自己勘定取引における金融規制の全容とは?プロップファームへの影響について解説!

以前、プロップファームについて解説した記事を公開いたしました。

今回はプロップファーム業界全体についてより理解を深めていただくために、昨今の金融規制、特に「ボルカールール」について詳しく解説させていただきます。

難しい内容をなるべくかみ砕いて説明いたしますので、金融関連の知識がない方でも読み進めていただける内容となっております。

ぜひご覧ください。

ボルカールールとは?規制内容や策定の経緯を解説

では、本記事の重要なテーマとなる「ボルカールール」について解説していきます。

  • ボルカールールの規制内容をカンタンに解説!
  • ボルカールールが策定された経緯は?
  • 一連の金融規制は日本にも関係があることなのか

ボルカールールの規制内容をカンタンに解説!

ボルカールールは、2010年に策定されたアメリカの「ドットフランク法」の中で規定されています。

ポール・ボルカー元FRB議長が提唱した規制であることから、「ボルカールール」と呼ばれています。

ボルカールールの規制内容をカンタンに言えば、銀行による顧客資金を使った投機的な取引を規制するものです。

つまりボルカールールの策定により、銀行のディーラー部門が多額の損失を出してしまうことを防ぎ、よりリスクヘッジを優先させる体制が作られました。

では、どのような経緯でボルカールールが策定されたのかを、次に見ていきましょう。

ボルカールールが策定された経緯は?

ボルカールールが策定されたのは、リーマンショックを発端とする金融危機が発生した直後にあたる2010年です。

ボルカールールの目的を理解するためには、リーマンショックが発生した原因について理解しておくことが必要です。

経緯①:リーマンブラザーズが住宅バブルに注目したビジネスモデルで大儲け

2000年代に入ったころリーマンブラザーズでは、住宅バブルに注目したビジネスモデルが大きな利益を上げていました。

このビジネスモデルとは、簡単に言えば、住宅ローン金融会社から、低所得者向けの高金利ローンの債権を大量に購入するというものでした。

当然このビジネスモデルは、低所得者がローンの支払いができなくなってしまう可能性があり、リスクの高い投資です。

しかしリーマンブラザーズは、住宅ローン金融会社から買い取った債権を、様々な金融商品とごちゃまぜにして、一つの証券として売り出していました。

当時は住宅の価格が高騰していたこともあり、とりあえず債権を買い、テキトーに売りつければ「必ず儲かる」というような異様な好景気でした。

経緯②住宅バブルの崩壊と世界金融危機

やがて、FRBが金利を引き上げたことにより、住宅バブルが崩壊します。

住宅購入者のローンの返済は滞り、リーマンブラザーズが抱えていた大量の住宅ローン債権は、不良債権となってしまいました。

住宅バブルの崩壊を聞きつけた投資家は、自分が購入した証券に住宅ローン債権が含まれていることを確認すると、慌てて売りに出します。

結果、相場は大暴落を迎え、世界金融危機と呼ばれるほどの事件に発展していきます。

経緯③ドットフランク法の制定

以上を見てわかるように、世界金融危機は銀行による過度なリスクテイクが招いたものでした。

リーマンショックを受けて、2010年にオバマ政権は大規模な金融規制を目的とした「ドットフランク法」を導入しました。

ドットフランク法の中のボルカールールでは、「商業銀行の自己勘定取引の禁止」と「ヘッジファンドなどに対する出資の禁止」を規定しています。

このようにボルカールールでは、銀行はリスクの高いビジネスに着手するべきではなく、経営の安定性を最優先するべきという考えに基づいています。

一連の金融規制は日本にも関係があることなのか

ここまでアメリカにおける金融規制の経緯について解説してきましたが、これは日本の金融規制とどこまで関係のある話なのでしょうか。

結論から言って、アメリカにも拠点を構える邦銀は当然対象となりますが、それ以上に、いまや世界中の金融システムは相互に関連しているので、日本国内での金融規制のあり方にも大いに影響を及ぼします。

ボルカールールに対する批判

ボルカールールは、政府からの支援を受けている銀行などの金融機関が、リスクのある投資を行わないように規制するものでした。

しかし、規制対象となる金融機関からは、ボルカールールに対する批判も上がっています。

それは、過剰な規制がもたらす「市場の流動性の低下」を危惧したものでした。

たとえば、外国為替取引における店頭取引では、銀行が流動性を提供しているおかげで、顧客注文の安定的な約定を約束しています。

したがって、銀行に対する金融規制が強化されてしまうことで、本来銀行が担うべき「マーケットメイカー」としての役割を果たすことができなくなるのではないか、ということです。

実際に、ある程度の資本条件をクリアした金融機関しか、銀行からの流動性を確保することができないような状況になっています。

金融規制のプロップファームへの影響は?

ボルカールールが策定されたことによって、大手銀行で自己勘定取引を行っていた「ディーリングデスク」部門は縮小されていきました。

そこで登場したのが、プロップファームです。

プロップファームではヘッジファンドのように顧客から資金を集めることはせず、あくまでも会社の資金のみを使ってトレードを行っている会社です。

つまり、ボルカールールが対象としている

  • 預金保険対象機関
  • 預金保険対象機関を支配する企業
  • 一部の外国銀行及びこれらの子会社や関連会社

上記の条件にはプロップファームは当てはまりません。

プロップファームは、もともと銀行で働いていたプロップトレーダーをヘッドハントしながら、拡大していきました。

まとめ

この記事では、金融規制の内容や経緯、プロップファームへの影響について解説してきました。

本記事の要点は以下の3つです。

  • リーマンショックをうけて大規模な金融規制が行われた
  • 金融規制を目的とした「ドットフランク法」では、金融機関の自己勘定取引についてのべた「ボルカールール」が定められている
  • プロップファームは自己資金のみで投資を行っているため、ボルカールールの限りではない

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