XAGUSD(シルバー)とは?ゴールドとの違いや差をつけるための取引戦略を解説

XAGUSDはシルバー(銀)の価格を米ドルで表した銘柄であり、ゴールドと同様に注目度の高い貴金属銘柄の一つとして知られています。
ただし、ゴールドとは価格の変動要因やボラティリティ、季節による価格推移の傾向などが異なる点には注意が必要です。
この記事では、XAGUSDの特徴とともに、取引時に意識すべきポイントや取引の精度を高めるために役立つ銘柄などを以下の項目で詳しく解説します。
- XAGUSD(シルバー)とは
- XAGUSD(シルバー)とXAUUSD(ゴールド)の違い
- XAGUSD(シルバー)の取引時に意識すべきポイント
- XAGUSD(シルバー)を取引する際に見ておきたい銘柄
- XAGUSDの取引をFintokeiで体験しよう
- まとめ
XAGUSD(シルバー)とは
XAGUSDとは、シルバー(銀)の価格を米ドルで表した銘柄で、差金決済取引として取引される代表的な貴金属銘柄です。
差金決済取引なので金属の現物を実際に受け渡すことはなく、価格の変動幅から生じる損益だけが発生します。
またドル建てである点やスプレッドの値などの取引条件が近く、かつ取扱業者も多いためゴールド(XAUUSD)を取引しているトレーダーにとっては比較的トレードしやすい銘柄といえます。
XAGUSD(シルバー)とXAUUSD(ゴールド)の違い
XAGUSD(シルバー)とXAUUSD(ゴールド)は共通点が多いものの、以下のように大きな違いもあります。
- XAUUSDよりもボラティリティが高い
- シルバー(XAGUSD)は産業需要が強い
- 価格の推移傾向
XAUUSDよりもボラティリティが高い
XAGUSDは、ボラティリティが高い銘柄として知られているXAUUSDよりも価格の変動幅が大きくなる傾向にあります。
例えば2025年6月20日から1ヶ月間の変動幅を見ると、XAUUSDが約2,020〜6,950pipsであったのに対し、XAGUSDは3,330〜16,210pipsと大きな差があります。
また2025年3月〜7月のチャートを見比べてみると、XAUUSDがレンジの場面でもXAGUSDは上昇トレンドを描いていることが分かります。
シルバー(XAGUSD)は産業需要が強い
シルバーはゴールドと比較して産業需要の比率が圧倒的に高いという特徴があります。
例えば、2024年の世界銀需要のうち約58%(680.5÷1,164.1)が工業用途(電子部品、太陽光パネル、自動車など)に使われています。
したがって、地政学リスクや金融不安が高まった局面ではゴールドは「安全資産」として買われやすい一方で、シルバーは景気減速による産業需要の減退懸念で売られることもあるのです。
その結果、リスクオフ局面なのに金は上がり銀は下がるという乖離した動きが見られることもあります。
価格の推移傾向
XAGUSDとXAUUSDは、同じ貴金属でありながら価格の推移傾向に違いがある点も見逃せません。
以下は、XAUUSDのシーズナリティチャートです。
1月下旬〜2月中旬にかけて祝われる春節(旧正月)による中国国内での金需要の増加を起点に、12月にかけて上昇トレンドが続く傾向にあります。
一方でXAGUSDのシーズナリティチャートを見てみると、1月〜4月にかけて上昇した後は下落に転じることが分かります。
先ほども解説した通り、需要の要因に差があるため価格がいつ変動しやすくなるのかもシルバーとゴールドで変わってくるのです。
XAGUSD(シルバー)の取引時に意識すべきポイント
XAUUSD(ゴールド)との違いを踏まえ、XAGUSD(シルバー)を取引する際に意識すべきポイントとして以下の3つを紹介します。
- XAUUSDの取引時よりもロット数を落とす
- 価格が走りすぎる場面がある
- 価格が動きやすい時間帯は22時〜翌2時頃
XAUUSDの取引時よりもロット数を落とす
XAGUSDを取引する際には、XAUUSDと同じ感覚でロット数を設定するのは危険です。
なぜなら、ボラティリティだけでなく、1ロットあたりの取引量やpipsの単位が異なるからです。
具体的にはXAUUSDの1ロットは100オンスで、1pips=0.1ドル、一方でXAGUSDの1ロットは5,000オンスで、1pips=0.01ドルとなっています。
つまり、1ロットの取引で1pips動いた場合の損益は以下のようにゴールドとシルバーで5倍の差が開いてしまうのです。※1ドル=150円換算
- XAUUSD:0.1ドル × 100オンス = 10ドル(=約1,500円)
- XAGUSD:0.01ドル × 5,000オンス = 50ドル(=約7,500円)
特にボラティリティの高いXAGUSDでは予想以上に損失が膨らむリスクがあるため、目安としてXAUUSDの5分の1となるようにロットを調整するとよいでしょう。
ゴールドの1pipsはいくらなのかについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ゴールドの1pipsとは?手数料や利益に使える計算方法も紹介
