成行注文が危険な瞬間TOP5|失敗から学ぶ対策方法を紹介

トレードでは、指値注文や成り行き注文、さらには指値を応用した特殊注文など、さまざまな発注方法があります。
その中でも最も使いやすいのは成り行き注文ですが、「便利だから」と安易に使った結果、思わぬ損失を経験したことはないでしょうか。
特に相場が急変したときや、焦りから感情的にボタンを押してしまったときには、不利な価格で約定してしまうケースが少なくありません。
この記事では、実際に成り行き注文で失敗した5つの事例を紹介し、その原因と背景を掘り下げます。
その上で、成り行き注文をするなら事前にしておきたい設定やルール作りといった具体的な対策などを以下の項目で詳しく解説していきます。
- 成り行き注文が危険だと感じた5つの経験談
- 【結論】成り行き注文は対策すれば危険ではない
- 成り行き注文が危険だと感じたらトレードスタイルを変えてみる
- Fintokeiでプロトレーダーを目指す
- まとめ
成り行き注文が危険だと感じた5つの経験談
実際にトレードをしていて、成り行き注文が危険だと感じた経験を以下の5つ紹介します。
- 指標発表に乗ろうとしたものの不利な価格でエントリーされた
- 早朝の窓を狙ったものの中々注文が通らなかった
- チャートを見ていなくて価格が上昇してしまった
- 「置いていかれる」と焦って高値掴みをしてしまった
- 成り行き注文によるパニックで失敗が連鎖する
その1:指標発表に乗ろうとしたものの不利な価格でエントリーされた
2025年8月15日、米国の小売売上高の前回改定値が改善したことで相場が一気に動き出したのを見て、「今しかない!」と青いラインで成り行き買いを入れました。
ところが約定した価格は思っていた値段よりかなり上(赤いライン)で、チャートを見た瞬間に「なんでこんな高いところで成立してるんだ?」と愕然としました。

スプレッドが急に広がっていたことや、注文が通るまでのわずかな遅れによるスリッページが発生してしまったことで、結果的に最悪のタイミングで取引してしまったのです。
一時的に価格は上昇したものの、かなり不利な価格帯で約定したことに加えて、上下に大きく動いたこともあり結局損切りとなってしまいました。
スリッページとは一体何なのかについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫スリッページの仕組みとは?スリッページのオススメ設定も紹介!
その2:早朝の窓埋めを狙ったものの中々注文が通らなかった
2025年9月19日(月)の朝、日経平均株価の窓埋めを狙えば大きな利益が取れると思い、相場が動き出すタイミングで成り行き注文を入れました。
ところが注文ボタンを押してもなかなか約定されず、「あれ?なんで成立しないんだ?」と不安になりました。
やっと約定したと思ったら、すでに価格は大きく動いた後で、狙っていた金額とはかけ離れた値段で買わされていました。

窓埋めを狙うことはできなかったものの続伸したため損切りにはなりませんでしたが、「流動性が低い時間帯では成行きは危険なんだ」と痛感しました。
その3:チャートを見ていなくて価格が上昇してしまった
「ここから上がるだろう」と思ってある銘柄を監視対象にしていたのですが、少し目を離した隙に押し目をつけて価格が急上昇していました。
慌てて成行き注文を入れたものの、すでに高値付近での約定になってしまい、「あの時チャートを見ていてもっと早く入れていれば」と後悔しました。
指値注文を設定していなかったため、狙っていたタイミングを逃し、結局は不利な位置で取引を成立させてしまったのです。
成り行き注文は「すぐに買える・売れる」便利さがありますが、チャートを見ていない時間はチャンスを逃すリスクがあるという勉強になった場面でした。
その4:「置いていかれる」と焦って高値掴みをしてしまった
ゴールド(XAUUSD)のチャートを見ていたら、突然の急騰が起きて「あ、今すぐ入らないともうチャンスがなくなる!」と体が勝手に反応してしまいました。
冷静に根拠を確認する余裕もなく、成り行き注文で買いを入れたのですが、約定した瞬間から価格が下落しはじめ、「なぜこんな高いところで掴んでしまったんだ…」と頭を抱えました。

完全に「置いていかれる」という恐怖心、いわゆるFOMOに支配されていたのだと思います。
その5:成り行き注文によるパニックで失敗が連鎖する
ユーロドルで買いポジションを持った直後から逆行し、含み損がどんどん膨らんでいくのを見て「もう無理だ」とパニックになり、冷静な損切り設定もできずに成り行きで決済しました。
ところが数分後には価格が反発しており、「あのまま耐えていれば助かったのに」と後悔の気持ちでいっぱいになりました。
その反動で次は少しでも利益が出た瞬間に「また損したくない」と焦って成り行きで利確。けれど相場はその後大きく伸びるという結果に。
その後怒りに任せて再び成行きで飛び込んでしまった結果、価格は下落を続けて結局は損失を拡大させる結果となってしまいました。

