FXの損切り幅はどう決める?値動きに合わせた調整方法

FXの損切り幅はどう決める?値動きに合わせた調整方法
「損切りした後に、思った方向へ動いた」「利益が出たのに、利確まで届かず戻ってしまった」。こうした取引が続く時は、損切り幅と利確幅が、今の値動きに合っているか確認してみましょう。
FXでは、同じ通貨ペアでも、静かな時と大きく動く時があります。毎回同じ幅を使っていると、大きく動く時は小さな上下動で損切りになり、静かな時は利確まで届きにくくなることがあります。
普段の幅を決めておき、値動きが大きい時は広げ、小さい時は狭める。こうした調整は、相場に合わせて取引を考える方法の一つです。
ただし、損切り幅だけを変えないことが大切です。利確幅とロットも合わせて見直し、取引全体のバランスを確認しましょう。
FXの損切り幅を決めるポイント同じ損切り幅でも、相場によって変わる
普段使っている幅が、いつも合うとは限りません。
例えば、いつも20pipsの損切り幅を使っているとします。静かな相場では、20pips動くまでに時間がかかるかもしれません。一方、活発な相場では、短い上下動だけで20pips動くこともあります。
動きが大きくなっているのに幅を変えないと、予想した方向へ進む前に損切りになる場合があります。反対に、静かな相場で広い損切りと遠い利確を使うと、なかなか取引が終わらなくなることがあります。
値動きに合わせて幅を調整すると、毎回の取引を似た条件に近づけられる場合があります。ただし、広げれば勝てる、狭めれば損失が減るというわけではありません。
自分の手法で、調整したほうが良い結果になるかを試すことが必要です。
まずは、普段の損切り幅と利確幅を決める
基準を作ると、どれだけ変えるかが分かりやすくなります。
最初に、自分が取引する通貨ペアと時間帯を決めます。その条件で過去の値動きを調べ、普段はどのくらい動いているかを確認しましょう。
そのうえで、普段の相場で使う損切り幅と利確幅を試します。例えば、損切り20pips、利確40pipsという組み合わせです。この数字は説明のための例なので、自分の手法では別の幅が合う場合もあります。
- 取引する通貨ペアを決める
- 取引する時間帯を決める
- 普段の値動きを調べる
- 基準にする損切り幅と利確幅を試す
東京時間とロンドン時間では、値動きの大きさが違うことがあります。自分が取引する時間帯に合わせて、普段の基準を作りましょう。
値動きが増えた分だけ広げ、減った分だけ狭める
今の値動きを、普段と比べて考えます。
分かりやすい方法の一つは、値動きが変わった割合と同じ割合で、損切り幅を変えることです。
普段より50%大きく動いているなら、基準の幅を1.5倍にします。普段より25%小さいなら、0.75倍にします。
調整倍率 = 今の値動き ÷ 普段の値動き
新しい損切り幅 = 普段の損切り幅 × 調整倍率
例えば、普段の値動きが20pipsで、今は30pipsなら、30÷20で1.5倍です。普段の損切り幅が20pipsなら、30pipsに広げる計算になります。
| 今の値動き | 損切り幅 | 利確幅 |
|---|---|---|
| 普段より25%小さい | 15pips | 30pips |
| 普段と同じ | 20pips | 40pips |
| 普段より50%大きい | 30pips | 60pips |
| 普段の2倍 | 40pips | 80pips |
この方法が、すべての手法に合うとは限りません。まずは同じ割合で調整するルールを試し、固定幅を使った場合と比べてみましょう。
調整は、エントリーする前に行います。入った後に損失が出たからといって、損切りを遠ざけることとは分けて考えましょう。
損切り幅を変えたら、利確幅も確認する
損切りだけを広げると、利益と損失の割合が変わります。
普段は、損切り20pips、利確40pipsで取引しているとします。この場合、狙う利益幅は損切り幅の2倍です。
損切りを30pipsに広げ、利確を40pipsのままにすると、負けた時の値幅だけが大きくなります。元の割合を保つなら、利確も1.5倍の60pipsにする方法があります。
静かな相場で損切りを15pipsに狭めるなら、利確も30pipsにするという考え方です。小さな値動きに対して、普段と同じ遠い目標を待ち続けずに済みます。
ただし、計算した利確位置まで価格が動くとは限りません。途中に何度も反落している高値があるなら、その手前で止まる可能性も考えます。
- 損切りと利確の割合を確認する
- 利確までの間に、気になる高値や安値がないか見る
- 予定する保有時間で狙える値幅か考える
- 十分な利益幅が見込めなければ見送る
損切りと利確は、セットで決めましょう。計算した数字と、実際のチャートの両方を確認します。
取引の長さに合わせて、見る値動きを変える
スキャルピングとスイングでは、比べる時間も違います。
スキャルピングは、直近5〜15分を見る
短い取引なら、直近5〜15分の値動きを確認する方法があります。例えば、直近10分の高値と安値の差を、普段の同じ時間帯の10分間の値幅と比べます。
普段は8pips、直近は12pipsなら、今は1.5倍動いています。この倍率で損切りと利確を調整するルールを試せます。
