押し安値 戻り高値はこう読む|迷わない判断法を紹介

押し安値・戻り高値は、相場の波形がどこで折り返したのかを示す起点のラインであり、エントリーだけでなく、損切りの位置の決定などにも役立ちます。

このように押し安値・戻り高値はトレードにおいて重要である一方、トレンド転換時やレンジなどの局面では意外と判別が難しく、同じチャートでも見る人によって答えが揺れがちです。

だからこそ、価格が更新されるたびに押し安値(戻り高値)も更新されるという原理を正しく理解し、再現性のある判断基準を持つことが欠かせません。

本記事では、押し安値と戻り高値の定義から整理し、迷いやすい場面での見極め方や見極めるためのコツなどを詳しく解説します。

  • 押し安値、戻り高値とは
  • 押し安値や戻り高値に注目したのがダウ理論
  • 押し安値や戻り高値の判別が難しいケースもある
  • 押し安値や戻り高値を見つけるためのコツ
  • 押し安値や戻り高値の判別にはインジケーターも使える
  • 押し安値や戻り高値を使ってFintokeiに挑戦する
  • まとめ

押し安値、戻り高値とは

押し安値と戻り高値は、ともにトレンド相場の中で「どこを起点として価格が転換したのか」を示す重要なラインです。

押し安値とは、上昇相場の中で直近の下落を止め、再び上昇へ切り返したポイントを指します。

一方で戻り高値とは、下落相場の中で反発上昇が失速し、再び下落へ戻ったポイントを指します。

さらに理解しておきたいのは、これらの押し安値や戻り高値は、トレンドが継続する過程で必ず更新されていく点です。

上昇相場であれば高値と押し安値が切り上がり、下降相場であれば安値と戻り高値が切り下がるように変動していきます。

押し安値や戻り高値がトレードで重視される理由

結論として、押し安値や戻り高値はトレンドの継続と転換を判断する起点になるため、トレードにおいて極めて重要です。

価格は波のように上下しながら進むため、その波形の折れ目にあたる押し安値・戻り高値を特定することで、現在のトレンドが続くのか、あるいは終わりに向かっているのかを読み取れます。

また、押し安値・戻り高値は多くのトレーダーが同じように注目するため、注文が集まりやすく、ブレイクした際には強いシグナルとなりやすい特徴があります。

例えば押し安値を下抜ければ、上昇トレンドを支えていた買い勢力が後退したことを意味し、下降への転換可能性が高まります。

押し安値や戻り高値に注目したのがダウ理論

押し安値や戻り高値を体系的に捉えた代表的な相場理論として知られているのが「ダウ理論」です。

ダウ理論では、上昇トレンドは高値と安値を切り上げながら進み、下落トレンドは戻り高値と安値を切り下げながら形成されると定義されています。

つまり、現在の相場が上昇か下落かを判断するうえで、押し安値や戻り高値の位置が中核的な役割を果たすという考え方です。

押し安値や戻り高値に注目するという行動そのものが、ダウ理論の普及によって市場全体に浸透していることは、相場分析において無視できない事実です。

ダウ理論については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ダウ理論とは|6原則やトレンド転換見極めのコツについてもわかりやすく解説

押し安値や戻り高値の判別が難しいケースもある

押し安値や戻り高値はトレンド判断の軸になりますが、相場は常に綺麗な形で進むわけではなく、上昇と下落が一時的に入り混じり、直近高値・直近安値の位置も頻繁に変動します。

