フィボナッチエクスパンションで見るべき数値|引き方のコツも解説
フィボナッチエクスパンションは、相場のどこでトレンドが伸び止まるのか、あるいは利確の目安をどこに置くべきかの判断に役立つテクニカルツールです。
しかし、「どの数値を見ればいいのか」また「そもそもどこから引けばいいのか」といった点はトレード経験者でも迷いがちです。
この記事では、フィボナッチエクスパンションの基本だけでなく、各数値の使い分けや特に見るべき数値などを以下の項目で詳しく解説します。
- フィボナッチエクスパンションとは
- Fintokeiでフィボナッチエクスパンションを引く方法
- フィボナッチエクスパンションで見るべき数値
- フィボナッチエクスパンションを引く際のコツ
- フィボナッチの引き方を練習するならFintokei
- まとめ
フィボナッチエクスパンションとは
フィボナッチエクスパンション(フィボナッチエクステンション)は、トレンドがどこまで伸びるか、つまり価格の到達目標を予測するためのテクニカル分析ツールです。
フィボナッチエクスパンションでは、フィボナッチ数列の比率をもとに、過去の値動きから次の波の長さを推定します。
例えば上昇トレンドが発生した場合、安値Aから高値Bまで上昇し、その後Cで一時的に押し目をつけたとします。
このときチャート上で「A→B→C」の順にクリックすると、エクスパンションラインが自動で描かれ、次にCからどこまで上昇する可能性があるかを可視化できます。

フィボナッチエクスパンションとリトレースメントの違い
フィボナッチリトレースメントはトレンド相場における押し目や戻りの把握に、フィボナッチエクスパンションは利確ポイントの予測に使うのが一般的です。
具体的には、リトレースメントは上昇や下降のトレンドの中で「どこまで調整するか」を測るツールで、38.2%や61.8%といった水準が反発の目安になります。
一方で、エクスパンションは「その後どこまで価格が伸びるか」を分析するため、100%や161.8%などの水準をもとに利益確定や決済の判断に活用します。
しかし実際のトレード画面では、リトレースメントを引いた延長線上にエクスパンションを描画できるケースも多く、厳密な区別はありません。

Fintokeiでフィボナッチエクスパンションを引く方法
画面上部のメニューから「挿入」→「オブジェクト」→「フィボナッチ係数」→「フィボナッチエクスパンション」の順に選択します。

選択後、チャート画面上でトレンドの安値をクリック、そして高値、押し目の順にドラッグするとフィボナッチエクスパンションを引くことができます。
フィボナッチエクスパンションの数値は追加できる
デフォルト設定では、61.8%、100%、161.8%の3本のラインが表示されていますが、設定画面で自由にラインを追加することも可能です。
フィボナッチエクスパンションを右クリックしてプロパティ画面を開きます。
そして「レベル」タブを選択後、「追加」をクリックして数値を入力するだけで任意の数値を指定したラインを追加できます。
今回は1.328(132.8%)のラインを追加しました。

フィボナッチエクスパンションで見るべき数値
フィボナッチエクスパンションでは、どのような数値を表示させても意味があるわけではありません。
フィボナッチ数列を意識した、特にトレードで使われる数値は以下の通りです。
| 数値 | 理由 |
| 127.2% | √1.618 ≒ 1.272 |
| 138.2% | 1 + 0.382(フィボナッチリトレースメント38.2%) = 1.382 |
| 161.8% | 黄金比 |
| 200% | 1 × 2 = 2.0(前の値幅をそのまま2倍にした伸び) |
| 261.8% | 1 + 1.618(黄金比) = 2.618 |
上記がフィボナッチエクスパンションで見るべき数値ですが、いきなり全てを見ろと言っても難しいでしょう。
ここでは、フィボナッチエクスパンションを使うのであれば特に確認しておきたい3つの数値についてランキング順で紹介します。
- N計算値で使える200%
- エリオット波動で使える161.8%
- ハーモニックパターンで使える127.2%
フィボナッチの数値については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫結局どれを使えばいい?フィボナッチリトレースメントの数値一覧
1位:N計算値で使える200%
フィボナッチエクスパンションの200%ラインは、いわゆる「N計算値」と一致する重要な水準です。
N計算値とは、A→B→C→Dの4点で構成される値動きにおいて、ABとCDの値幅がほぼ等しくなる(=AB=CD)という価格の対称性を示す考え方です。
まり、エクスパンションの200%は「前の値幅をそのままもう一度繰り返した地点」を意味し、トレンドの勢いが続くときの最終利確ポイントとして意識されます。
この水準に達した相場では、一時的な反発や調整が起こりやすいため、利確やポジション調整の判断を行うトレーダーが多いのも特徴です。
N波動については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫N波動の正しい引き方や見つけ方とは?E波動との違いや役立つインジケーターも解説!
2位:エリオット波動で使える161.8%
161.8%はエリオット波動の分析で最も注目される比率です。
エリオット波動では、第3波が第1波に対して1.618倍の値幅になることが多く、強いトレンド相場ではこの水準が上昇(または下降)の勢いを測る重要な基準となります。
例えば、以下のように下落の第1波に対してエクスパンションを引くと、161.8%ライン付近でサポートが形成され、反転の兆しが見られるケースがあります。

