テクニカル分析とファンダメンタル分析どっちを使うべき?使い分け方を解説!

相場の分析方法には、テクニカル分析とファンダメンタル分析という2つの分析方法が存在します。

簡単にいうと、テクニカル分析ではチャートから、ファンダメンタル分析では経済状況から相場の今後の動向を分析・予測していきます。

「テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いは?」

「テクニカル分析とファンダメンタル分析どちらを使えばよいのか?」

テクニカル分析・ファンダメンタル分析と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

結論として、テクニカル分析とファンダメンタル分析は、両方を組み合わせて利用することで、よりトレードの精度を高められます。

この記事ではテクニカル分析とファンダメンタル分析について以下の7つの項目で詳しく解説していきます。

  • テクニカル分析とは?
  • ファンダメンタル分析とは?
  • テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いとは?
  • テクニカル分析のメリット・デメリット
  • ファンダメンタル分析のメリット・デメリット
  • テクニカル分析とファンダメンタル分析のどっちを使えばいい?
  • テクニカル分析とファンダメンタル分析を使うときの注意点

それぞれの分析方法の特徴やメリット・デメリットを踏まえて分析方法の使い分け方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、チャート上の情報を主軸として相場動向を分析する方法です。

テクニカル分析では、チャートに表示されている過去の価格情報からパターンを読み取り、これからどのような値動きが発生する可能性が高いか予測します。

テクニカル分析には、大きく分けて以下の3つを活用した分析方法があります。

  • トレンド系インジケーター
  • オシレーター
  • ライン

トレンド系インジケーターは、相場の方向性を把握するのに役立つインジケーターであり、移動平均線や一目均衡表などが例として挙げられます。

またオシレーターは、買われすぎ、売られすぎなど相場の過熱感の把握に役立つインジケーターであり、ストキャスティクスやRSIなどが例として挙げられます。

そして2つのインジケーターに加えて、意識されている価格帯が分かる水平ラインや、トレンドラインを利用した分析方法がテクニカル分析では用いられます。

ファンダメンタル分析とは?

ファンダメンタル分析とは、各国の経済状況や政治的、地政学的なニュースなどの経済動向から、相場の動向を予測する分析方法です。

ファンダメンタルは「基礎」という意味であり、ファンダメンタル分析では、経済の基礎的な要素を多岐にわたって分析していきます。

経済の基礎的な要素を分析するためには、以下のような指標が用いられます。

  • GDP:経済の成長状況を分析する
  • 物価上昇率:商品やサービスのインフレ率を確認する
  • 雇用統計:就労者と失業者の状況を確認する

ファンダメンタル分析では、上記のような指標が前月や前年と比べてどのように変化しているのか、また予測値と比べてどうなっているのかを分析していきます。

具体的には、雇用統計の数値が予測値や前月よりも良い場合、経済成長が期待され、リスクオンの方向に傾く可能性が高いというように用いられます。

テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いとは?

テクニカル分析とファンダメンタル分析は、どちらも価格の動向を予測するための分析方法であるという点では共通です。

しかしテクニカル分析では、価格情報を分析して価格動向を予測するのに対して、ファンダメンタル分析では経済動向をもとに価格動向を予測するという違いがあります。

極論をいうと、ファンダメンタル分析ではチャートを確認しなくても相場の分析ができるといってもいいでしょう。

テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いをより理解するためにも、それぞれの分析方法のメリット・デメリットを次章以降で解説していきます。

テクニカル分析のメリット・デメリット

テクニカル分析のメリット・デメリットを以下の表でまとめました。

  • メリット:初心者でも理解しやすいトレーダーの心理を理解できる勉強がしやすい
  • デメリット:機能しない場面がある急激な価格変動に対応できない

テクニカル分析のメリット

テクニカル分析はチャート上から相場動向のパターンをつかむため、視覚的にわかりやすい分析方法です。

また数個のパターンを覚えるだけですぐに実践でも利用できるため、初心者でも簡単に理解・実践できます。

このような分かりやすさから、テクニカル分析は多くの人に利用されているため、チャート上から多くのトレーダーの心理が理解でき、相場で有利に立ち回れます。

さらに、テクニカル分析に関する書籍が数多くあり、ウェブサイト上にある情報からでも充分必要な知識を学べるため、独学でも勉強が可能です。

テクニカル分析のデメリット

相場は常に変動しており、過去のパターンが将来も必ずしも再現されるわけではないため、テクニカル分析がすべての相場で機能するわけではありません。

相場では、重要な経済指標の発表や政治的なイベント、自然災害など、予測できない要因が価格に大きな影響を与えることがあります。

特にニュースや重要な発表による急な価格変動に対しては、テクニカルパターンが崩れやすく、テクニカルパターンにない予想外の値動きが起こりやすいのです。

このような状況では、テクニカル分析のシグナルやパターンが機能せず、価格変動に迅速に対応することが求められます。

ファンダメンタル分析のメリット・デメリット

ファンダメンタル分析のメリット・デメリットを以下の表でまとめました。

メリット:

