指値と成行どっちが有利?初心者でも失敗しないための使い分けを紹介

最初はすぐにエントリーしたいときは成行注文、決めた価格で取引したいけれどチャートを見られないときは指値注文、といった感覚的な使い分けをする人が多いはずです。
ところが取引を続けていくうちに、「思ったより不利な価格で約定してしまった」「指値が刺さらずチャンスを逃した」などの経験をするのではないでしょうか。
こうした失敗を繰り返すうちに、「やはり指値と成行をどう使い分けるかが大切なんだ」と実感する瞬間が訪れます。
そこで本記事では、指値注文と成行注文の違いをわかりやすく整理しつつ、それぞれの注文が特に役立つシチュエーションなどを詳しく解説していきます。
- 指値注文と成行注文の違いを抑えておこう
- 指値注文と成行注文、初心者はどっちを使えばいい?
- 指値注文が効果的な4つのシチュエーション
- 指値注文より成行注文を使った方がいい場面もある
- 成行注文をするときでもリスク管理は指値注文で
- Fintokeiでプロトレーダーを目指す
- まとめ
指値注文と成行注文の違いを抑えておこう

指値注文とは「価格を指定して発注をする注文方法」であるのに対して、成行注文とは「現在の市場価格で即時に発注をする注文方法」です。
指値注文と成行注文、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
注文方法 | メリット | デメリット |
指値注文 | 計画的なエントリーや損切りができる | 価格が届かなければ取引が成立しないので機会損失が起きやすい |
成行注文 | すぐに約定するので取引チャンスを逃しにくい | 価格が滑って不利な値段で成立する可能性がある |
指値注文は価格が届かなければ取引が成立しないものの、「この価格でなければ約定しない」と条件を設定できるため計画的な取引をしやすいことが特徴です。
一方で成行注文はスピードが最大の強みです。
市場の状況次第では注文が滑って想定より不利な価格で取引が完了してしまう可能性があるものの、相場のチャンスを逃すことはまずありません。
指値注文と成行注文、初心者はどっちを使えばいい?

結論から言えば、初心者におすすめなのは「指値注文」です。
トレードにおいて最も大切なのは、いかに損失リスクを抑えるかという点です。
特に経験の浅いトレーダーは、相場の上下に感情を揺さぶられ、結果的に損失を招いてしまうケースが少なくありません。
例えば、価格が急上昇した場面で「もっと上がるかも」と焦って成行で飛びつき、結果的に高値掴みになってしまったという経験をした方も多いのではないでしょうか。
その点、指値注文なら冷静な取引が可能です。
あらかじめ「この価格で買う/売る」と希望する水準を指定して発注できるため、計画的にエントリーや利確、損切りを実行できます。
さらに仕組み上、スリッページやスプレッド拡大の影響を受けにくいため、意図せぬ価格で約定してしまうリスクを減らせるのも魅力です。
成行注文は危険だといわれる理由については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
指値注文が効果的な4つのシチュエーション
指値注文の強みは、チャートを常に見張っていなくても自動で取引を成立させられる点にあります。
特に「ここでは指値注文が機能しやすい」という以下の場面を知っておけば、無駄なエントリーを減らして、より計画的に取引を進められるでしょう。
- サポートライン・レジスタンスラインが明確
- 長期的にレンジ相場だがいつサポレジに来るかわからない場合
- ナンピンや分割エントリーを仕込みたいとき
- 重要な経済イベントを控えている
サポートライン・レジスタンスラインが明確
レンジ相場のようにチャートをパッと見て過去に何度も反発している価格帯が分かる場面は、指値注文を最も使いやすい状況の一つです。
サポートラインやレジスタンスラインが明確である状況では、ライン付近に指値を置いておくだけで無理に相場を追いかける必要がなく落ち着いた取引ができます。
ラインを目安に指値を設置する場合は、反発を狙うラインの少し手前に注文を置いておくことがおすすめです。
相場では価格がラインに近づいたものの手前で反転することが度々あるので、少し手前に設置をしておくことで「せっかく待っていたのに約定しなかった」というケースを避けられるでしょう。

サポートラインやレジスタンスラインの引き方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫トレードで機能するサポレジの引き方5選|サポレジを使ったトレード手法も解説
長期的にレンジ相場だがいつサポレジに来るかわからない場合
指値注文が活躍するもう一つの場面は、長期的にレンジ相場を形成している銘柄を取引する場合です。
例えばAUDNZDやEURGBPなど、比較的値動きが限定的で上下の幅がはっきりしている通貨ペアが代表例として挙げられます。
こうした銘柄は「ここまで来たら買いたい・売りたい」という水準が明確に存在しますが、問題はいつそこに到達するか分からない点です。
サポレジに到達するまで半年ほどかかることもありチャートを監視し続けるのは現実的ではないので、指値を仕掛けておくことで効率的に取引がしやすくなるでしょう。

