ドル円とゴールドの逆相関が崩壊?知っておきたい5つの理由

一般的に、ドル建てゴールド(XAU/USD)とドル円(USD/JPY)は逆相関の関係にあるとされています。

逆相関になるのはどちらも米ドルを軸にしつつも、その影響の受け方が逆だからです。

しかし実際の相場では、ドルもゴールドも同時に買われるなど逆相関が崩れるケースが少なくありません。

そこで本記事では、ドル円とゴールドの逆相関がなぜ起こるのかだけでなく、相関が崩れる5つの代表パターンを明示します。

そして相関が崩れた局面でも迷わず対応できるよう、取引戦略の立て方まで以下の項目で具体的に解説していきます。

  • ドル円とゴールドはなぜ逆相関なのか?
  • ドル円とゴールドの逆相関が崩れる5つのケース
  • ドル円とゴールドの相関を活かしたトレード戦略の立て方
  • ドル円とゴールドの相関分析をFintokeiで実践しよう
  • まとめ

ドル円とゴールドはなぜ逆相関なのか?

まず前提として、巷でドル円と逆相関にあると言われているのはXAUUSD(ドル建てゴールド)です。

実際に1970年以降における両者のチャートを見てみると、ドル円は下落傾向、ドル建てゴールドは上昇傾向にあり逆相関であることが分かります。

両者が逆相関になる理由は、どちらも「米ドル」を軸にして動くものの、その関わり方が真逆だからです。

まずゴールド(XAU/USD)は、ドルの価値が上がると同じ1オンスの金でもドル換算の価格は下がりやすくなります。つまり、ドル高=ゴールド安という関係です。

一方、ドル円(USD/JPY)はドル高になると上昇しやすいので、ドル高=ドル円上昇という構造になります。

このようにどちらもドル高の影響を受けた場合、片方は下がりもう片方は上がるため、結果として逆方向に動きやすいのです。

ドル円とゴールドの逆相関が崩れる5つのケース

ドル円とゴールド(XAU/USD)は、時には逆相関が崩れることがあります。

ドル円とゴールドの逆相関が崩れる際にあるよくあるケースとして、以下の5つを紹介します。

  • 円の影響によってドル円が変動しているから
  • 有事の際にドルにも資金が流れるから
  • インフレヘッジとしてゴールドが買われるから
  • ゴールドがテクニカル主導で動く局面があるから
  • 実需がゴールド価格を押し上げるから

その1:円の影響によってドル円が変動しているから

ドル円の動き=ドルの動きとは限らず、実際には「円」が主導して動くケースもあります。

例えば日銀の政策変更観測などで円買いが進みドル円が下落する局面では、「ドルが売られたから」ではなく「円が買われたから」ドル円が下落していると判断できます。

そのような場面ではドル自体は強いままということもあり、XAU/USDは逆相関で上がることがないこともあるのです。

したがって逆相関であるかを見極めるためには、「ドル自体の強さ」をドルインデックス(DXY)を使って確認することが重要です。

ドル円が上昇かつDXYも上昇していればドル高主導の相場だと判断でき、XAU/USDは逆相関で下落しやすいと予想できます。

その2:有事の際にドルにも資金が流れるから

日本円は長年にわたってリスク回避時に買われる通貨として知られており、株価急落や地政学リスクが高まった局面では円高が進行する傾向にありました。

しかし近年有事の際にはドル自体も安全資産と見なされることも増えたため、ゴールドとドルの同時買いが発生するケースがあるのです。

実際に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻時には、XAU/USDが上昇したにもかかわらず、ドル高によってドル円は下がることなくレンジ相場を形成しました。

有事の相場では、以下を確認してリスク回避マネーがどこに向かっているかを多角的に観察することが重要です。

  • VIX(恐怖指数):株式市場のリスク感度を測定
  • ドルインデックス(DXY):米ドル全体の需給状況を把握
  • 米国債利回り:債券市場への逃避傾向をチェック
  • 円・スイスフランの動き:リスクオフ通貨の買われ方を見る

その3:インフレヘッジとしてゴールドが買われるから

通常はインフレが進行すると米国の中央銀行が金利を引き上げるため、利息を生むドルは買われて利息を生まないゴールドは売られやすくなります。

しかし利上げでもインフレが抑え込めないと市場が判断した場合、ゴールドは「インフレヘッジ(価値保存手段)」として再評価され、ドル高であっても買われることがあります。

