ボリンジャーバンドのエクスパンションとは?判断方法やだましへの対処方法を解説!

ボリンジャーバンドとは、相場のトレンドやボラティリティの大きさを視覚的に分かりやすく確認できるトレンド系インジケーターです。

ボリンジャーバンドには様々な利用方法がありますが、そのなかでもエクスパンションを利用したトレードが多くのトレーダーに知られています。

「エクスパンションではどのようなことが判断できるのか」

「エクスパンションをどのように実際のトレードに活用したらいいのか」

ボリンジャーバンドのエクスパンションと聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

結論として、ボリンジャーバンドのエクスパンションは視覚的にも判断しやすく、初心者の方でもすぐにトレードに取り入れられます。

しかしエクスパンションが表すトレードサインが100%正しいわけではないため、だましには注意しなければいけません。

この記事では、ボリンジャーバンドのエクスパンションについて、概要からトレードでの利用方法、注意点に至るまで以下の6つの項目で詳しく解説していきます。

  • ボリンジャーバンドのエクスパンションとは
  • ボリンジャーバンドのエクスパンションで判断できる3つのサイン
  • ボリンジャーバンドのエクスパンションを利用したトレード手法
  • エクスパンションのだましには要注意
  • エクスパンションをトレードで利用する際の3つのポイント
  • まとめ

ボリンジャーバンドのエクスパンションとは

ボリンジャーバンドのエクスパンションとは、ボリンジャーバンドのバンドが大きく広がる現象です。

ボリンジャーバンドは相場価格のボラティリティが大きくなるとバンド幅が広がり、ボラティリティが小さくなるとバンド幅が狭まります。

したがってエクスパンションが発生するということは、相場のボラティリティが大きくなり、直近の値動きと比べて価格が急変動していることを表します。 

スクイーズはエクスパンションの逆の現象

ボリンジャーバンドでは、エクスパンションの他に「スクイーズ」という現象が発生します。

スクイーズとはエクスパンションの逆で、ボリンジャーバンドのバンドが狭まる現象です。

つまりスクイーズが発生すると相場のボラティリティが小さくなり、これからトレンドが終了またはレンジ相場に突入すると判断できます。

ボリンジャーバンドのスクイーズについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

相場はエクスパンションとスクイーズの繰り返し

相場は大きく分けて「トレンド相場」と「レンジ相場」によって成り立っています。

つまりトレンドが発生するとエクスパンションが発生し、トレンドが終了しレンジ相場に突入するとスクイーズが発生します。

このようにエクスパンションとスクイーズが繰り返されて相場は成り立っているのです。

ボリンジャーバンドのエクスパンションで判断できる3つのサイン

ボリンジャーバンドのエクスパンションからはトレードにおける以下の3つのサインを判断できます。

  • トレンドの始まり
  • トレンドの強さ
  • トレンドの終了

その1:トレンドの始まり

エクスパンションは相場のボラティリティが大きくなっている状態を表します。

したがってボラティリティが小さなスクイーズからエクスパンションが発生すると、これからトレンドが始まる可能性が高いと判断できます。

どの方向のトレンドが始まるのか判断したい場合は、ボリンジャーバンドの中央に表示されている移動平均線の方向を確認するとよいでしょう。

その2:トレンドの強さ

エクスパンションはトレンドの発生だけでなく、トレンドの強さも判断できます。

トレンドの強さを判断するためには、エクスパンションの発生に加えて、相場価格が大きくバンドを超えているのかを確認します。

例えば上昇トレンドの強さを判断する場合、エクスパンション発生後のローソク足の終値が2σまたは3σラインを超えて終了しているのかを確認します。

価格が一瞬バンドの外を超えたが、ひげが発生して終値がバンド内に収まってしまった場合は、まだトレンドが強いとは断定できないため注意しましょう。

その3:トレンドの終了

エクスパンションが発生し、ボリンジャーバンドの広がりが最大になり、バンド幅が閉じ始めると一旦トレンドが終了したと判断できます。

ボリンジャーバンドが最大限拡大した状態を「ボージ」と呼び、ボージが発生後にボリンジャーバンドはスクイーズの状態となります。

つまりエクスパンションの終了を確認することは、ボージの発生タイミングを見極めることと同意なのです。

ボリンジャーバンドのボージについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ボリンジャーバンドのエクスパンションを利用したトレード手法