  • 経済や相場の全体的な流れを把握できる
  • 中長期トレードに向いている

デメリット:

  • 短期的な値動きは分かりづらい
  • 身につけるまでのハードルが高い

ファンダメンタル分析のメリット

ファンダメンタル分析では、国内外の経済データや指標を分析し、経済の現状や将来の見通しを立てるため、市場全体のトレンドや相場の流れを把握できます。

市場全体のトレンドや相場の中長期的なトレンドを理解できるため、ファンダメンタル分析は中長期トレードをしたい方にとっては最適の分析方法なのです。

また中長期の大きな流れを把握してトレードに生かすことで、大きなトレンドに乗れ、より大きな値幅を狙うことができます。

ファンダメンタル分析のデメリット

ファンダメンタル分析のデメリットとしては、短期的な値動きが分かりづらい点が挙げられます。

経済の動向は、長い期間をかけて少しずつ変化し相場価格へ反映されるため、基本的に短期的に大きく変化することはありません。

したがってファンダメンタル分析の結果が相場ですぐに利用できるわけではないのです。

またファンダメンタル分析では、一つの情報だけを見て判断するのではなく、経済指標や金融政策などを総合的な視点で分析する必要があります。

情報収集と分析に時間と労力がかかり、トレード初心者にとっては活用できるまでのハードルが高い点もデメリットです。

テクニカル分析とファンダメンタル分析のどっちを使えばいい?

テクニカル分析とファンダメンタル分析について、それぞれのメリットとデメリットを解説してきました。

相場でどっちの分析方法を利用すればいいのかに関してですが、結論としてどちらも活用することがベストな選択です。

テクニカル分析とファンダメンタル分析では、相場に関してどちらも異なる有益な情報を手に入れられるため、両方利用できるとトレードの精度をより高められます。

ファンダメンタル分析で中長期的な相場のトレンドを把握し、テクニカル分析で短期的な相場を分析して、エントリー場所や損切り場所を探すという利用方法ができます。

しかしテクニカル分析は比較的どの時間軸でも活用できますが、ファンダメンタル分析は中長期投資に向いているため、投資スタイルによって使い分けるようにすることが重要です。

短期投資をする際は、テクニカル分析を重視し、時間軸が長くなる投資をする際は、ファンダメンタル分析を重視する割合を高めるという使い方をするとよいでしょう。

テクニカル分析とファンダメンタル分析を使うときの注意点

テクニカル分析とファンダメンタル分析を利用する際は以下の2つの点に注意するようにしましょう。

  • 分析結果が100%正しいとは限らない
  • 主観的な分析になりすぎないようにする

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

その1:分析結果が100%正しいとは限らない

テクニカル分析やファンダメンタル分析を利用した分析結果や予測は、100%正しいとは限らないことには注意が必要です。

特に過去のチャートパターンやテクニカル指標から予測をするテクニカル分析では、過去のパターンが将来も必ずしも再現されるとは限りません。

したがって分析結果が外れても、損失を最小限に抑えるために、損切りを事前に決めたり、ポジションサイズを調整したりなどのリスク管理をしっかりとしておくことが大切です。

その2:主観的な分析になりすぎないようにする

テクニカル分析やファンダメンタル分析を行う際には、主観的な分析になりすぎないように注意するようにしましょう。

特にファンダメンタル分析では、経済情報やニュース、要人の発言などを分析するため要注意です。

経済情報やニュースには様々な解釈や意見が存在し、その分とらえ方も人それぞれであるため、主観的な分析になりがちになるのです。

主観的な分析結果となってしまわないためにも、複数の情報源から情報を取得し、一つの情報や見解に偏らず、幅広い視野を持つことが重要です。

まとめ:

テクニカル分析とファンダメンタル分析について、それぞれの分析方法の特徴や違い、相場分析ではどちらを活用すればいいのか詳しく解説してきました。

テクニカル分析とファンダメンタル分析をどちらも活用して相場状況を把握することがベストであり、組み合わせて使うことでトレードの精度をより高められます。

ファンダメンタル分析で中長期的な相場のトレンドを把握し、テクニカル分析で短期的な相場を分析するという使い方をすればいいでしょう。

しかしテクニカル分析やファンダメンタル分析の結果が100%正しいとは限らず、またトレードスタイルによって使い分ける必要があることには注意しなければいけません。

相場で分析結果を活用する際は、リスク管理をしっかりと行い、マーケットの変動や重要なニュースにも敏感に対応できる姿勢を整えておくことが求められます。

トレード初心者の方は、学びやすいテクニカル分析をまず学び、ファンダメンタル分析に関する知識を徐々に身に付けるという方法がオススメです。

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