ナンピンや分割エントリーを仕込みたいとき
相場が思惑と逆方向に進んだ場合、感情に任せて追加の買い増しや売り増しをすると、結果的に資金を大きく減らしてしまう危険があります。
そこであらかじめ複数の価格帯に指値を並べておけば、機械的に発注が行われるため、冷静な資金管理を踏まえたうえでのナンピンや分割エントリーがしやすくなります。
ナンピンや分割エントリーをする際は、過去の高値や安値など節目と資金配分に合わせて、設置間隔を調整することがコツです。
例えばナンピンをする場合、同じ間隔(例:1円毎など)に設置するのではなく、徐々に間隔を広げる(例:150円→149.5円→148円→146円)ことで平均単価を抑えやすくなります。
ナンピン買いのコツについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ナンピン買いとは?すべきタイミングや失敗しないためのルール作りを解説!
重要な経済イベントを控えている
経済指標の発表や中央銀行の会合など、大きなイベントの前後は相場が急変動しやすい局面であり、成行注文ではスリッページが発生しやすいのが難点です。
スリッページによって想定より不利な価格で約定してしまうと、その後のトレード戦略が崩れてしまうこともあります。
このような場面では、あらかじめ「ここまで下がったら買う」「この水準まで上がったら売る」といった指値を置いておくのが有効です。
また事前に経済イベントの内容や相場のシナリオを分析し、計画的に指値を仕掛けること自体が良いトレーニングにもなります。
経済イベントの分析方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫【簡単4ステップ】ファンダメンタルズ分析のやり方を解説!役立つツールも紹介
指値注文より成行注文を使った方がいい場面もある
原則として初心者トレーダーには指値注文がおすすめですが、以下のように成行注文を使った方がいいシチュエーションもあります。
- 強いトレンドに乗りたいとき
- スキャルピングで数pipsを狙うとき
- すぐにポジションを調整したいとき
強いトレンドに乗りたいとき
相場が一方向に大きく動いているときは、指値で押し目を待っていると置いて行かれてしまう可能性があります。
例えば、以下のように重要なレジスタンスラインを突破して一気に上昇している場面では、指値注文は約定しない可能性が高いので成行注文で即エントリーしてその波に乗る方が有効です。

長い期間をかけて形成した重要なサポート・レジスタンスを明確にブレイクしたときなどは、特に強いトレンドが発生しやすいので成行注文で乗れるように準備をしておきましょう。
スキャルピングで数pipsを狙うとき
スキャルピングのような短い時間軸で売買を繰り返すトレードスタイルでは、スピードが何よりも重要です。
例えば、1分足や5分足で数pipsを狙う場面で指値注文を設置して待っていては価格が動いてしまいエントリーのチャンスを逃すことが多くなります。
したがって、「今だ」と思ったタイミングで即座に約定できる成行注文が基本となります。
スキャルピングで勝率を高めるコツについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫スキャルピングで勝てない原因ベスト5|勝率を高めるため役立つ具体策を紹介!
すぐにポジションを調整したいとき
トレードを続けていると、想定外の値動きや急なニュースによってポジションをすぐに調整したい状況に一度は出会います。
例えば、含み益を確保するために一部を利確したり、逆にロットを追加して強気に攻めたり、あるいは急落に備えてヘッジを入れるといったケースです。
こうしたときに指値を待っていては、調整が間に合わずに機会を逃してしまう可能性があるので、成行注文で即時にポジションを動かす方がよいでしょう。
特にボラティリティの高い銘柄やイベント発表直後などは、スピード感を重視して成行注文を使いこなすことが安定した取引につながります。
成行注文をするときでもリスク管理は指値注文で

成行注文でよくある失敗例は、感情に流されて損切りが遅れ、資金を大きく減らしてしまうことです。
だからこそ、成行注文でエントリーする場合でも損切りのための逆指値を同時に設定しておくことが欠かせません。
あらかじめ逆指値を設定して損失を許容できるラインを決めておけば、最悪の事態でも被害を限定できます。
エントリーはスピードを重視した成行注文を活かして、リスク管理は指値注文で行うといった組み合わせをしておけば初心者でも安心してトレードを続けられるでしょう。
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、指値注文と成行注文の違いや、それぞれのメリット・デメリット、初心者が押さえておきたい使い分けのコツまで詳しく解説しました。
指値注文は計画的なエントリーや損切りに向いており、成行注文は強いトレンドや短期トレードで威力を発揮します。
どちらの注文方法を使うにせよ、大切なのは損失を被る原因となりやすい感情に左右されず、冷静に取引を進めることです。
したがってエントリースピードを重視して成行注文を活用する場合でも、リスク管理は指値注文で行うといった組み合わせでバランスを取ることが重要です。
今回紹介した内容を参考に、自分のトレードスタイルに合った注文方法の組み合わせを模索して、実際のトレードに活かしてみましょう。