エリオット波動とフィボナッチの関係性については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫エリオット波動とフィボナッチの関係性を徹底解説!重要な数値やトレードでの使い方とは
3位:ハーモニックパターンで使える127.2%
127.2%はハーモニックパターンにおける反転ポイントの目安として非常に重要な比率です。
特に「バタフライ(Butterfly)」パターンでは、相場が過熱した後の戻りやすい水準として機能することが多く、トレンド転換を狙う逆張り手法で活用されます。
バタフライでは、CDの長さがXAの1.27〜1.618倍になった地点(=D点)で価格が反転しやすいとされ、その付近でピンバーなどの反転シグナルを確認してエントリーや利確を検討します。

特に相場の行き過ぎを見極める際に有効なラインとして、トレンドの終盤で反発を狙う戦略に役立つでしょう。
ハーモニックパターンについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ハーモニックパターンは勝てないのか?5つの失敗例や勝率アップのコツを紹介
フィボナッチエクスパンションを引く際のコツ
フィボナッチエクスパンションを正しく活用するためには、トレンドの始まりと終わりを適切に設定することが重要です。
基本は、トレンドが明確に始まった安値を始点、上昇が一旦止まった高値を終点に指定します。

上昇トレンドであれば、押し目の底をA点、直近高値をB点として、次の押し目C点を選択すると、Cからの伸びを正確に分析できます。
どの高値を終点にすべきか迷う場合は、過去に何度も反発している、あるいは明確な天井として機能している価格帯を優先します。
特に水平線を併用すると、サポートやレジスタンスとの重なりから反発や反転の精度を高めることが可能です。
フィボナッチの引き方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫フィボナッチの引き方が逆だとずれる理由|正しい引き方やコツを解説!
代わりにフィボナッチ専用インジケーターに引いてもらうこともあり
フィボナッチエクスパンションを毎回手動で引くのが面倒だと感じるトレーダーには、インジケーターを使って自動で描画してもらう方法もおすすめです。
例えば「Yesterday Fibo wAlerts」などの無料ツールを使えば、昨日の高値・安値を自動認識し、主要なフィボナッチ比率をチャート上に即座に表示してくれます。
ただし、自動描画に頼りすぎると、トレンドの強弱や押し目の精度を見誤るリスクがあるため、最初は手動でラインを引いて感覚を身につけるのが望ましいでしょう。
フィボナッチの引き方を練習するならFintokei

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
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Fintokei公認のプロトレーダーになると、データ提供料としてデモ口座における取引利益額をもとに報酬がトレーダーへ支払われます。
Fintokeiでは紹介したフィボナッチツールを活用できることはもちろん、フィボナッチについてより深く学べる動画やブログの学習コンテンツが豊富に用意されています。
Fintokeiのサービスを体験できる無料トライアルも実施していますので、フィボナッチの引き方を練習したい方はぜひ挑戦してみましょう。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、フィボナッチエクスパンションの基本的な仕組みから取引画面での引き方法、活用できる数値まで詳しく解説しました。
エクスパンションは、トレンドがどこまで伸びるかを予測し、利確ポイントを明確にするための強力なテクニカルツールです。
特に127.2%・161.8%・200%といった主要比率は、トレンドフォローから反転狙いまで幅広い局面で活用できます。
とはいえ、理論を学ぶだけでなく、実際にチャート上でフィボナッチを引いて体感することが重要です。
Fintokeiでは、フィボナッチツールを使った練習や検証ができる無料トライアル環境が整っています。
まずはデモ口座でフィボナッチエクスパンションを試し、相場の波を正確に読み取るスキルを磨いていきましょう。