FXの裁量トレード手法はどう決める?ルールの作り方と上達のポイント

FXの裁量トレード手法はどう決める?ルールの作り方と上達のポイント
「相場を見て自分で判断したい」「決まった条件だけでは、その時の値動きに対応しにくい」——こうした理由で、裁量トレードに取り組む人もいるでしょう。
裁量トレードでは、チャートやニュース、その時の値動きを見ながら、売買するかを自分で判断します。ただ、自由に判断できる分、負けた後にロットを大きくしたり、損切りを先延ばしにしたりすることもあります。
裁量トレードにも、判断の土台になるルールが必要です。相場に合わせた調整なのか、気持ちに流された変更なのかを分けるには、何を見て、どこまで変えてよいのかを決めておくことが大切です。
この記事では、FXの裁量トレード手法の決め方、メリットとデメリット、判断を改善するための振り返り方を紹介します。
裁量トレードで確認したいポイントFXの裁量トレードにもルールが必要
毎回ゼロから考えると、判断が気分に左右されやすくなります。
裁量トレードでは、同じチャートの形でも、その前の値動きや周りの状況によって判断を変えることがあります。例えば、買いの条件が揃っていても、すぐ上に何度も反落した価格があれば、エントリーを見送る場合があります。
こうした判断をするためにも、まず基本のルールが必要です。普段どんな場面で買うのかが決まっていなければ、見送った理由も、入った理由も曖昧になってしまいます。
まずは、次のことを決めておきましょう。
- どんな相場や値動きを狙うのか
- エントリー前に何を確認するのか
- どこまで動いたら、見通しが外れたと判断するのか
- 損切りと利確をどう決めるのか
- 1回の取引でどれだけの損失を許容するのか
基本のルールがあると、その場で何を調整したのかも分かります。裁量で判断する部分と、必ず守る部分を分けておくと、取引後の振り返りもしやすくなります。
FXの裁量トレード手法をどう決めるか
自分が見られる時間と、判断できる場面から考えます。
1.取引できる時間に合わせる
まず、いつ、どのくらいチャートを見られるかを考えましょう。仕事中に確認できない人が、短い値動きを追い続ける手法を選んでも、予定通りに取引するのは難しくなります。
短時間で売買を終えたいのか、数時間から数日かけて値動きを狙いたいのかによって、使う時間足や確認の頻度も変わります。人気の手法より、自分が無理なく実行できるものから考えてみましょう。
2.最初は狙う場面を絞る
上昇中の押し目を買うのか、レンジの上限や下限で反発を狙うのかなど、取引する場面を決めます。最初からいろいろな値動きを狙うと、負けた時に何が原因だったのか分かりにくくなります。
一つの場面に絞って記録すると、その場面で自分が何を見て判断しているのかを確認しやすくなります。ほかの手法を加えるのは、今の手法を説明できるようになってからでもよいでしょう。
3.基本の条件と見送る条件を書く
狙う場面が決まったら、エントリーの条件だけでなく、見送る条件も書いておきます。例えば、利確を考えている価格までの値幅が小さい時や、重要な経済指標の発表が近い時にどうするかを決めます。
「形が良いから入る」だけでは、判断が変わりやすくなります。何を見て良いと考えたのかまで書くと、後から同じ場面を探して確認できます。
4.過去のチャートとデモ取引で確かめる
ルールを決めたら、過去のチャートで対象になる場面を確認します。この時、先の値動きを見てから理由を作らないように、できるだけ先を隠して判断し、記録を残しましょう。
その後はデモ取引でも試し、価格が動いている中で同じ判断ができるかを確認します。過去の結果が良くても、実際に条件を待てないなら、手法や確認の仕方を見直す必要があります。
自分に合う手法かどうかは、分かりやすさだけでなく、実行できるか、損失を管理できるかも含めて考えましょう。
相場に合わせた調整と、場当たり的な変更を分ける
変えた理由が、相場にあるのか、自分の気持ちにあるのかを確認します。
裁量トレードでは、相場に合わせて判断を変えることがあります。ただし、変更する理由が曖昧だと、毎回違う方法で取引することになってしまいます。
例えば、値動きが大きくなり、手法の基準に沿った損切り位置が遠くなったとします。その分ロットを小さくして、予定する損失額を抑える調整には、はっきりした理由があります。近くに抵抗となる価格があり、十分な利益幅を見込めないために買いを見送る判断も、後から確認できます。
一方、「さっき負けたからロットを増やす」「損切りしたくないから、もう少し待つ」といった変更は、相場の変化より、自分の気持ちが理由になっています。
迷った時は、次の3つを確認してみましょう。
- 相場の何が変わったのか、具体的に説明できるか
- その変更は、あらかじめ決めた範囲に収まっているか
- 直前の取引が勝ちでも負けでも、同じ変更をするか
説明できない変更は、その場で実行せず、いったん見送って記録に残す方法もあります。新しい判断が役立つかどうかは、取引後に調べることができます。
取引中の調整と、手法そのものの変更も分けて考えましょう。新しい条件を加えたい時は、落ち着いている時間に検証し、次の取引から使うルールとして決めます。
裁量トレードのメリット
