ボラティリティが高いとは?銘柄ランキングや調べ方も紹介

トレードをしていると、「ボラティリティが高いからチャンスだ」などといった発言をSNS上などで目にする機会があるでしょう。

一般的にボラティリティが高いとは値動きが激しいという意味ですが、実はボラティリティにはいくつか種類があり、どのボラティリティを指すかで大きく「何が高いのか」の意味合いが変わります。

この記事では、ボラティリティの基本的な意味から、3つのボラティリティの違い、実際にどのようにボラティリティを活用すればいいのかなどを以下の項目で詳しく解説します。

  • ボラティリティが高いとは
  • ボラティリティには3種類ある
  • ボラティリティが高い為替通貨ペアランキング
  • ボラティリティが高いかどうか調べる方法
  • ボラティリティを実際のトレードで活用する方法
  • Fintokeiでプロトレーダーを目指す
  • まとめ

ボラティリティが高いとは

ボラティリティとは、金融商品の価格変動の度合いを示す言葉です。

そして「ボラティリティが高い(大きい)」とは価格が大きく上下しやすい状態、「ボラティリティが低い(小さい)」とは価格がそれほど変動していない状態を表します。

例えば、ドル円が1日に数十銭しか動かないときはボラティリティが低い、数円単位で乱高下するようなときはボラティリティが高いといえるわけです。

ボラティリティが高いと利益を得る機会が増えるので取引チャンスと捉えられることが多いのですが、同時にリスクが増す場面でもあります。

ボラティリティには3種類ある

ボラティリティには、大きく分けて以下の3種類があります。

  • ヒストリカル・ボラティリティ(HV)
  • インプライド・ボラティリティ(IV)
  • リアライズド・ボラティリティー(RV)

一般的にトレーダーが「ボラティリティが高い」と言うときは、ヒストリカル・ボラティリティを指す場合がほとんどです。

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは、過去の価格データから算出されるボラティリティです。

過去何日分の終値などの価格データから平均値からのばらつきを表す「標準偏差」を計算、その日々の値を年率換算されて1年間分の変化率に直して(年率換算)算出されます。

ヒストリカル・ボラティリティは過去データからシンプルに算出できるからこそ、個人トレーダーにも身近で、リスク管理や直近の市場の安定度を把握するために使われています。

株式市場では日経平均やS&P500のHVが、為替市場でもUSD/JPYやEUR/USDといった主要ペアのHVが指標化されています。

インプライド・ボラティリティ(IV)

インプライド・ボラティリティ(IV)とは、将来の相場がどのくらい動きそうかを、市場参加者の予想から逆算して算出できるボラティリティです。

具体的には、「将来荒れそうか、落ち着きそうか」という投資家の期待が反映されるオプション取引の価格を、モデル(ブラック–ショールズ式など)に当てはめ、理論価格と一致するようにボラティリティを調整して求めます。

つまり、過去の値動きを振り返るHVと違い、IVはこれからの不安定さを映す「相場の天気予報」のような役割を果たすと考えるとよいでしょう。

代表的なインプライド・ボラティリティには米国のVIX(恐怖指数)や日経平均VIがあり、これらが高ければ相場が荒れる予想、低ければ落ち着いた見方と判断できます。

VIXの見方や使い方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

VIX指数でMACDのゴールデンクロスを確認する意味とは?トレードでの使い方も解説!

リアライズド・ボラティリティー(RV)

リアライズド・ボラティリティー(RV)は、実際に観測された高頻度データをもとに算出されるボラティリティです。

ヒストリカル・ボラティリティは、日次や終値ベースの過去データです。

一方でリアライズド・ボラティリティーは分足やティックデータのような細かい価格変動を取り入れることでより現実に即した「直近の値動きの激しさ」を測れる点が特徴です。

例えば1日の間に乱高下が多い銘柄は、終値だけを使うヒストリカル・ボラティリティよりもリアライズド・ボラティリティーの方が高く算出されるので、特に短期売買を行うトレーダーは相場の荒れ具合をより敏感に捉えることができます。

