結局どれを使えばいい?フィボナッチリトレースメントの数値一覧

フィボナッチリトレースメントを表示させると、23.6%や38.2%、50%などさまざまな数値がチャート上に並びます。

フィボナッチリトレースメントを見て、「なぜこの数値なのか?」「本当にすべて必要なのか?」と疑問を持ったことはありませんか?

結論として、フィボナッチリトレースメントの数値は黄金比をもとに示されている数値であり、どの数値も押し目買いや戻り売りで役立ちます。

ただし、トレンドの強さや組み合わせるトレード手法で注目するべき数値が変わる点には注意しなければなりません。

この記事では、フィボナッチリトレースメントで使われる数値の一覧や、実際のトレードで意識されやすい数値などを以下の項目で詳しく解説します。

  • フィボナッチリトレースメントとは?
  • フィボナッチリトレースメントで使われる数値一覧
  • フィボナッチリトレースメントの数値の使い方
  • フィボナッチの引き方を練習するならFintokei
  • Fintokeiでフィボナッチリトレースメントの数値を設定する方法
  • フィボナッチリトレースメントの数値をどう引き直す?
  • まとめ

フィボナッチリトレースメントとは?

フィボナッチリトレースメントとは、フィボナッチ数列に基づいた比率をチャート上に表示し、相場の「押し目」や「戻り」の水準を視覚化できるテクニカルツールです。

フィボナッチ数列とは1、1、2、3、5、8、13、21…というように、前の2つの数字を足した数を次に並べていく数列です。

そしてフィボナッチ数列に出てくる隣り合う数を割ると、「黄金比」と呼ばれる約0.618(13 ÷ 21 ≒ 0.619など)に近づいていきます。

この黄金比は自然界のさまざまな現象に適用できる比率であり、金融市場では価格の動きを予測する際にも使用されているのです。

したがって、高値と安値の間に黄金比にも関わるフィボナッチ・リトレースメントのライン(23.6%、38.2%、61.8%など)を引くことで、重要な反発水準を判断したり、エントリーや決済のタイミングを探ったりなどの目的で使われています。

フィボナッチリトレースメントで使われる数値一覧

フィボナッチリトレースメントで使われる数値について、詳しく見ていきましょう。

代表的なフィボナッチリトレースメントの数値

フィボナッチリトレースメントでよく使われる数値は、23.6%、38.2%、50%、61.8%、78.6%の5つです。

それぞれの計算式は、以下の通りです。

比率計算式
23.6%13 ÷ 55 ≒ 0.236
38.2%21 ÷ 55 ≒ 0.382
50.0%なし
61.8%34 ÷ 55 ≒ 0.618
78.6%√0.618 ≒ 0.786

表を見てもわかる通り、50%は厳密にはフィボナッチ比率ではなく、相場が半値戻し・半値押しになりやすいという経験則から加えられたものです。

100%以上の数値は意味があるのか?

トレードツールによっては、フィボナッチリトレースメントにフィボナッチエクスパンションで使う100%以上の数値も記載されていることがあります。

100%以上の数値は、トレンド継続時にどこまで伸びるかを予測するのかを使うのが一般的です。

100%以上の中でも、よく使われる数値は以下の通りです。

比率計算式
127.2%√1.618 ≒ 1.272
138.2%1 + 0.382(フィボナッチリトレースメント38.2%) = 1.382
161.8%黄金比そのもの。
200%1 × 2 = 2.0(前の値幅をそのまま2倍にした伸び)
261.8%1 + 1.618(黄金比) = 2.618

100%を超えると、黄金比そのものである1.618(161.8%)に注目したラインが多くなるのが特徴です。

フィボナッチリトレースメントの数値の使い方

実際にこれまで紹介したフィボナッチリトレースメントの数値をどのように使うことができるのか、以下4つのケースを例に見ていきましょう。

  • 通常のトレンド相場では38.2%~61.8%に注目する
  • 強いトレンド相場では61.8%~78.6%に注目する
  • エリオット波動と相性がいいのは61.8%と161.8%
  • ハーモニックパターンでは127.2%と161.8%が注目されやすい

通常のトレンド相場では38.2%~61.8%に注目する

勢いがそれほど強くない通常のトレンド相場では、深すぎず浅すぎない38.2%〜61.8%の戻り幅が最も安定的な押し目買い・戻り売りのチャンスとして注目されます。

なぜなら、38.2%〜61.8%という戻り幅は、短期トレーダーの利確と中長期トレーダーの押し目買い(戻り売り)が交錯しやすい水準だからです。

価格が38.2%〜61.8%あたりまで下がることで一度売りが出尽くし、エネルギーをため直して再上昇しやすいという相場のリズムが生まれる傾向があります。

そして押し目(戻り目)を付けた後は、安値から1度目の高値(安値)までと同じ値幅分、上昇(下落)する可能性があると計算することができます。

利益目標の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

一目均衡表の値幅観測論とは?計算方法や波動論を使った相場の予測方法を解説!

