パラボリックSARの最強設定を見つける方法|コツや仕組みを紹介
 
									相場のトレンド転換を捉える代表的なテクニカル指標であるパラボリックSARですが、デフォルト設定のまま使い続けている方も多いはずです。
結論から言えば、最強なのはまずデフォルト設定です。
なぜなら、パラボリックSARは開発者ワイルダーが「トレンド初動の乗り遅れを最小化しつつ、終盤では追従を加速させる」という思想のもとに最適化した数値だからです。
ただし各パラメーターが何を意味するのか改めて理解しておくことで、取引銘柄やトレードスタイルに合わせた最強設定へさらに引き上げることができます。
この記事では、パラボリックSARの設定について以下の項目で解説します。
- パラボリックSARを設定する前の基礎知識
- パラボリックSARの計算式を理解する
- パラボリックSARで設定できる3つの項目
- パラボリックSARのおすすめ設定の決め方
- 【基礎編】パラボリックSARの最強設定
- パラボリックSARの設定をさらに最強にするコツ
- パラボリックSARを使ってFintokeiに挑戦する
- まとめ
パラボリックSARを設定する前の基礎知識
パラボリックSARは、相場でトレンド転換を捉えるための代表的なテクニカル指標です。
パラボリックSARには、SAR(Stop And Reverse)と呼ばれるドットが表示されます。見方はシンプルで上昇トレンドならローソク足の下、下降トレンドなら上にドットが位置します。

移動平均線と一見似ていると感じるかもしれませんが、最大の違いはSARが加速しながら「放物線」を描いて価格に追従する点です。
価格はトレンド初期はゆっくり、勢いが強まるほど急激に変動する傾向があります。SARはその特徴を明確に追うことができるような仕組みになっているのです。
「加速係数(AF)」はパラボリックSARの心臓部
パラボリックSARが価格に近づくスピードを変え、放物線状の動きを生み出しているのは、加速係数(AF)と呼ばれるパラメーターです。
加速係数とは、SARが価格へどれくらいの速さで接近するかを調整します。すなわち加速係数が小さいと反応はゆっくり、大きくなると反応が早くなります。
さらに上昇中に高値、下降中に安値を更新すると加速係数が段階的に増えていく仕組みになっています。
これがトレンド後半でSARが追い上げる理由です。このように加速係数はパラボリックSARの心臓部ともいえる存在なのです。
パラボリックSARの計算式を理解する

パラボリックSARの仕組みの大枠を理解したところで、実際の計算式を見てみましょう。
SAR(今) = SAR(ひとつ前の点) + AF × (EP − SAR(ひとつ前))
なおEP(Extreme Price)とは、トレンド中の最高値または最安値を表します。
つまり計算式では、「前回のSARに、高値または安値(EP)とSARの距離分 × AFを加えて次のSARを計算する」仕組みです。
例えばトレンド中に価格が伸びてEPが更新されると距離が広がり、しかもAFが増加するため、SARは加速しながら価格に迫ります。
EPには更新のルールがある
EPは毎回変わるわけではなく、トレンド中に高値または安値を更新したときだけ変わる点がポイントです。
EPは上昇トレンドでは最高値、下降トレンドでは最安値を指します。
そしてこの高安値を更新した場合のみ、EPが書き換えられ、同時にAF(加速係数)もステップ値に従って増加します。
つまり、価格の勢い=EP更新 → SAR加速という仕組みです。この仕組みによって、パラボリックSARは無駄に反応せず、本当に勢いがある相場だけに敏感に加速します。
パラボリックSARで設定できる3つの項目

パラボリックSARで設定できるのは、主に以下3つの項目です。
- 初期のAF値
- ステップ値
- AFの上限値
なおFintokeiのプラットフォームのように、「ステップ値」と「AFの上限値」のみ設定できるケースもあります。
初期のAF値
初期のAF値は、その名の通り高値・安値を更新するたびに増加するAFの初期値を決める設定です。
ただしAFは加速的に大きくなる仕組み上、実際のトレードでは初期値の影響が出るのは最初の数本程度なので設定においての重要度は比較的低めです。
例えば初期AFを0.01→0.02に変えても、数バー後に高値更新が続けばAFは0.06、0.08と増加し、初期値の影響はほとんど残りません。
このため、Fintokeiのようにプラットフォーム次第では初期のAF値を設定できない場合もあるのです。
ステップ値
ステップ値は、トレンドが続いてEP(最高値・最安値)が更新されるたびに、AFをどれだけ増やすかを決める値です。
つまり相場の勢いに応じてSARがどれくらい加速するかをコントロールする重要なパラメーターになります。
例えばステップを0.02から0.04にすると、高値更新が数回続くだけでAFが急上昇し、SARが価格に素早く接近します。
ステップ値を大きく設定して素早く価格に反応するようにするか、または小さく設定して価格への反応を鈍らせるかこのバランスが設定のカギになります。
AFの上限値
AFの上限値は、加速係数(AF)がどこまで大きくなるかを制限する値であり、パラボリックSARが価格に追いつくスピードの限界ラインを決めます。
AFはトレンド中に高値や安値が更新されるたびに増加しますが、無制限に増えてしまうとSARが価格に過剰に張り付き、わずかな押し目やノイズでも反転サインが出てしまいます。
そこで、上限AFを設定することで追従速度をコントロールし、過度な反応を防ぐのです。
パラボリックSARのおすすめ設定の決め方