したがって、特に以下のようなケースではどこを基準に押し安値や戻り高値を判断すべきか分かりづらくなってしまうのです。

  • トレンド転換時
  • レンジ相場
  • ローソク足に長いヒゲが出ている

トレンド転換相場

トレンド転換時は、上昇から下降、または下降から上昇へ移る際に、買いと売りの勢力が激しくぶつかり合い、ローソク足の波形が不安定になりやすいです。

したがって一時的な反発や下落が頻発するため、どこが本当の押し安値や戻り高値の更新ポイントなのか判断が揺れやすくなります。

例えば以下のチャートでは、上昇相場が一服した後、前回の押し安値を一時的に下回って上昇トレンドが終了したサインのように見えました。

しかしそのサインとは裏腹に、押し安値を下回った位置が新規の押し目となり上昇相場が再開。その後に最高値を更新する結果となりました。

レンジ相場

トレンド転換相場と同様に、レンジ相場でも同様に押し安値や戻り高値を明確に特定することが非常に難しくなります。

レンジ相場では価格が一定の幅の中で上昇と下落を繰り返すため、相場の波がトレンドのように切り上げ・切り下げの形を作らず、節目が入り乱れやすいです。

したがって上方向へ少し高値をつけても、すぐに下方向へ押し返されるケースなどが生じるため、どの位置を本当に意識されている高値・安値と判断すべきか迷いが生じます。

またレンジ相場は一時的な騙しのブレイクが多発しやすく、こうしただましが押し安値や戻り高値の認識をさらに複雑にし、どの水準が本当の節目なのかを見誤りやすい状況を生みます。

ローソク足に長いヒゲが出ている

ローソク足に長いヒゲが出ている場面では、ヒゲまたは実体のどちらで押し安値や戻り高値を判断すればいいのか迷うトレーダーも多くいます。

例えば以下のチャートでは、ヒゲだけが前回の押し安値を割ったものの、実体ベースでは押し安値を割っていない状態です。

このようなパターンの場合、ヒゲが割り込んだので上昇トレンドが終了したと判断するのか、実体ベースで考えてトレンドが継続すると判断したらいいのか迷いがちです。

今回のケースでは、実体ベースで判断する方が正しく、上昇トレンドが継続する結果となりました。

押し安値や戻り高値を見つけるためのコツ

押し安値や戻り高値の判断が難しい場面でも、正しい相場分析を行うコツとして以下の4つを紹介します。

  • 取引をする時間足と相場を分析する時間足を統一する
  • 上位足の押し安値や戻り高値を参考にする
  • トレンド転換相場とレンジ相場では最高値・最安値を重要視する
  • ヒゲ込みで押し安値や戻り高値を特定する

取引をする時間足と相場を分析する時間足を統一する

1分足で取引をするのであれば1分足で、1時間足であれば1時間足で押し安値や戻り高値を確認するなど、押し安値・戻り高値を確認する時間足と取引をする時間足を統一することがまずはおすすめです。

なぜなら時間足が変わると相場の波形や直近安値・直近高値の見え方が大きく変化し、同じチャートでも押し安値や戻り高値の位置が異なって見えるためです。

1分足では細かな上下が強調され、5分足や15分足ではノイズが除去されるなど、基準がブレてしまうと分析そのものが不安定になります。

また時間足を統一することでリスク管理の位置も一貫するので、相場分析に慣れていないトレーダーはまず時間足を統一することを意識してみましょう。

上位足の押し安値や戻り高値を参考にする

押し安値や戻り高値の判断は、なるべく上位足の節目を優先する方が精度が高まります。

理由は、上位足の波形は一時的なノイズの影響を受けにくく、相場全体のトレンドや価格の流れが明確に反映されやすいためです。

また多くのトレーダーが意識するのも上位足の節目であり、結果的に注文が集まりやすく、ブレイクした際のシグナルの信頼性も高まります。

下位足だけを見ていると、一時的な反発を押し安値と誤認したり、単なるノイズの上昇を戻り高値と判断してしまうことがあり、トレードに不利な判断を誘発しがちなので注意しましょう。

トレンド転換相場とレンジ相場では最高値・最安値を重要視する

トレンド転換相場やレンジ相場では、通常の押し安値・戻り高値よりも最高値・最安値を重視する方が判断が安定します。

理由は、この2つの相場環境では価格の波が乱れやすく、レンジ相場の真ん中など中途半端な価格帯に注目しすぎるとどこを押し安値・戻り高値と認識すべきかが曖昧になりやすいためです。

