【解決】カップウィズハンドルで失敗する原因はソーサーを理解できていないから

カップウィズハンドルは、見た目も分かりやすく、価格上昇を狙う際に使われる王道チャートパターンの一つです。
ただしカップウィズハンドルを使っても、ハンドルの押し目を見誤って損切りになったり、ネックラインのブレイクにだまされたりと多くの失敗をする可能性があります。
この失敗の原因は、カップウィズハンドルの本質がハンドルやブレイクではなく、カップ部分である「ソーサーボトム」にあることを理解していないことにあります。
本記事では、カップウィズハンドルを実際に使ったトレードの失敗例をもとに、今後失敗する可能性を低くするためのコツを以下の項目で詳しく解説します。
- カップウィズハンドルを狙って失敗したトレード例
- 【結論】カップウィズハンドルの成功はカップ部分にあり
- カップウィズハンドルで失敗しないために確認すべき項目
- カップウィズハンドルで失敗しても反省しなくてよいこと
- カップウィズハンドルを使ってFintokeiに挑戦する
- まとめ
カップウィズハンドルを狙って失敗したトレード実例
カップウィズハンドルを狙って失敗した経験が何度もあるのですが、その中でも特に多かった失敗例を4つ紹介します。
- ハンドル部分の形成が失敗
- ハンドルなしの急上昇でエントリーができなかった
- ネックラインのブレイクにだまされた
- ルール通りの価格まで上がらなかった
その1:ハンドル部分の形成が失敗
カップ部分を形成後、ハンドルで押し目をつけるのがカップウィズハンドルの基本ですが、実際のチャートではそう簡単にはいかないことがあります。
以下は、2024年5月のXAUUSD(6時間足)でのトレードです。カップ部分に相当するチャートが形成され、ハンドルっぽい押しが入ったのでエントリーしました。
しかしハンドル部分は形成されず、下落が続いて損切りにかかってしまいました。

損切り時は「上昇は失敗しただろう」と思いましたが、結果的にはそのあとソーサーの底を割らずに上昇。つまり、ハンドルと思っていた部分が「まだ途中」だったわけです。
ちなみに、上記のようにハンドルを作らずもう一度底を確認し、ダブルボトムのような形になるのはよくあるということは後ほど分かりました。
その2:ハンドルなしの急上昇でエントリーができなかった
先ほどの例ではハンドルを形成せずに下落をしたのですが、ハンドルの押し目がなく急上昇するパターンもあります。
以下は、2025年8月1日におけるゴールドの15分足チャートです。
U字のカップ部分を見つけて「よし、ここからハンドルを待って押し目エントリーしよう」と待ち構えていたところ、ハンドルを作らずにそのまま急上昇してしまいました。

このカップ部分は長期足でもしっかりサポートされており、いわば絶好のポイントだっただけに見送らざるを得なかった悔しさは今でも鮮明に覚えています。
教科書的にはハンドルの形成を待つべきですが、相場の勢いによってはハンドルが形成されないまま上昇するケースもあるため、待ちすぎるのもリスクになることを知る経験になりました。
その3:ネックラインのブレイクにだまされた
ハンドル部分をエントリー根拠にすると損切になったり、エントリーできなかったりするのであれば「ネックラインのブレイクで入れば安全だろう」と考えました。
しかし、ブレイク手法でも「だまし」によって痛い目を見た経験があります。
以下は、2023年2月〜5月のXAUUSDの6時間足です。

長期間かけて斜めのネックラインを意識しながらカップウィズハンドルが形成されていたので、ネックラインの上ブレイクで自信をもってエントリーしました。
しかし、結果はブレイク後に抜けきれず下落。ブレイクにも「だまし」が頻繁に起こりうることを知るきっかけになりました。
その4:ルール通りの価格まで上がらなかった
エントリーはうまくいったものの、想定通りまで価格が上昇せずに結局微益となった経験もあります。
以下は、2025年5月〜8月におけるドル円の日足です。
ハンドル部分の押し目でエントリー後、ルール通りの利確ポイントである「ハンドル上限からカップの深さ分をカップ部分から上に伸ばした水準」まで目指していました。

またネックラインは長期的に形成したレジスタンスラインだったので、利確ポイントに到達する可能性が高いだろうと考えていたのですが、結果は目標値の手前で反転下落しました。
【結論】カップウィズハンドルの成功はカップ部分にあり
4つの失敗を振り返ると、カップウィズハンドルの本質はカップ部分(ソーサーボトム)にあることを理解していなかったことが根本的な原因であることが分かりました。
そもそもソーサーボトムとは底で買い支えられながら徐々に切り返す「お皿型の反転パターン」であり、売り圧力が弱まって買い手が徐々に優勢になっている流れを表しています。