パラボリックSARの設定変更の際に抑えておきたいポイントは、以下の通りです。
- ステップで反応速度を決める
- AF値の上限でどこで利確や反転を許容するかを決める
ステップを大きくすれば小さな押し戻しでも早めに反転サインが出て素早く利確できますが、だましの増加につながります。
一方、小さくすればトレンドを粘り強く追えますが、最初の反転を捉えるタイミングが遅くなります。
つまり「どれだけ早く気づきたいか」「どこまでポジションを伸ばしたいか」が設定の軸です。
【基礎編】パラボリックSARの最強設定

パラボリックSARの最強設定を決めるための基礎となるのが、「銘柄のボラティリティ」または「トレードスタイル」別に決める方法です。
それぞれについて見ていきましょう。
銘柄のボラティリティ別の設定
高いボラティリティの銘柄を取引する際は設定値を「小さめ」に、低いボラティリティの銘柄を取引する際は設定値を「大きめ」にするのが基本です。
設定値の例は以下の通りです。
| 設定項目 | 高ボラ銘柄 | 中ボラ銘柄 | 低ボラ銘柄 | 
| ステップ値 | 0.01〜0.02 | 0.02 | 0.025〜0.03 | 
| AFの上限値 | 0.10〜0.15 | 0.2 | 0.25〜0.30 | 
ゴールド(XAUUSD)のような高いボラティリティの銘柄は上下の振れが大きく、反応が早すぎるとノイズでだましが頻発するため、デフォルト値よりも少し抑えた設定がお勧めです。
一方でEURUSDのような動きが穏やか銘柄については、設定が遅いとトレンドに乗り遅れるリスクがあるため、少し価格へ反応しやすい設定にします。
トレードスタイル別の設定
トレードスタイル別の設定については、短期のトレードスタイルほど反応を速く、長期のトレードスタイルほど粘り重視で設定します。
設定値の例は以下の通りです。
| 設定項目 | スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | 
| ステップ値 | 0.03前後 | 0.02 | 0.01〜0.015 | 
| AFの上限値 | 0.25〜0.30 | 0.20〜0.25 | 0.10〜0.15 | 
スキャルピングやデイトレードでは、相場の小さな変動でも早く反応できる設定が求められます。
一方、スイングや長期トレードではノイズに惑わされず、大きなトレンドを捕まえる粘り強さが必要です。
【応用編】パラボリックSARの設定をさらに最強にするコツ
基本的な設定を理解したうえで、さらに精度を高めたい場合は、以下に応じて調整を検討しましょう。
- トレンドの性質
- マルチタイムフレーム分析用の設定
トレンドの性質別の設定
パラボリックSARの設定は、ボラティリティだけでなく、トレンドの性質にも合わせると精度がさらに高まります。
つまり滑らかに推移する相場と、ノイズが多くギザギザした相場では最適な設定が変わるということです。
設定値の例は以下の通りです。
| 設定項目 | なめらかで持続するトレンド | 上下にノイズの多いトレンド | レンジ相場 | 
| ステップ値 | 0.01〜0.015 | 0.015〜0.02 | 0.025〜0.03 | 
| AFの上限値 | 0.10〜0.15 | 0.20 | 0.25〜0.30 | 
方向性が明確で一方向に伸びやすい相場では、SARを低ステップにして反応を鈍らせることで利益を伸ばしやすくなります。
一方で、上下の振りが激しい相場では粘りすぎると利益が削られたり損失が拡大しやすいです。したがって適度に反応を早めて小さく刻む方が良いでしょう。
マルチタイムフレーム分析用の設定
パラボリックSARも他のインジケーターと同様に、上位足でトレンドを確認し、下位足で取引タイミングをとる「マルチタイムフレーム分析」が有効です。
マルチタイムフレーム分析をする際は、以下のように上位足と下位足で設定をずらしてみることも検討しましょう。
| 設定項目 | 下位足(15分や1時間) | 上位足(4Hや日足) | 
| ステップ値 | 0.02〜0.03 | 0.01〜0.015 | 
| AFの上限値 | 0.20〜0.25 | 0.10〜0.15 | 
上位足ではステップ値などを小さくして相場の方向性の把握に特化、下位足では設定を大きくしてエントリーや決済のタイミングを把握しやすいような数値となっています。
パラボリックSARを使ってFintokeiに挑戦する

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
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今回紹介したパラボリックSARは、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、パラボリックSARの設定を使いこなすために、仕組みや計算式、それぞれの設定項目の役割に至るまで詳しく解説しました。
仕組みやルールを理解することで、なぜパラボリックSARがトレンド相場の後半で追従が強まるのか、なぜ設定によって精度の質が変わるのかがクリアになったと思います。
あとは今回紹介したおすすめ設定を参考に、自分の取引スタイルに合わせて最適化していくだけです。
まずはデフォルト設定から微調整しながら検証してみましょう。
 
															 
             
            