円安×米国株はどうなる?円高でないと損だといえない理由についても解説

円安が進むと「今、米国株を買うのは損なのでは?」と不安に感じる投資家は少なくありません。
確かに1ドル=140円から150円に円安が進むだけでも、同じ米国株を買うのに必要な円は約1.2倍となり割高に見えてしまいます。
しかし実際には、円安だからといって必ずしも損をするわけではなく、その背景や株価の動きによって結果は大きく変わります。
この記事では、円安が米国株に与える影響を整理し、どのようなパターンで株価が上がりやすいのかなどについて以下の項目で詳しく解説します。
- 円安のとき米国株を買うのは損?得?
- 円安になると米国株はどうなるのか?
- 【結論】円安だけで米国株の買い時を見極めることは難しい
- 円安でもどれくらい米国株が上がれば得になるのか
- 円安下で米国株を買うか判断する際の工夫
- 円安局面でも学びながら挑戦できるのがFintokei
- まとめ
円安のとき米国株を買うのは損?得?

円安とは、1ドルを買うのに必要な円の金額が増えている状態を指します。
例えば、1ドル=100円から1ドル=150円に円安が進むと、同じ米国株を買うために必要な円の額は1.5倍になります。
このため、円建て投資家から見ると円安のときより米国株が割高に見えるので、「円安のとき米国株を買うのは損なのではないか?」という認識が広まっています。
円安の米国株買いは損だとは限らない
円安によって米国株が割高に見えることで米国株を購入することを嫌煙する方もいるかもしれませんが、必ずしも円安時に米国株を購入することが「損」ではありません。
米国株そのものが力強く上昇すれば、円安による「割高感」をカバーして十分な利益につながるケースもあります。
逆に米国株が下落すれば、円安による為替差益があっても損をする可能性があります。つまり、円安が進んでいるかどうかだけで損得を判断するのは危険だといえるのです。
円安になると米国株はどうなるのか?
それでは、実際に円安になると米国株が上昇するケースがあるのか気になる方も多いことでしょう。
結論としてどのような状況下で円安になったのかによって米国株が上昇するのか、または下落するのかは変わっていきます。
円安を引き起こす、以下4つの大きな原因それぞれについて米国株の動向を見ていきましょう。
- 日米金利差の拡大
- 資金の流れの変化(円キャリートレード)
- 貿易収支と経常収支の悪化
- リスクオン/リスクオフのセンチメント
日米金利差の拡大
ドルや円のような為替は「金利の高い通貨が買われ、低い通貨が売られる」という基本構造があります。
例えば2022年以降、米国の中央銀行FRBは段階的に政策金利を5%台まで引き上げた一方で、日本銀行は0%付近の低金利政策を進めた結果、円安が加速しました。
しかし為替相場が円安・ドル高に傾いた一方で、米国株式市場は下落トレンドを描きました。

その原因の1つに、急激な利上げが株式にとってマイナス要因になった可能性が考えられます。
利上げは企業や消費者の借入コストを高め、収益や経済活動を抑制することがあります。今回はその結果、株式市場のパフォーマンスが鈍化した可能性があるのです。
資金の流れの変化(円キャリートレード)
円安には、資金の流れも大きく関わっています。その代表例が「円キャリートレード」です。
世界の投資家は金利の低い円を借り入れ、その資金を米ドルや豪ドルなどの高金利通貨、さらには株式や不動産などのリスク資産に投じます。

この動きが強まると円が売られ、ドルが買われることで円安圧力が高まります。
リスクオンの局面ではキャリー取引が活発化し、結果として米国株式市場にも追い風となる場合があるのです。
一方で金融危機や地政学リスクが高まると、一斉にリスク資産から資金を引き揚げ、調達元の円を買い戻します。
実際、2008年のリーマン・ショック時には「キャリーの巻き戻し」による円急騰と株価急落が同時に発生しました。
貿易収支と経常収支の悪化
日本はエネルギー資源を海外からの輸入に大きく依存しているため、原油や天然ガスの価格が高騰すると輸入額が膨らみ、円売り・外貨買いの流れが強まります。
特に2022年には資源価格の上昇と円安が重なったことで輸入額が急増し、日本の貿易赤字は過去最大規模に拡大しました。
こうした状況では、経常黒字を背景に円が買われやすいという従来の構図が崩れ、円安圧力が一段と強まりました。
結果的に米国株への資金流入よりも日本からの外貨流出が注目される局面となり、株式市場との連動性が複雑化する形となりました。

リスクオン/リスクオフのセンチメント
円は「安全通貨」とされています。
したがって、世界的にリスクオンのときは投資家は円を売り、株式などのリスク資産に資金を回す結果、円安になると米国株を含めた株式市場全体が上昇する傾向にあります。
一方で世界的にリスクオフ時には、投資家はリスク資産を売って円などの安全資産に逃避するため、円高と米国株の下落がセットになるわけです。
実際に2012年末〜2015年頃にかけて、日銀が大規模緩和を開始、世界景気も持ち直し始めました。
その結果リスクオンで投資家が株に資金を振り向け、同時に「円売り・ドル買い」が強まりました。