つまり、ソーサーボトムこそがトレンド転換の根拠そのものなのです。
それにもかかわらず、底を確認→ハンドルで押し目を形成→ネックラインをブレイクして上昇というカップウィズハンドルのセオリーに固執して、ハンドルの形成やブレイクに目が行きすぎていました。
ハンドルやブレイクはあくまで付随のエントリー根拠で、ソーサーを根拠にエントリー~決済までを考えられるかが失敗を避けるための鍵になります。
巷で言われるカップウィズハンドルの失敗要因は本質ではない
巷では、カップウィズハンドルの失敗要因として以下のようなポイントがよく挙げられます。
- ハンドルが押しすぎている
- 上位足の方向に逆らっている
- ファンダメンタルズによるチャートパターンの崩れ
- 出来高が不足している
しかし、上記は本質的な失敗要因ではありません。
ハンドルの形がいびつであったり、押しが深すぎたりする場合もありますが、ソーサー部分がしっかりしていれば底は固く、結果的に上昇につながることが多いのです。
また、他の3つのポイントに関しては確かに正しい指摘ではあるものの、カップウィズハンドル特有の話ではなく、他のチャートパターンでも共通する考え方です。
カップウィズハンドルで失敗しないために確認すべき項目
これまで解説をした通り、カップウィズハンドルの確認で意識したいのはとにかく「ソーサーボトム」がしっかりと形成されているかどうかです。
ソーサーボトムについては、以下の3つに注意してチャートを確認していきましょう。
- 丸みを帯びているか
- カップ部分が深くないか
- 上位足の流れに逆らっていないか
丸みを帯びているか
ソーサーボトムはしっかりと丸みを帯びているほど、強いトレンド転換シグナルになります。
なぜなら価格が急落せず徐々に買い手が増えて底を固めることで、安定した上昇トレンドの起点になるからです。
逆にV字型のような急騰の場合は、ダブルボトムや逆三尊など、別のチャートパターンの可能性が高いため注意が必要です。
とにかく底固さを見極めることで、ハンドル形成を待つ場合でも、底付近に損切りを置くことでリスクを抑えつつ、上昇に乗るチャンスを高められます。

カップ部分が深くないか
カップウィズハンドルで狙う理想的なエントリーポイントは、ソーサーボトムが上昇基調を示したタイミングであり、その底に損切りも設定します。
しかしカップ部分が深い、つまり価格が急騰気味だとエントリーも遅れがちになり、かつ損切りを置く位置も遠くなってしまいます。
一方でカップ部分が浅い場合は、トレンドの初動に早く乗りやすくなり、損切りもエントリーポイント近くに置けるためリスクを抑えられます。
ルール通りの利確位置を考えると、カップ部分が浅いと大きな利益を得られないのではないかと考えるかもしれませんが心配ありません。
浅いカップでも底を固めた後に大きく上昇するパターンはよく見られます。つまり浅いカップは、リスクを抑えながら大きな利益も狙える優秀な形状と言えます。

上位足の流れに逆らっていないか
ソーサーボトムのようなかなり買い手有利のチャートパターンが形成されても、上位足の確認は欠かせません。
短期足でソーサーボトムが形成されていても、上位足の大局的な流れが下落トレンドであれば買いエントリーは失敗しやすくなります。
一方で上位足が上昇トレンドであれば、下位足でのエントリーであっても成功確率は高まるだけでなく、価格がさらに伸びる可能性にも期待できます。
上位足の確認方法(マルチタイムフレーム分析)については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫【テクニカル分析】移動平均線を使ったマルチタイムフレーム分析を解説
カップウィズハンドルで失敗しても反省しなくてよいこと

カップウィズハンドルを使っても損切となることももちろんありますが、以下の点についてはそれほど気にしなくてもよいでしょう。
- ハンドルの位置
- ハンドルかブレイクどちらでエントリーをするか
ハンドルの位置
一般的にはハンドルの位置がカップの高さに対して10%前後の押しが理想、50%以上になると失敗の可能性が高いとされますが、実際にはそこまで気にする必要はありません。
理由はカップウィズハンドルの本質はソーサーにあり、ソーサー部分で底値が固ければハンドルの位置が浅くても深くても大きな影響は少ないからです。
ただし環境認識として、ハンドルの位置が示す意味を理解しておくことは重要です。
浅い場合はトレンドが強く、そこまで押せなかったことを示しており、多少突っ込み気味のエントリーでもうまくいく可能性があります。
深い場合は、ダブルボトムの形成など、底固めが続く可能性を考慮できます。
ハンドルかブレイクどちらでエントリーをするか
カップウィズハンドルでのエントリーは、ハンドルで押し目を狙うか、ネックラインのブレイクを狙うかが議論されます。
しかし、本質的にはソーサーでの押し目を狙うことが最も重要です。ハンドルやブレイクは、あくまでタイミングを決める補助的な手段に過ぎません。
ハンドルでのエントリーは、押し目を待つことで比較的リスクを抑えられます。
一方、ブレイクでのエントリーは勢いに乗れる可能性がありますが、だましや抜け切れないリスクも存在します。
結論として、どちらの方法でもソーサーで価格が底固く推移していることを確認できれば、成功確率は大きく変わらないと言えます。
重要なのは、形の完璧さや手法の違いに惑わされず、ソーサーの底を押さえたエントリーを意識することです。
カップウィズハンドルを使ってFintokeiに挑戦する

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していきます。
そしてFintokei公認のプロトレーダーになることができれば、デモ口座における取引利益額をもとに報酬がトレーダーに支払われます。
初期の取引資金や価格が異なるプランが豊富に用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。
今回紹介したカップウィズハンドルは、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。
また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。
無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、カップウィズハンドルの失敗例をもとに、何を意識してカップウィズハンドルを確認してトレードをすると失敗しづらくなるのか詳しく解説しました。
何度も言いますが、カップウィズハンドルで本質的に重要なのはカップ部分、つまりソーサーボトムで底の固さを確認することです。
ハンドルの形成やネックラインのブレイクに固執してエントリーのタイミングを逃すより、ソーサーを根拠に押し目を見極め、その底に損切りを置くことでリスクを抑えつつ上昇トレンドに乗ることができます。
ぜひ、ソーサーを意識した手法を自分のトレードに取り入れてみてください。
