは収益を生みません。利益は売却時の価格上昇分(キャピタルゲイン)に依存します。ゴールド投資で利益を得る手段は、購入時よりも高い価格で売却する際のキャピタルゲイン(売却益)に限られます。値上がり益が見込めないタイミングでは、保有コストだけが発生することになるため、注意が必要です。

手数料がかかる

ゴールド投資をする際は、以下のような手数料がかかります。

投資方法主なコスト
現物(金地金)スプレッド(買値と売値の差)、保管料
純金積立買付手数料
投資信託・ETF信託報酬
CFD取引スプレッド、オーバーナイト手数料

特に長期保有をする際はコストが積み重なり、負担が大きくなることもあります。どの方法を選ぶ場合でも、取引前に手数料体系を確認しましょう。

為替変動リスクがある

ゴールドは基本的に米ドル建てで取引されるため、円建てでの損益は為替レートの影響を受けます。

例えば、1トロイオンス=4,000ドルのときに、為替レート1ドル=150円で購入した場合、円建ての評価額は60万円です。その後、ゴールド価格が4,500ドルに上昇したとしても、同時に円高が進んで1ドル=130円になると、円建ての評価額は58万5,000円となり、円建てでは損失が出てしまいます。

反対に、ゴールド価格が横ばいでも円安が進めば円建ての評価額は上昇するため、為替がプラスに働くケースもあります。

ゴールドに投資する際は、投資対象の価格変動だけでなく、為替の動きにも注目して売買を判断しましょう。

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まとめ

ゴールド投資には現物取引、投資信託・ETF、CFD取引など複数の方法があり、コスト構造やリスクの特性はそれぞれ異なります。長期保有で資産を守りたい方には現物や投資信託・ETFが、短期トレードで収益を狙いたい方にはCFD取引が適しているでしょう。

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