それでは実際にボリンジャーバンドが実際にどのようにトレードで活用されるのか、以下の2つのトレード手法を見ていきましょう。

  • エクスパンションを利用したトレンドフォロー
  • バンドウォークで強いトレンドに乗る

その1:エクスパンションを利用したトレンドフォロー

1つ目は、トレンド発生から終了までを確認できるエクスパンションの特徴を活かしたトレンドフォロー取引です。

具体的には、スクイーズからエクスパンションが発生した場合、トレンド発生とみなしてエントリーをします。

またエクスパンションでトレンドの発生を確認する際は、同時にローソク足の終値がバンドを超えているのかを見てトレンドの強さも確認しておきましょう。

そしてボージが発生し、スクイーズ状態つまりトレンド終了の兆しが見えた場合にポジションの決済を行います。

その2:バンドウォークで強いトレンドに乗る

2つ目は、バンドウォークを利用したトレンドフォロー取引です。

ボリンジャーバンドのエクスパンション発生後に、ローソク足が2σまたは3σのバンドで推移し続ける値動きを「バンドウォーク」といいます。

バンドウォーク発生時に、トレンド方向にポジションを保有することで、強いトレンドに乗ることができるのです。

またバンドウォークはトレンド継続のサインとしても判断できるので、より長い間トレンドに乗れる可能性があります。

ボリンジャーバンドのバンドウォークについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

エクスパンションのだましには要注意

エクスパンションをトレードに利用する際は、だましが発生する可能性もあることには注意しましょう。

ボリンジャーバンドのエクスパンションのだましとして最も良く知られているのが「ヘッドフェイク」です。

ヘッドフェイクとは、ボリンジャーバンドがエクスパンションして2σまたは3σのバンドをローソク足が突破したのにも関わらず、相場が反転する現象です。

ヘッドフェイクを回避するためには、他のインジケーターと組み合わせたり、ファンダメンタル分析も考慮して相場をより複合的に分析したりすることが有効です。

エクスパンションで判断できるトレードサインは必ずその通りになるわけではないということを念頭に取引を行うようにしましょう。

もしエクスパンションがだましだと判断できた場合は、損切りをしっかりと行うことも忘れないでください。

エクスパンションをトレードで利用する際の3つのポイント

トレードでエクスパンションを利用する場合、以下の3つのポイントを意識することでトレードの精度をより高められます。

  • スクイーズの期間を確認する
  • 他のインジケーターと組み合わせる
  • 上位足のボリンジャーバンドを確認する

その1:スクイーズの期間を確認する

スクイーズからエクスパンションが発生したことを「トレンド発生」とみなしてトレードを行う場合、スクイーズの期間も確認するようにしましょう。

スクイーズとは、いわば相場がレンジになっている状態です。スクイーズの期間が長ければ長いほど、後に発生するトレンドが大きい可能性が高いのです。

したがってエントリー前のスクイーズ期間が長ければ長いほど、トレンドが継続する可能性が高く、より長い期間ポジションを保有できる可能性が高いと判断できます。

その2:他のインジケーターと組み合わせる

他のインジケーターと組み合わせることで、ボリンジャーバンドのエクスパンションだけでは判断できないトレードサインを確認でき、トレードの精度をより高められます。

特に他のインジケーターを利用してより複合的に相場を分析することで、ボリンジャーバンドのだましを回避できるようになるのが最大のメリットです。

組み合わせるインジケーターとしては、ボリンジャーバンドはテクニカルインジケーターに含まれるので、オシレーターがオススメです。

オシレーターはエクスパンションだけでは正確に判断できない相場の転換点、つまりボージを見極める際に役立ちます。

エクスパンションが発生し続け、かつオシレーターが過熱状態だと判断できる水準まで到達するとそろそろボージが発生する可能性があると心構えるとよいでしょう。

その3:上位足のボリンジャーバンドを確認する

上位足のボリンジャーバンドを確認することも、だましを回避するために役立ちます。

下位足でエクスパンションが発生した場合、上位足でもエクスパンションが発生していると、トレンドの発生確率が高いと判断できます。

一方、下位足でエクスパンションが発生しても、上位足でスクイーズが発生している場合は、トレンドが発生する可能性が低い、またはそれほど継続しないと判断できます。

上位足と下位足のボリンジャーバンドを確認して、短期と長期のトレンド方向が一致しているのか確認することが、トレードの精度を上げるためのコツなのです。

まとめ

ボリンジャーバンドのエクスパンションついて、エクスパンションが示す意味から判断できるトレードサイン、だましへの対処法に至るまで詳しく解説してきました。

ボリンジャーバンドのエクスパンションは、視覚的にトレンド発生が分かりやすいため、初心者の方でもトレードに取り入れやすいトレードサインです。

しかしエクスパンションで確認できるサインは100%正しい訳ではなく、時にはだましが発生する可能性があるので、利用する際には注意するようにしましょう。

ボリンジャーバンドの利用に慣れてきたら、他のインジケーターと組み合わせたり、上位足を確認したりして、トレードの精度を徐々に高めていくようにしましょう。

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