このような状況では、以下の情報を常にチェックし、金利とインフレのどちらが相場価格を主導しているかを見極めることが重要です。

  • CPI / PCE(インフレ指標):市場の物価上昇圧力を定量的に把握
  • FRB要人の発言(FOMC議事録など):市場の金利見通しに影響を与える

その4:ゴールドがテクニカル主導で動く局面があるから

ゴールドがときにテクニカル要因によって急騰・急落することで、ドルインデックスやドル円との相関が機能しないケースがあります。

例えばXAU/USDが長期レンジを上抜けた瞬間に、ストップロスを巻き込んだ急騰が発生するとします。

この急騰はドルや円の材料とは関係ないので、USD/JPYはゴールドに関係なく推移するといった状況が起こりうるのです。

特に短期トレードでは相関性を前提にするのではなく、直近高値・安値のブレイクポイントなどゴールド単体のチャート構造や需給を確認する習慣を持つことが重要です。

その5:実需がゴールド価格を押し上げるから

ゴールドの価格は、ドルや円などの通貨要因だけでなく、実需つまり現物需要によっても大きく動くことがあります。

特に中国やインドなどでは、金は「富の象徴」「伝統的資産」として位置づけられており、宝飾品需要や中央銀行による金準備の買い増しが金相場に影響を与えています。

このような実需主導の局面では、為替との連動性は薄くなるため、ドルや円の動きに過度に依存した戦略は機能しにくくなります。

World Gold Council(WGC)が発表する需給統計などを確認して、ゴールドが「商品」として買われているのか、「通貨の代替資産」として買われているのかを見極めるようにしましょう。

ドル円とゴールドの相関を活かしたトレード戦略の立て方

ドル円とゴールドの相関を活かしたトレード戦略の立て方について、順を追って詳しく解説していきます。

  1. ドル円とゴールドに相関があるか確認する
  2. 逆相関の場合はどちらを取引するかを選ぶ
  3. 相関の確認は円建てゴールドにも注目する
  4. 相関が見られない場合は個別材料を重視した判断へ

ステップ1:ドル円とゴールドに相関があるか確認する

USD/JPYとXAU/USDのトレード戦略を立てる前に、まず両者の相関関係を確認する必要があります。

見るべきは次の3点です。

  • ゴールド価格(XAU/USD)
  • ドル円(USD/JPY)
  • ドルインデックス(DXY)

例えばXAU/USDが上昇し、同時にDXYとUSD/JPYが下落している場合、それはドル安主導の相場であり、ゴールドとドル円が逆方向に動く逆相関の典型例です。

ステップ2:逆相関の場合はどちらを取引するかを選ぶ

逆相関を確認できた場合、XAU/USDまたはUSD/JPYのどちらを取引するのかを選びます。

判断の軸としては、テクニカル的にエントリーポイントが明確な銘柄を選んでみるやり方がまずはおすすめです。

例えばゴールドに明確な上昇トレンドや強いファンダメンタル(インフレヘッジなど)が見られる場合は、XAU/USDでロングエントリーするのが理にかないます。

一方でテクニカル的にドル円が重要なサポートを割り込んだ直後であれば、USD/JPYのショートが有効です。

ステップ3:相関の確認は円建てゴールドにも注目する

XAU/USDとUSD/JPYが同じ方向に動いている場合、インフレ懸念によるゴールド買いや、円安手動によるドル円の上昇が同時に発生しているケースなどが考えられます。

こうした相場では、トレンドの持続性や材料の一過性を見極めることが重要です。

もし両者が本当に強く買われているのであれば、円建てゴールド(XAU/JPY)に注目するのも一つの手です。

XAU/USDの上昇とUSD/JPYの上昇が重なれば、XAU/JPYは2倍の上昇圧力を受けることになり、大きな値幅が狙えます。

XAU/JPYを直接取引できない環境では、「XAU/USDのロング+USD/JPYのショート」という合成ポジションを組むことで、同様のポジションを構築することも可能です。

ステップ4:相関が見られない場合は個別材料を重視した判断へ

XAU/USDとUSD/JPの動きに相関が見られない場合、それぞれが異なる材料で動いている可能性があります。

このような局面では、相関性に依存する戦略は通用しないため、個別にチャート構造やファンダメンタルズを精査して対応する必要があります。

例えばゴールドがテクニカルブレイクや需給要因(ETF流入・中央銀行の買い)で上昇している場合、ドル円の動きはある程度無視しても問題ありません。

一方で日銀の金融政策や為替介入がドル円の変動を主導しているときは、金価格との連動は期待できないためドル円独自のファンダを重視すべきです。

ドル円とゴールドの相関分析をFintokeiで実践しよう

Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。

Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していきます。

そしてFintokei公認のプロトレーダーになることができれば、デモ口座における取引利益額をもとに報酬がトレーダーに支払われます。

初期の取引資金や価格が異なるプランが豊富に用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。

今回紹介したドル円とゴールドの相関を活用した取引手法は、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。

また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。

無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。

Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!

まとめ

この記事では、ドル円とゴールドが逆相関である理由から、逆相関が崩れる5つの代表的ケース、そしてトレード戦略の立て方まで、順を追って解説しました。

相関性の分析は、相場の全体像をつかみやすくし、トレード判断の精度を高めてくれます。

逆相関が働く場面ではリスクを抑えながら取引機会を得られる一方、相関が崩れた際には背景要因を見極めた柔軟な戦略の立て直しが不可欠です。

今回紹介したドル円とゴールドの相関分析は、Fintokeiのような目標が決められたトレード環境で活用することで、さらに理解が深まりスキルアップにもつながります。

まずは無料トライアルから、相関の分析を武器にしたトレードを練習してみてはいかがでしょうか。

Fintokei編集部

最速でプロトレーダーへ!高額資金での取引をスタートしませんか?