【結論】円安だけで米国株の買い時を見極めることは難しい

円安が進行したからといって、米国株が必ずしも上昇する、または下落するとパターン化することはできません。
実際、円安の背景によって株式市場の反応は正反対になるケースがあります。
例えば、米国の利上げをきっかけとした円安では、景気が堅調で企業収益が上向くと株高につながることもあります。
一方で金利上昇による割引率の上昇や資金調達コストの増加が重荷となり、株安を招くこともあります。
このように「円安=株高」「円安=株安」と単純に判断することはできず、その時々の経済環境や金融政策の背景を読み解く必要があります。
したがって米国株のトレンドをより正しく捉えるためには、本来は為替の水準そのものではなく、「なぜ円安が起きているのか」という要因分析を重視することが重要なのです。
米国株が上がりやすい円安のパターンを覚えておこう
円安と米国株高が同時に起きやすいのは、主に以下の3つが揃っている状況です。
- 米国景気の堅調さが背景にある
- 市場のセンチメントがリスクオン
- 急激すぎる円安でない
2020〜2021年の金融緩和局面のような世界的に投資マインドが改善し、安全資産の円を売って株式やドル資産に資金を振り向ける局面では、円安と株高が同時進行する傾向があります。
加えて景気が強く企業収益も拡大している局面では、米国株によってマイナス要因にもなりうる利上げが「経済の強さの証」と受け止められ、株式市場にポジティブに働くこともあります。
さらに急激すぎる円安は混乱を招くリスクがありますが、緩やかな円安であれば企業業績や市場に悪影響を及ぼしにくく株式市場にとって追い風になるパターンも少なくありません。
円安でもどれくらい米国株が上がれば得になるのか

まずは円安状況下では、以下のような計算式で取引の結果として得られる収益を計算することができます。
円ベースの収益 = 株価上昇率 − 為替差損益 + スワップ収益
- 株価上昇率:米国株の値上がり率(ドル建て)
- 為替差損益:円安ならマイナス、円高ならプラス
- スワップ収益:ドル保有期間に受け取れる金利収入
2025年時点のドル円は 140〜150円台で推移しています。例えば140円〜150円に円安が進んだとすると、円ベースではおよそ7%割高になった計算です。
一方でドルを保有している間は、日米金利差を反映したスワップ(利息収入)が得られます。
現在のように米国金利が高い局面では、年間で数%のスワップポイントを受け取れるため、年2〜3%のスワップ収益があれば、株価は実質+4〜5%の上昇でトントン以上になります。
円安下で米国株を買うか判断する際の工夫

円安局面で一度に大きな金額を投資すると、「もっと円高の時に買えばよかった」と後悔する可能性があります。
結論から言えば、こうした不安を軽減する方法として有効なのがドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法を実施すれば購入価格を平準化でき、為替レートや株価の変動に左右されるリスクも減ります。
例えば、毎月一定額を米国株に積み立てることで、円安時には少なめに、円高時には多めに買う形にもできる可能性があり、結果として長期的に平均取得単価を抑える効果が期待でき、短期の為替変動に振り回されにくくなります。
したがって、為替水準を予測するのが難しい初心者や長期投資を志向する人にとって、ドルコスト平均法は円安局面でも安心して米国株に取り組める現実的な選択肢だといえるでしょう。
円安局面でも学びながら挑戦できるのがFintokei
米国株を買うのは割高に感じる方に向いているのが、まずは少額で練習しながら取引経験を積むことができるFintokei(フィントケイ)の活用です。
Fintokeiは、個人トレーダーがプロトレーダーを目指せる国内最大級のプロップファームです。
デモ環境で仮想資金を運用し、利益目標や損失制限といったルールをクリアすれば、プロトレーダーとして認定され、成果に応じた報酬を得られます。
例えば2万円台のプランを選ぶと、200万円の仮想資金を使って実際に大金を動かす感覚を学べるため、資金負担を抑えつつ実践的な経験を積めます。
さらに「1回の取引損失は○%以内」といったルール設計により、自然とリスク管理力を磨けるのも大きな特長です。
加えて基礎から応用まで学べる教育コンテンツや独自ツールも充実しており、学びながら成長できる環境が整っています。
無料トライアルも実施しておりますので、まずは気軽に体験してみてください。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、円安のときに米国株を買うのは本当に損なのか、そして円安が米国株に与える影響について解説しました。
円安は単純に「株高」や「株安」と直結するわけではなく、日米金利差や投資資金の流れ、貿易収支、リスクオン/リスクオフといった要因によって結果が変わることが分かりました。
したがって円安そのものではなく、その背景を読み解くことが重要です。
ただし背景を読み取るためには知識や経験が必要になるので、まずはドルコスト平均法でタイミングを分散したり、為替リスクを抑える工夫を取り入れたりすると安心です。
そして「円安で米国株を買うのは割高に感じる」という方こそ、まずは少額から学びながら挑戦できるFintokeiを活用してみてください。
Fintokeiなら実践的に経験を積みつつ資金管理力も養えるため、長期的な判断力を高める一歩になるでしょう。
