2025年のポンド円はやばい?ロスカットを避ける方法
ポンド円は、そのボラティリティの高さからドル円やユーロ円と比べて「やばい」といわれることも少なくありません。
「やばい」と言われる理由の一つとして、ブレグジットやトラスショックなど過去に発生した通貨ショックが挙げられます。
このようなショック相場でロスカットされた、または多くの資金を失ったトレーダーの多くが経験談としてやばいと言っているのでしょう。
ただし2025年の相場を見ると、かつてのように英国ポンドだけが突出して暴れているわけではないという事実もあります。
この記事では、ポンド円の過去から現在に至るまでを詳しく解説した上で、値動きに巻き込まれないための具体的なリスク管理のポイントまで整理します。
- ポンド円がやばいといわれるのはボラティリティの高さ
- ポンド円のボラティリティがやばいほど高くなる理由
- 2025年時点ではポンド円が特別やばいわけではない
- ポンド円のやばい状況に巻き込まれないコツ
- まとめ
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ポンド円がやばいといわれるのはボラティリティの高さ
ポンド円が「やばい」と言われる最大の理由は、「英国ポンド」のボラティリティの高さにあります。
為替市場では米ドルやユーロが主役ですが、英国ポンドもメジャー通貨として多くのトレーダーに取引をされています。
しかし流動性や政治不安などから、英国ポンドは米ドルやユーロよりも大きく価格が変動する傾向があるのです。
したがって、他通貨と同じような証拠金管理やトレードスタイルで売買するとロスカットに直結しやすくなってしまうことから、ドル円などと比べてポンド円はやばいと言われます。
ボラティリティについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
過去の歴史的な通貨ショックも影響している
英国発の歴史的な通貨ショックが何度も起きてきたことも、ポンド円が危険視される理由の一つです。
代表的な通貨ショックとして挙げられるのは、「ブレグジット」と「トラスショック」です。
2016年6月のEU離脱決定時(ブレグジット)には、ポンドが主要通貨に連動しながらも突出したボラティリティを示し、わずか数分で6%以上も下落するフラッシュクラッシュが発生しました。
さらに2022年9月には、英国の首相リズ・トラス率いる政権が発表した「巨額の減税+公的債務拡大」による財政悪化への懸念から英国債が売られ、ポンドドル・ポンド円が連鎖的に急落しました。

これらの歴史も「ポンドは理不尽に動く通貨」という評価につながっています。
ポンド円のボラティリティがやばいほど高くなる理由

ポンド円がやばいといわれる最大の理由はポンドのボラティリティの高さであると解説しましたが、ポンドがボラティリティが高くなる理由として、以下の 点が挙げられます。
- マーケット全体から見ると取引の需要がないから
- 英国中銀(BOE)の金融政策が読みづらいから
- 英国経済が外部ショックに弱い構造だから
マーケット全体から見ると取引の需要がないから
ポンド円は日本人トレーダーからはメジャー通貨ペアとして知られていますが、実は世界のマーケット全体から見ると取引の需要がそれほど高くありません。
以下は、2022年4月時点時点での外国為替市場における通貨別の取引高をまとめたものです。
| 通貨名 | 取引高の割合 |
| 米ドル | 88.5% |
| ユーロ | 30.5% |
| 日本円 | 16.7% |
| 英国ポンド | 12.9% |
| 中国人民元 | 7.0% |
| 豪ドル | 6.4% |
参照:BIS「OTC foreign exchange turnover in April 2022」
表を見て分かる通り、米ドルやユーロと比べて英国ポンドは半分以下の取引高であるものの、そこまで需要がないわけではなさそうです。
一方で、同調査における通貨ペア別の取引高をみて見ると、ポンドドルはある程度の取引高があるもののポンド円はトップ20にもランクインしていません。
日本人にとってクロス円通貨ペアが馴染み深いため、ポンド円はメジャー通貨の位置づけではあります。
しかしマーケット全体を見るとポンド円は流動性がないことから、ボラティリティも高くなりやすいのです。
英国中銀(BOE)の金融政策が読みづらいから
英国ポンドの価格変動に大きな影響を及ぼす英国中銀(BOE)の金融政策発表は、市場参加者の予想外になりやすい過去がありました。
BOEはFRBやECBに比べて金融政策の決定が読みにくく、実際に金融政策を決めるメンバー(MPC)間で利上げ・利下げの意見が割れることも多くありました。
さらに英国はインフレや賃金データが読みづらく、発表のたびに金利見通しが一気に変わることもあります。
こうした政策サプライズの多さが、ポンドのボラティリティを高める大きな要因になっています。
英国経済が外部ショックに弱い構造だから
英国経済が海外発のショックに弱い構造を持っている点も、英国ポンドが大きく変動しやすい理由の一つとして挙げられます。
例えば、ロンドンが世界有数の金融センターとして知られているように、英国は資源国ではなく、金融・サービス産業への依存度が高いです。
したがって、英国とは関係のない国際ニュースによって世界の金利やドル指数、株価が変動した場合であっても、英国ポンドに影響が及ぶことがあります。
またブレグジット以降、EUとの貿易摩擦や投資流出が経済指標に影響し、弱いデータが出るたびに市場が先回りしてポンドを売る傾向が強まりました。
結果的に、国際ニュースや外部環境の変化によって英国ポンド相場は大きく振れやすく、特に初心者にとって判断が難しい通貨になっています。
2025年時点ではポンド円が特別やばいわけではない
2025年に入ってからの為替相場を見ると、ポンド円だけが特別に危険という状況ではありません。
実際に2025年7月1日〜11月1日までの主要通貨ペアのチャートを比較してみましょう。
その結果、ポンド円は約8円幅の上昇を見せているのに対して、ドル円やユーロ円でも同等の値幅の上昇が見られることが分かります。

