ATRを使いこなす!インジケーターでボラティリティを把握する方法

「エントリーのタイミングがいつも遅れる」、「トレンドが続くかどうか分からずに迷う」といった悩みを抱えるトレーダーにとって、相場の勢いを数値で捉えられるインジケーターは非常に心強い味方です。
中でも、ボラティリティの大小を測定できるATR(Average True Range)は、感覚に頼らずに相場の変化を捉えるための有効な手段として知られています。
この記事では、ATRとは何かという基本的な定義から、計算方法や見方、さらには実際のトレードでの活用方法などまで以下の項目で詳しく解説します。
- ATRとはどのようなインジケーターなのか
- ATRの基本的な見方
- ATRの実践的な使い方3選
- FintokeiでATRを表示する方法
- ATRを使ってFintokeiに挑戦する
- まとめ
ATRとはどのようなインジケーターなのか
ATR(Average True Range)とは、金融市場におけるボラティリティを測定する代表的なインジケーターです。
トレードにおいてリスク管理やトレンド発生の判断を行う際、ただ価格の上下だけではなく、市場の勢い(ボラティリティ)を把握することが重要です。
そこでローソク足の勢いや単純な高安値の差だけではなく、相場全体の動きを詳細に分析してボラティリティを客観的に数値化できるATRが非常に役立ちます。
ATRの計算式
ATRでは「True Range(TR)」を一定期間において平均化してボラティリティを算出します。
True Range(TR)とは、以下の3つの値を比べて最も大きい数値のことです。
- 当日の高値 − 当日の安値
- 当日の高値 − 前日の終値(絶対値)
- 前日の終値 − 当日の安値(絶対値)
相場では夜間や休日明けに価格が大きく跳ねることがあるため、単純な「高値−安値」だけでは正しいレンジ幅を把握できません。
ギャップアップ(当日の高値 − 前日の終値)やギャップダウン(前日の終値 − 当日の安値)も考慮することで、正確なレンジ幅を測れることがATRの特徴です。
そしてこのTrue Rangeを一定期間(デフォルト14期間)で平滑化し、平均値をとることでATRの数値が算出されます。
ATRの基本的な見方
ATRが増加すると「市場のボラティリティが高まっている」、低下していると「トレンドが勢いを失っている」、あるいは「値幅が縮小してもみ合い状態に入っている」と判断します。
またATRは数値そのものの大きさよりも、「直近のATR平均値に比べて何%動いたか?」を優先します。
例えば直近14期間の平均ATRを「1.00」とした場合、以下のように判断することができます。
- 0.90~1.10:大きな変動ではなく、トレンド継続中
- 1.10以上:ボラティリティ拡大サイン=勢いが強まっている可能性
- 0.90以下:ボラティリティ収縮サイン=レンジ相場やトレンド衰退の可能性
このように相場のボラティリティ上昇・低下の基準は、直近平均に対して±10%が一つの目安になるでしょう。
FintokeiでATRを表示する方法
ATRは、Fintokeiのトレーディングプラットフォームに標準搭載されています。
画面左下にある「インディケータ」項目から「オシレーター」→「ATR」の順に選択します。
そしてATRをダブルクリックまたはチャート上にドラッグ&ドロップします。
インジケーターの設定画面が表示されるので、設定に変更があれば数値を入力後「OK」をクリックするとチャート上に適用されます。
ATRの実践的な使い方3選
ATRは、実際のトレードで以下のような用途で活用することができます。
- 市場の変動に合わせたエントリーとエグジット
- ATRを使った押し目と戻りの判定
- ATRバンドを逆張りの材料にする
市場の変動に合わせたエントリーとエグジット
ATRでわかるボラティリティの変化を基準にエントリーやエグジットを行うと、損小利大を狙いやすくなります。
ATRが上昇している局面は相場に勢い(ボラティリティ)が生まれたサインであり、トレンドの初動や加速を狙うエントリーポイントとして有効です。
一方、ATRが低下し始めたら、トレンドの勢いが弱まりつつあると判断でき、利確や撤退を検討すべき局面と判断できます。
例えば、横ばいが続いていたATRが徐々に上昇し始め、それに合わせて価格も高値を更新した場面ではトレンド発生の可能性が高まります。
この段階でエントリーし、その後ATRが一定期間横ばい、もしくは下降し始めたタイミングで利確やストップロスの見直しを検討します。
水平ラインの引き方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫トレードで機能するサポレジの引き方5選|サポレジを使ったトレード手法も解説
ATRを使った押し目と戻りの判定
ATRの増減を見ることで、押し目や戻りの深さをある程度予測し、エントリー精度を高めることができます。
相場に勢いがあるとき(ATRが上昇しているとき)は、価格が強く動くため押し目や戻りは深くなる傾向があります。
一方でATRが低下している場面では、相場の動きが小さくなっており、浅い押しや戻りで再度動き出すケースが多く見られます。
例えば上昇トレンド中にATRが明確に上昇していれば、一時的な下落(押し目)は比較的大きくなりやすく、慌てて飛び乗るよりも深く下がるのを待ってから買う方が合理的です。
逆にATRが縮小している状態では、軽い押しが入った後にすぐ反発する可能性があり、タイミングを逃さず入ることが重要になります。
ATRバンドを逆張りの材料にする
ATRをベースに、ボリンジャーバンドのようにバンドを引いてくれる外部インジケーターを活用することで、逆張りがしやすくなります。
価格が急騰・急落している局面では、価格が通常のボラティリティの範囲を大きく逸脱することがあります。
そこでATRにバンドを引いておけば、どこまで動いたら行き過ぎかを客観的に判断でき、天井圏や底値圏での反発狙いの戦略が立てやすくなります。
例えば価格が急上昇して上限バンドにタッチするとボラティリティが転換すると判断できるので、次のローソク足で反転の兆しが見えたタイミングで逆張りショートを検討します。
なお上記チャートで表示しているインジケーターは「dpo t3 – atr channel (arrows + alerts)」というものであり、Fintokeiで提供しているインジケーターではありません。
ATRを使ってFintokeiに挑戦する
Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していきます。
そしてFintokei公認のプロトレーダーになることができれば、デモ口座における取引利益額をもとに報酬がトレーダーに支払われます。
初期の取引資金や価格が異なるプランが豊富に用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。
今回紹介したATRを活用した取引手法は、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。
また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。
無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、ATRの基本的な仕組みから見方、活用方法までを詳しく解説しました。
ATRは、相場のボラティリティを数値として客観的に捉えられるテクニカル指標であり、価格の勢いを正しく読み取るために非常に有効です。
単なる価格変動ではなく、True Rangeという考え方を取り入れることで、ギャップを含む真のレンジ幅を把握できる点も特徴です。
またATRの上昇・低下によってエントリーや利確の判断をしたり、押し目・戻りの深さを測ったり、逆張り戦略の判断材料として活用するなど、あらゆるトレードスタイルに応用が可能です。
まずはFintokeiで実際にATRを使った取引を始めてみてください。