例えばレンジ相場でも、価格が一定の幅で上下するため、細かな上下を節目として捉えてしまうと判断がぶれ、だましのブレイクに振り回されやすくなります。

こうした場面では、最高値・最安値という明確な価格帯を基準にすることで、相場の本質的な位置関係がつかみやすくなるでしょう。

ヒゲ込みで押し安値や戻り高値を特定する

押し安値や戻り高値は、実体ではなくヒゲ込みで認識することが基本になります。

理由は、ヒゲこそが相場が実際に到達した最安値・最高値を示しており、買い手と売り手の攻防がもっとも明確に表れる部分だからです。

実体をメインに判断してしまうと、トレンドがどこで一度止められたのかという本来の節目を見誤る可能性があります。

もちろん、ヒゲ割れ後にすぐ戻されるだましも存在しますが、それでも節目の位置はヒゲで決まります。

判断すべきなのは、ヒゲを含めた位置を割って転換したかどうかではなく、実体の動きがそれを受けてどう反応したかという流れです。

まずはヒゲ込みで節目を固定し、その後のローソク足の形成を観察することで、押し安値・戻り高値の精度が格段に高まるでしょう。

まずはヒゲ込みで節目を固定し、その後のローソク足の形成を観察することで、押し安値・戻り高値の精度が格段に高まるでしょう。

押し安値や戻り高値の判別にはインジケーターも使える

押し安値や戻り高値はローソク足だけでも判断できますが、相場が荒れやすい場面や波形が細かく入り乱れる局面では、視覚的な判断に限界が生じることがあります。

こうした場面で役立つのがインジケーターです。押し安値や戻り高値の特定に使えるインジケーターとして、以下の2つを紹介します。

  • 移動平均線
  • ZigZag

移動平均線

移動平均線は、ローソク足の細かな上下に左右されず、価格の平均値から相場の流れをなめらかに示してくれます。

したがって押し安値や戻り高値が更新されたのか迷う場面でも、移動平均線の傾きや位置関係を確認することで、トレンドの継続・転換を客観的に把握しやすくなります。

例えば、上昇トレンド中に価格が一時的に下落しても、移動平均線が上向きでローソク足がその上で推移していれば、押し安値を無理に更新と判断する必要はありません。

また長期の移動平均線と短期の移動平均線を組み合わせることで、波形の起点となる押し安値・戻り高値を視覚的に絞り込みやすくなる点も特徴です。

移動平均線のおすすめ設定については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

移動平均線の最強期間設定とは?おすすめ設定を取引スタイル・手法別にも紹介!

ZigZag

ZgZagは押し安値や戻り高値の位置を視覚的に明確にしたい場合に役立ちます。

ZigZagは価格の細かなノイズを自動的に除去し、相場の大きな波だけを抽出してくれるため、押し安値や戻り高値をどこに置くべきか迷う場面でも、ZigZagのラインを見ることで波形の起点と終了が一目で分かり、節目の誤認を防ぎやすくなります。

またZigZagはフィボナッチリトレースメントとも相性が良く、反発の起点を特定してから戻りの割合を測るといった分析にも活用できます。

ZigZagのおすすめ設定については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ZigZagのおすすめ設定値とは?目的別にパラメーターを変更するコツも解説!

押し安値や戻り高値を使ってFintokeiに挑戦する

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。

Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していきます。

そしてFintokei公認のプロトレーダーになることができれば、デモ口座における取引利益額をもとに報酬がトレーダーに支払われます。

初期の取引資金や価格が異なるプランが豊富に用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。

今回紹介した押し安値や戻り高値の見極め方法は、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。

また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。

無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。

Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!

まとめ

この記事では、押し安値や戻り高値の意味から始まり、転換相場やレンジ相場・長いヒゲなど判別が難しい局面への向き合い方まで解説してきました。

押し安値や戻り高値は相場の折れ目として更新され続ける重要なラインです。

時間足の統一や上位足の活用、最高値・最安値の重視、ヒゲ込みでの認識といったコツを押さえることで分析の精度は大きく高まります。

また、移動平均線やZigZagといったインジケーターを組み合わせれば、節目認識がより安定し、だましに振り回されるリスクも減らせるでしょう。

相場の流れを正しく理解する力は、Fintokeiのチャレンジでも大きな武器になります。

学んだ内容を実際の取引で試しながら、無料トライアルを活用してプロトレーダーへの第一歩を踏み出してみてください。

Fintokei編集部

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