つまり、かつてのような英国ポンドだけが暴れる局面は見られず、2025年11月時点では、他通貨ペアと同じく比較的読みやすい範囲に収まる動きを続けているといえます。
やばくない理由はポンド以外の材料で相場のメインだから
2025年時点でポンド円だけが特別ボラティリティが高くない理由は、相場の主導権がポンドではなく「円」と「ドル」に移っているためです。
現在、英国中銀(BOE)は4半期に一回のペースで利下げを進める方針を続けており、金融政策にサプライズが出づらい状況です。
加えて、日本の政治や米金利の見通しといった国際的な要因が相場におけるメイン材料となっていることで、英国独自が為替レートに大きな影響を与える場面は多くありません。
結果として、現在のポンド円はポンド材料よりも外部のドル・円サイドの動きで決まりやすい相場になっています。
ポンド円のやばい状況に巻き込まれないコツ
2025年のポンド円は比較的落ち着いた動きを見せていますが、今後もこの状態が続くとは限りません。
実際に2025年中旬以降より、英財政赤字が膨らんでいることをきっかけに英国ポンドと英国債の下落が進んでいます。
今後、ポンド主導によってポンド円が大きく変動する場合に備えて、以下の点を意識しておきましょう。
- ユーロポンドを使ってポンドのリスクを早めに発見する
- 英国ポンドに合わせた資金管理を忘れない
ユーロポンドを使ってポンドのリスクを早めに発見する
ポンドが大きく変動するリスクをいち早く察知したいなら、ユーロポンド(EUR/GBP)の動きをチェックすることが効果的です。
ユーロとポンドは経済的に近い関係にあることもあり、通常であればユーロポンドのチャートはレンジ相場を形成しています。
しかし、例えば英国のインフレ悪化や財政懸念の高まりなど、ポンド安の材料が顕在化するとユーロポンドは上昇し、今まで形成していたレンジを上方ブレイクする可能性があるのです。

したがって、ポンド円を取引する際はエントリー前にユーロポンドのトレンドも確認し、ポンド側のリスクが高まっていないかを判断する習慣が重要です。
英国ポンドに合わせた資金管理を忘れない
ポンドの変動リスクが高まってきた際にポンド円やポンドドルを取引する場合は、他通貨よりも広い値幅を前提にした資金管理が絶対条件です。
ボラティリティが大きくなった状態の英国ポンドを、ドル円と同じ証拠金やロット数で扱うと、想定外の逆行で一気に証拠金維持率が低下し、ロスカットに直結するリスクが高まります。
したがって「ドル円の半分のロット」「維持率は普段より高め」「想定逆行を+50pips広めに見積もる」といった通貨特性に合わせた調整が重要です。
値動きの大きさは利益チャンスにもなりますが、同時に証拠金を守る強固な管理が不可欠です。
まとめ
この記事では、ポンド円が「やばい」と言われる理由について過去の通貨ショックや英国固有のボラティリティの背景、さらには2025年時点での相場状況まで詳しく整理しました。
2025年時点では、ポンド円が特別やばいという状況ではありませんが、今後ポンド材料が再び相場を動かす局面に備えておくことはトレーダーとしては必須です。
ただしユーロポンドの動きや広めの値幅を前提にしたリスク管理は、すぐに実践できるものではありません。
Fintokeiで設定されたリスク目標やツールなどの取引環境をうまく使いつつ相場感を養っていくとよいでしょう。