条件が揃っていても、その時の状況を見て判断できます。
裁量トレードでは、エントリーの形だけでなく、その前の値動きや、近くの高値・安値なども見て判断できます。基本の条件が揃っていても、気になる点があれば、取引を見送ることができます。
例えば、いつもの買いの形が出ていても、上昇の勢いが弱くなっているなら、すぐには入らず様子を見る場合があります。また、急なニュースで値動きが変わった時には、普段の手法を使う状況なのかを考え直せます。
- チャートの形だけでなく、前後の値動きも確認できる
- 条件が揃っていても、理由があれば見送れる
- 相場の変化に応じて、取引量や狙う場面を調整できる
- 判断を記録することで、自分の得意な場面を探せる
ただし、判断を加えれば必ず結果が良くなるわけではありません。裁量で見送ったり調整したりしたことが役立っているかは、記録を見て確かめる必要があります。
裁量トレードのデメリット
判断の自由さが、迷いやルール崩れにつながることもあります。
裁量トレードでは、自分で判断する部分があるため、気分や疲れが取引に影響することがあります。同じような場面でも、連勝中は積極的に入り、連敗中は怖くて見送る、といった違いが出る場合があります。
また、判断した理由を残していないと、後から「今回は特別だった」と考えてしまうこともあります。結果を見てから説明を変えると、何を改善すればよいのか分からなくなります。
- 勝ち負けや気分によって判断が変わりやすい
- 条件を待てず、予定していない取引をしやすい
- 損失を受け入れたくなくて、損切りを遅らせることがある
- 判断が曖昧だと、同じ条件で検証しにくい
- 判断する回数が多いと、疲れや集中力の低下が影響する
こうした点を減らすために、取引する時間や回数、損失がどこまで増えたら止めるかも決めておきます。自分の判断が普段と変わっていると気づいた時は、次の取引を探す前に一度止まりましょう。
裁量トレードの判断を改善する方法
経験を増やすだけでなく、判断と結果を比べます。
エントリー前に理由を書く
取引が終わってから理由を書くと、その後の値動きに合わせた説明になりやすくなります。できれば、入る前に「どの場面を狙っているか」「なぜ今入るのか」「何が起きたら見通しが外れるか」を短く残しましょう。
基本のルールから調整した部分があれば、その理由も書きます。すぐに説明できない時は、まだ判断が整理されていない可能性があります。
見送った場面も残す
裁量トレードでは、入らない判断も大切です。条件は揃っていたけれど見送った場面を残すと、何を気にしていたのか、その判断が役立ったのかを後から確認できます。
見送った後に価格が伸びても、一度の結果だけで「次は必ず入る」と決める必要はありません。似た場面を集めて、見送る基準が合っているかを考えましょう。
似た場面をまとめて振り返る
すべての取引を一緒に見るより、同じ手法や同じ相場の取引をまとめたほうが、判断の違いを探しやすくなります。押し目買いなら押し目買い、レンジでの取引ならレンジでの取引に分けて確認します。
そのうえで、ルール通りの取引と、裁量で調整した取引を比べます。調整した理由ごとに見ると、続けたい判断と、やめたい判断を考えやすくなります。
一度に多くのことを変えない
見直す時は、エントリー、利確、損切りを一度に変えないようにしましょう。いくつも変えると、結果が変わった理由を確認しにくくなります。
例えば、「近くに抵抗がある時は見送る」という条件を見直すなら、ほかのルールは揃えて確認します。数回の結果だけで決めず、別の期間やデモ取引でも試してみましょう。
裁量を磨くには、自分が何を見て判断したのかを残し、その判断が役立っているかを確かめることが大切です。
裁量トレードのエントリー前チェックリスト
その取引をする理由と、取らないリスクを確認します。
- 自分の手法で狙う場面になっているか
- エントリーの理由を、入る前に説明できるか
- 見通しが外れたと判断する位置を決めているか
- 損切り幅に合わせてロットを決めたか
- 利確までの値幅と、損切りまでの値幅を確認したか
- 調整する場合、その理由は相場にあるか
- 変更が、あらかじめ決めた範囲に収まっているか
- 負けを取り返したい気持ちで入ろうとしていないか
- 疲れや焦りで判断が変わっていないか
確認しても迷う場合は、見送る選択もできます。すべての値動きを取ろうとせず、判断の理由が分かる取引を選びましょう。
FXの裁量トレードは、説明できる判断を積み重ねる
ルールを土台にして、調整の理由を確かめていきます。
裁量トレードでは、相場の状況に合わせて判断できます。その良さを生かすには、基本の手法と、調整してよい範囲を決めておくことが大切です。
相場が変わったために見送る判断と、負けたためにルールを変える判断では、理由が違います。エントリー前に理由を残しておけば、その違いを後から確認しやすくなります。
まずは狙う場面を絞り、入る条件、出る条件、取引量の決め方を整理しましょう。そして、実際に取引した場面と見送った場面を振り返り、必要な部分を少しずつ見直していきます。
自分の判断を記録し、似た場面で確かめることが、裁量トレードの上達につながります。裁量でも損失や連敗は起こるため、損切りや資金管理のルールも合わせて守りましょう。