価格が走りすぎる場面がある
XAGUSDはXAGUSDよりも流動性が低く、かつボラティリティが高いので、時には価格変動が過剰になってしまうことがあります。
実際にXAUUSDとXAGUSDの同じ期間のチャートを見比べると、XAGUSDの方が急落時の振れ幅が大きくなっていることが分かります。
特に大きな価格変動が起きた場合には水平ラインを想定以上に貫通する恐れがあるので、反転の兆候を確認してからエントリーするなどのリスク管理を欠かさないようにしましょう。
価格が動きやすい時間帯は22時〜翌2時頃
XAGUSDは、XAUUSDと同様に、ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる日本時間の22時〜翌2時頃に最も活発に価格が動きやすい特徴があります。
この時間帯は米国の経済指標や要人発言などが集中しやすく、ドル建てであるシルバーにとっても値動きの材料が豊富です。
特に米ドルと逆相関の傾向が強い金と同様、シルバーも米国の政策金利やインフレ指標によって影響を受けることが多く、この時間帯は短期トレードのタイミングとなりやすいです。
このような動意づきやすい時間にエントリーすることで、方向感のあるトレンドが出やすく、効率よくpipsを狙いやすくなるというメリットがあります。
反対に、日中の薄商い時間帯では思惑のブレが大きくなりやすいため、初心者ほどこの22時〜翌2時を意識して取引タイミングを組み立てるのが有効です。
ゴールドの価格が動きやすい時間帯については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫FintokeiのXAUUSDは何時に動く?取引時間を徹底解説
XAGUSD(シルバー)を取引する際に見ておきたい銘柄
XAGUSD(シルバー)を取引する際に、併せて見ておきたい銘柄として以下の3つを紹介します。
- DXY(ドルインデックス)
- XAUUSD(ゴールド)
- XAU/XAG(金銀レシオ)
DXY(ドルインデックス)
XAGUSDはドル建てのため、ドルの強弱がそのままシルバーの価格に反映されるケースがあります。
ドルの強弱を確認する際に参考になるのが、主要6通貨に対する米ドルの総合力を示す「DXY(ドルインデックス)」です。
DXYが上昇する=ドル高となれば、相対的にシルバーは売られやすく、DXYが下落する=ドル安の場面では、シルバーが買われやすい傾向にあります。
さらに、FOMCや米CPIなどの経済イベント時にはまずドルに反応が出やすいため、XAGUSDを取引する際にもDXYの方向性を先に確認するのがセオリーです。
ゴールドとドルの関係性については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
XAUUSD(ゴールド)
同じ貴金属銘柄であるXAUUSD(ゴールド)は、XAGUSDと価格が相関するケースも見られます。
XAUUSDとXAGUSDの月足チャートを見てみると、多少戻りや押しに差があるものの、全体的なトレンドは同じであることが分かります。
XAGUSDで止まりそうなサポートラインを見つけた際に、XAUUSDも止まりそうなサポートラインがあるかを確認するなど、両方のテクニカル分析が一致するかどうかを確認すると取引精度を高められるでしょう。
XAU/XAG(金銀レシオ)
XAU/XAG(いわゆる金銀レシオ)は、金1オンスで何オンスの銀を買えるかを示す指標であり、ゴールドとシルバーの強さを見る際に役立ちます。
簡単に言うと、XAU/XAGが下がればゴールドよりもシルバーが強い、上がればシルバーよりもゴールドが強いと判断できます。
先ほども解説した通り、XAUUSDとXAGUSDは価格が相関するケースがあり、時にはどちらを取引する方が効率的なのか迷ってしまう場面も少なくありません。
銘柄選定で迷った際には、XAU/XAGも確認してシルバーとゴールドのどちらを取引すれば良いのか判断するとよいでしょう。
XAGUSDの取引をFintokeiで体験しよう
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事ではXAGUSD(シルバー)について、特徴からXAUUSD(ゴールド)との違い、取引時に意識するべきポイントなどを詳しく解説しました。
XAGUSDはゴールドと同様に人気の高い貴金属でありながら、その価格変動の特徴や市場規模、需給構造は大きく異なります。
特に産業需要の影響が強く出ることや、ボラティリティの大きさ、そして金との相関・乖離関係を活かした戦略はシルバーならではの魅力と言えるでしょう。
一方で、ロット単位や値動きの幅、取引時間帯によってリスクも大きくなりがちです。
だからこそゴールドとの違いや指標銘柄との関係性を理解しておくことが、XAGUSDで成果を上げるための鍵になります。
リスクとリターンのバランスを意識しつつ、自分のスタイルに合った取引手法を見つけていきましょう。