強いトレンド相場では61.8%~78.6%に注目する

強いトレンド相場では、押しや戻りが浅くなりがちなので、61.8%〜78.6%の水準をエントリーポイントとして注目すべきです。

特に価格に勢いづくトレンド相場の前半では、61.8%〜78.6%に注目しておくとよいでしょう。

また逆に、強いトレンドを形成していたにもかかわらず50%ラインを割る展開になってくるとトレンドが崩れ始めている、または弱まっているサインと見ることもできます。

エリオット波動と相性がいいのは61.8%と161.8%

エリオット波動を学ぶと必ずでてくるのが「フィボナッチ」の概念であり、その関連性は深いです。

特に0.618倍(61.8%)と1.618倍(161.8%)の2つは、エリオット波動における波動の長さや反発ポイントを予測するために用いられます。

具体的には、上昇相場で形成される5波構成のうち、第3波が第1波の1.618倍になりやすいです。

また第2波や第4波の調整幅が、第1波や第3波の0.618倍前後になるケースも多く見られます。

エリオット波動とフィボナッチの関係性については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

エリオット波動とフィボナッチの関係性を徹底解説!重要な数値やトレードでの使い方とは

ハーモニックパターンでは127.2%と161.8%が注目されやすい

フィボナッチ比率をもとにしたチャートパターンである「ハーモニックパターン」では、1.272倍(127.2%)や1.618倍(161.8%)の比率が特に重視されます。

例えば代表的なパターンである「バタフライ」では、CDの長さがXAの1.272〜1.618倍に達した地点で反発が起こりやすいです。

またバタフライと同様のシグナルを示す「クラブ」でも、XAの1.618倍の深い位置に価格の反発ポイントとなるD点が形成されやすいです。

ハーモニックパターンについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ハーモニックパターンは勝てないのか?5つの失敗例や勝率アップのコツを紹介

フィボナッチの引き方を練習するならFintokei

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Fintokeiでフィボナッチリトレースメントの数値を設定する方法

Fintokeiのトレーディングプラットフォームでは、初期状態で23.6%、38.2%、50%、61.8%、100%などの数値が表示されますが、これらは自由にカスタマイズできます。

フィボナッチリトレースメントを表示した後、起点と終点を結ぶラインで右クリックして「Fibo プロパティ…」を選択します。

そして「フィボナッチ・レベル」タブから「追加」をクリックして数値を入力することで、新たなラインが追加されます。

ラインを削除したい場合は、削除したい数値を選んだ上で「削除」をクリックしてください。

フィボナッチリトレースメントの数値をどう引き直す?

フィボナッチリトレースメントは、一度引いたら終わりではなく、相場の状況に応じて引き直すことが必要です。

特にトレンドが継続した場合には、起点や終点を更新することで、より正確な押し目・戻りの水準を捉えることができます。

基本的な判断基準としては、直近の高値または安値をブレイクした時にフィボナッチを引き直すのが一般的です。

また、相場の勢いが弱まって調整局面に入ったと判断されるタイミングでも、新たな波動に合わせてラインを引き直すことで信頼性のある反発ポイントを再設定できます。

一方でまだ高値・安値を更新していない場合は、前回のフィボナッチラインを継続して使うことも有効です。

まとめ

この記事では、フィボナッチリトレースメントの基本から代表的な数値、実践での使い方や引き直しのコツまでを詳しく解説しました。

フィボナッチリトレースメントで表示される数値はどれも重要な場面があり、エントリーや利確の目安を見極める上で欠かせない存在となっています。

ただし再現性の高い戦略を組み立てるためには、トレンドの強さやトレードスタイルに応じて数値の使い分けを意識することが重要です。

もし「引き方が難しい」「チャートで試してみたい」と感じた方は、Fintokeiの無料トライアルを活用して、フィボナッチの練習を実践形式で始めてみましょう。

実践を通じて理解を深め、フィボナッチをあなたの取引ルールの軸にしていってください。

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