怖さ、早く楽になりたい欲、報復の感情、全てが成行き注文の特徴である「すぐに注文が通る即時性」と相まって失敗を連鎖させる要因となってしまいました。
【結論】成り行き注文は対策すれば危険ではない
ここまで見てきたように成り行き注文によって失敗した経験は数々あります。
しかし取引を続けていくうちに、これは成り行き注文そのものが危険なのではなく、使い方
と状況の選び方次第でコントロールできる問題であるということが判明しました。
成り行き注文で失敗するリスクを抑えるための対策方法として、以下の4つを紹介します。
- 価格が急変動する、または流動性の低い時間帯を避ける
- 成り行き注文と指値注文を理解して使い分ける
- スリッページや注文の設定を工夫する
- 感情に流されないためのルール作り
価格が急変動する、または流動性の低い時間帯を避ける
成り行き注文の最大の弱点は、急な値動きの発生時や市場参加者が少ない時間帯に意図しない価格帯で約定する可能性があることです。
したがって、値動きに慣れないうちは急変動時や流動性の時間帯のエントリーは避けることだけでも成り行き注文によって抱えるリスクの大部分を抑えることができます。
トレードのマイルールに取り入れる際は、「入らない時間をあらかじめ決めておく」ことを意識しておくとよいでしょう。
例えば、ロンドン市場が始まる時間まではエントリーしない、重要指標の前後数分は取引を控えるなど、自分のルールを作って徹底すれば無駄な損失は防げます。
成り行き注文と指値注文を理解して使い分ける
成り行き注文だけを使うなどこだわる必要はなく、成り行き注文と指値注文それぞれのメリット・デメリットを理解して状況に合わせて使い分けることも重要です。
注文方法 | メリット | デメリット |
成り行き注文 | ・すぐに約定する・機会を逃しにくい・初心者でも簡単に使える | 価格が滑って不利な値段で成立する可能性がある |
指値注文 | ・希望の価格で約定できる・リスクを事前にコントロール可能 | 価格が届かなければ取引が成立しないので機会損失が起きやすい |
例えば、指標直後にチャートが急騰しているときに成り行きで飛び乗ると、大きく滑って後悔することが少なくありません。
こうした場面では、あらかじめ指値で「この価格まで落ちてきたら買う」と待ち構える方が賢明です。
逆にレンジ相場のブレイクアウトに遭遇した時などは、指値で待っている間に一気に走ってしまい、チャンスを逃すことがよくあるので、成り行きで即座に約定させる判断が有効です。
スリッページや注文の設定を工夫する
トレーディングプラットフォームによっては、許容できるスリッページ幅を指定することができるので、設定を済ませておくこともおすすめです。
例えばFintokeiのトレーディングプラットフォームでは、メニューバーの「ツール」→「オプション」メニューより確認できる「取引」タブでスリッページ幅の設定が可能です。
以下の画像では5ポイント以上のスリッページが発生した場合、注文を約定させないように設定しています。

相場のボラティリティや取引する銘柄によって変わりますが、2〜3ポイントを目安に設定することがおすすめです。
ただし、数値を大きくしすぎると不利な価格で成立する可能性が高まり、逆に小さくしすぎると注文が通らない問題が発生するので、デモ取引などで試しておくとよいでしょう。
感情に流されないためのルール作り
成り行き注文の失敗は、市場環境だけでなく自分の感情に左右される場面でも起こるので、感情をコントロールするための対策も必要です。
例えば「損切りは必ず成り行き注文ではなく逆指値で設定する」といった基準を守れば、最低限損切りによって感情に振り回されずに済みます。
また一度感情的に成行きで損切りをしてしまったら、その日の取引を終了するルールを設けるのも有効です。
さらに日々のトレードを記録し、自分がFOMOやパニックに陥った場面を可視化することで
次回以降の改善につながるでしょう。
トレードにおけるメンタル管理法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫トレードにおけるメンタルコントロールの重要性やメンタル管理法を解説
成り行き注文が危険だと感じたらトレードスタイルを変えてみる

どれだけ対策を講じても「成り行き注文はやっぱり怖い」と感じる場合、いっそのことトレードスタイルを見直してみることも一つの手です。
特にスキャルピングのように瞬間的な値動きを狙う手法では、どうしても成り行きでの約定が増え、滑りや心理的負担と向き合わざるを得ない場面が多くなります。
デイトレードやスイングトレードに切り替えれば、成り行き注文による滑りを気にする必要もそこまでありません。
その上、指値注文を組み合わせるという選択肢も取りやすいので、常に画面に張り付かなくても取引が成立しやすくなります。
「成行きは危険だからやらない」と極端に避けるのではなく、自分が安心して継続できるトレードスタイルを模索することが重要です。
トレードスタイルの決め方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫Fintokeiにおけるトレードスタイルの選び方とは?コツやメリット・デメリットを解説
Fintokeiでプロトレーダーを目指す
Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していきます。
そしてFintokei公認のプロトレーダーになれれば、デモ口座における取引利益額をもとにデータ提供料の報酬がトレーダーへ支払われます。
初期の取引資金や価格が異なる豊富なプランがFintokeiでは用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。
また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。
無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、成り行き注文を使って実際に直面した5つの失敗体験を紹介し、その原因や回避の方法を詳しく解説しました。
指標発表直後や流動性の低い時間帯は滑りやすく、焦りやFOMOによる高値掴み、パニックによる連鎖的な損切りなど、成り行き注文にはリスクが潜んでいます。
一方で、指値注文と組み合わせて使い分けたり、感情に流されないルールを作ったりすることで、危険は十分にコントロールできます。
大切なのは「成り行きは危険だから使わない」と避けるのではなく、自分のトレードスタイルや状況に合わせて柔軟に活用することです。
慣れてきたら小ロットで練習を積み重ね、成り行き注文を武器として使いこなしながら、Fintokeiのような実践環境でプロトレーダーを目指してみてください。