5分、10分、15分のどれを使うかは、先に決めます。その時に都合のよい数字が出る時間を選ばないようにしましょう。
デイトレードは、直近1時間を見る
日中の取引なら、直近1時間の高値と安値の差を、普段の1時間の値幅と比べる方法があります。
普段は30pips、直近は45pipsなら1.5倍です。基準の損切りと利確を1.5倍にする計算になります。
比べる時間帯も揃えましょう。ロンドン時間の値動きを、東京時間の静かな時間帯と比べると、いつもの時間帯の違いまで数字に含まれてしまいます。
スイングトレードは、日足ATRなどを見る
数日以上保有するなら、数分の動きより、日単位の値動きを確認します。ATRは、値動きの大きさを数字で見るための指標です。
同じ設定の日足ATRを使い、今の値が普段の基準よりどのくらい大きいかを比べます。普段が100pipsで、今が150pipsなら1.5倍です。
ATRの設定と、普段の基準を求める期間も先に決めておきます。
今と普段で、同じ測り方を使う
直近10分の値幅は、普段の10分の値幅と比べます。日足ATRは、同じ設定の日足ATRの基準と比べます。
時間の長さと測り方を揃えることが大切です。直近1時間の値幅を、日足ATRとそのまま比べないようにしましょう。
損切り幅を広げる時は、ロットを小さくする
値幅を変えても、予定する損失額は揃えられます。
損切り幅を広げ、同じロットで取引すると、損切りした時の損失額が増えます。幅を調整する時は、ロットも計算し直しましょう。
同じ通貨ペアで、1pip当たりの金額が同じなら、損切り幅を1.5倍にした時は、ロットを元の約3分の2にします。幅を2倍にするなら、ロットを半分にする計算です。
例えば、損切り20pips・0.3ロットを基準にしているなら、損切り30pipsでは0.2ロットにすると、予定する損失額をおおむね揃えられます。
- 一回で許容する損失額を先に決める
- 損切り幅に合わせてロットを計算する
- 手数料や注文価格のずれも考える
- ほかに持っている取引のリスクも確認する
反対に、幅を狭めると、同じ損失額で計算したロットは大きくなります。ただし、必ず増やす必要はありません。取引量の上限も決めておきましょう。
幅を広げることと、損失額を増やすことは分けて考えます。なお、急な値動きでは、実際の損失が予定を上回る場合があります。
計算した幅を、そのまま使わないほうがよい時もある
チャートと取引コストも確認しましょう。
損切り位置が、手法に合っていない
押し目買いで、押し目の安値を割ったら損切りすると決めている場合、計算した幅がその安値の手前に来ることがあります。これでは、想定していた値動きの途中で決済されるかもしれません。
計算した幅だけでなく、見通しが外れたと考える価格も確認します。必要な損切りが広すぎるなら、ロットを小さくするか、取引を見送ります。
静かすぎて、取引コストの割合が大きい
値動きが小さいからといって、損切りと利確をどこまでも狭めないようにしましょう。狙う利益幅に対してスプレッドや手数料が大きければ、利益を残しにくくなります。
重要指標や市場が動き出す時間が近い
直近の値動きが静かでも、経済指標の発表やロンドン市場の開始後に、急に動くことがあります。これから保有する時間に何があるかも確認します。
一度の急変で、倍率が大きくなりすぎた
一度の急騰や急落で、直近の値幅が大きくなることがあります。その後も同じ動きが続くとは限りません。
倍率の上限や下限、急変時に見送る条件を決めておくと、極端な数字をそのまま使わずに済みます。
数字で幅を計算し、チャートを見て取引できるかを確認する。条件が合わない時は、調整してまで入る必要はありません。
幅の調整が役立ったか、記録で確かめる
損切り回数だけでなく、利益と損失の大きさも比べます。
同じエントリー条件で、固定幅を使った場合と、値動きに合わせて調整した場合を比べてみましょう。その時は、どちらも同じ予定損失額になるようにロットを計算します。
損切りが減っても、一回の負けが大きくなっているなら、良い調整とは限りません。利確までにかかる時間や、実際にルールを守れたかも確認します。
- 今の値動きと、普段に対する倍率を残す
- 損切り幅、利確幅、ロットを記録する
- 静かな相場と活発な相場を分けて見る
- 勝率、平均利益、平均損失を比べる
- 最大損失と保有時間も確認する
- 取引コストを含め、別の期間でも試す
幅を調整したから、必ず成績が安定するわけではありません。自分の手法で試し、どの相場で役立つかを確認しましょう。
損切り幅・利確幅・ロットを一緒に決める
相場が変わっても、決め方を揃えましょう。
FXの損切り幅は、普段の相場を基準にして、今の値動きに合わせて調整する方法があります。大きく動く時は広げ、静かな時は狭めるという考え方です。
その時は、利確幅も見直し、損切り幅に合わせてロットを計算します。さらに、チャート上の高値や安値、取引コスト、これからの予定も確認します。
毎回同じ値幅にするより、毎回同じ手順で決めることを考えてみましょう。その手順が自分の取引に合うかを、記録を見ながら確かめていきます。