ただし、リアライズド・ボラティリティーは学術研究やアルゴリズム取引で使われるのが一般的であり、個人トレーダーが使いこなすことは難しいでしょう。

ボラティリティが高い為替通貨ペアランキング

2024年8月〜2025年8月の1年間にかけて、ヒストリカル・ボラティリティが高い為替通貨ペアを調査しました。

調査結果は以下の通りです。

ランキング通貨ペア
1位USD/RUB
2位USD/MXN
3位USD/ZAR
4位USD/SEK
5位USD/DKK

また、ヒストリカル・ボラティリティが低い為替通貨ペアは以下の通りです。

ランキング通貨ペア
1位EUR/GBP
2位CAD/CHF
3位USD/HKD
4位AUD/NZD
5位AUD/CAD

ボラティリティが高い銘柄と低い銘柄の特徴

ボラティリティが高い通貨ペアには、メキシコペソ(MXN)や南アフリカランド(ZAR)といった新興国通貨が多く含まれています。

新興国通貨は、特有の政治リスク・資源価格依存・インフレ率の高さによって、為替変動が激しくなりやすいです。

一方で、EUR/GBPやAUD/NZDなど、地理的に近くに位置しておりかつ経済構造や金融政策が似通っている通貨ペアはボラティリティが低い傾向にあります。

また、USD/JPYやEUR/USDなどの流動性が高いメジャーな通貨ペアもボラティリティが低くなりがちです。

ボラティリティが高いかどうか調べる方法

個人トレーダーがある銘柄のボラティリティが高いかどうか判断する方法には、大きく以下の2つがあります。

  • 自分で計算する方法
  • インジケーターを活用する

自分で計算する場合は、過去の終値データからリターンを求め、その標準偏差を算出して年率換算することでヒストリカル・ボラティリティを得られます。

ただし毎回計算するのは手間がかかるため、インジケーターがよく使われます。

ボラティリティが高いか判断できるインジケーターの代表例が、ATR(Average True Range)です。

ATRが増加すると「ボラティリティが高まっている」、低下していると「ボラティリティが低下している」と簡単に判断することができます。

ATRの見方や使い方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ATRを使いこなす!インジケーターでボラティリティを把握する方法

ATRの他にも、ボリンジャーバンドや標準偏差(Standard Deviation)など、Fintokeiではボラティリティを把握できるインジケーターをいくつか活用することができます。

ボラティリティは時間帯によっても高まることがある

ボラティリティは銘柄別に違いがあるだけではなく、時間帯によっても大きく変動します。

特にボラティリティが高まるのが、市場に新しい情報が流入するタイミング、為替相場においてであれば経済指標の発表時などです。

特に、米国の雇用統計(NFP)が発表される日本時間21:30前後や、FOMCの議事録公表、さらに日銀やECBの政策決定などでは投資家が一斉にポジションを調整するため、短時間で相場が大きく動く傾向があります。

ボラティリティを把握できる公的機関のソース

公的機関が提供している信頼性の高いデータを参照することで、ボラティリティを使ったトレードの精度をさらに高められます。

ボラティリティに関するデータを確認できるソースの一つが、米セントルイス連銀(FRED)の公式サイトです。

例えばFREDでは、Cboe(シカゴ・オプション取引所)が算出する ゴールド市場のインプライド・ボラティリティを確認することができます。

出典:FRED

他にも、VIX(恐怖指数)やRVX(小型株中心のラッセル2000を対象とした指数)、OVX(原油の予想ボラティリティを表す)など様々なデータを確認可能です。

ボラティリティを実際のトレードで活用する方法

ボラティリティを実際のトレードで活用する方法として、以下の2つを紹介します。

  • デイトレードやスキャルピングの銘柄選び
  • トレード手法を使い分ける

デイトレードやスキャルピングの銘柄選び

デイトレードやスキャルピングでは、値動きが大きい銘柄ほど利益機会が増えます。

したがって、事前にボラティリティの高い通貨ペアや商品、株価指数をスクリーニングすることがトレードチャンスに直結します。

具体的には、ATR(平均真の変動幅)や標準偏差を用いて直近の変動幅を数値化し、数値の大きい銘柄を抽出しておくとよいでしょう。

スキャルピングでおすすめの銘柄については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

スキャルピングでおすすめの通貨ペアTOP3|勝ちやすい銘柄を選ぶコツとは

トレード手法を使い分ける

ボラティリティの大小によってトレード手法を使い分けることも可能です。

ボラティリティが急上昇しているときは、一定レンジを抜ける瞬間を狙うブレイクアウト戦略が有効です。

一方でボラティリティが低下しているときは、その後の急変に備える必要があり、ストラドル戦略(コールとプットの同時購入)や小ロットでの逆張りが検討されます。

このようにボラティリティを相場の環境認識の一要素として取り入れることで、より取引の精度を高められる可能性があります。

Fintokeiでプロトレーダーを目指す

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。

Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していき、損失率を抑えつつ、一定以上の利益率を達成することでプロトレーダーになることができます。

Fintokei公認のプロトレーダーになると、デモ口座における取引利益額をもとに、データ提供料として報酬がトレーダーへ支払われます。

初期の取引資金や価格が異なる豊富なプランがFintokeiでは用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。

また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。

無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiのサービスを体験してみてください。

Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!

まとめ

この記事では、ボラティリティの基本的な意味から、3種類のボラティリティの違い、さらに通貨ペア別の特徴や調べ方、そしてトレードへの具体的な活用方法まで解説しました。

ボラティリティが高いということは価格変動が大きく、リスクとチャンスが同時に存在する状態を意味します。

ボラティリティは自分で計算したり、ATRなどのインジケーターを使ったりすることで把握でき、さらに公的機関のデータを参考にすればより精度の高い分析が可能です。

しかし重要なのは、ボラティリティはあくまでも指標の一つにすぎず、他の情報と組み合わせて総合的に判断することです。

その上で、ボラティリティを活用した銘柄選びやリスク管理を取り入れれば、取引の精度は一段と高まるでしょう。

ぜひ今回学んだ知識を実際のトレードに活かし、Fintokeiなどの環境で取引を実践してプロトレーダーを目指してみてください。

Fintokei編集部

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